日米安保条約を容認する馬英九総統の「尖閣=中華民国領土」という謬論

日米安保条約を容認する馬英九総統の「尖閣=中華民国領土」という謬論
昨日、台湾の馬英九総統が日本人記者団を前に、持論である尖閣諸島の中華民国領土
論をぶち上げた上で、「日台双方が主権問題を棚上げし、共同開発や資源を共有するこ
とが双方の利益となる」との考えを示した。

 この記者会見では「日米安保条約は東アジアの平和の重要な支え」と、同条約を容認
する姿勢を改めて表明し、「日台の安全保障上の協力も推進する考えにも変化はないと
強調した」(共同通信)という。

 しかし、馬英九総統が繰り返して主張している尖閣=中華民国領土論はすでに破綻し
ている。なぜなら、日米安保条約を容認しているからだ。

 尖閣諸島は明治28年(1895年)1月に日本が主権を宣言して以来、沖縄県に属してい
た。大東亜戦争後、昭和27年(1952年)4月28日に発効したサンフランシスコ講和条約の
第3条に謳う「南西諸島(琉球諸島及び大東諸島を含む)」に含まれていたことで、ア
メリカの信託統治領となる。この条約で日本が放棄した領土は「台湾及び澎湖諸島」で
あり、そこに尖閣諸島は含まれていなかったのである。

 そして日本は、昭和35年(1960年)に日米安保条約を締結した。その第5条には「日
本国の施政の下にある領域」とあり、アメリカ国務院は2004年3月、「日米安保条約は
日本管轄下の領土に適用されるとしており、そのため第5条は尖閣群島にも適用される」
と述べて、尖閣諸島が日本の領土であることを明らかにした。

 つまり、中華民国が尖閣諸島の領有権を主張した1970年9月には、尖閣諸島はアメリ
カの信託統治領だったが、昭和47年(1972年)5月、アメリカとの沖縄返還協定によっ
て沖縄とともに尖閣諸島が日本に返還され、日米安保条約の対象領土、すなわち「日本
国の施政の下にある領域」となり、それ以来、領土的変更はない。

 その日米安保条約を馬英九総統は容認しているのだ。日米安保条約を容認しながら、
尖閣諸島を中華民国の領土だと主張するのは大きな矛盾であり、謬論もはなはだしい成
立しない主張なのである。

 もちろん、明治28年(1895年)5月発効の下関条約において日本は清国より台湾及び
澎湖諸島の割譲を受けたが、すでに述べたように、日本はその年の1月に尖閣諸島の主
権を宣言しているのだから、下関条約の対象領土でなかったことも明白なことだ。

 その他にも、尖閣諸島が中華民国の領土でないことは中華民国自身の地図帳などから
もすでに証明されている。

 馬英九総統は面子にこだわらず、歴史的にも国際法的にも成立しない尖閣諸島=中華
民国領土論の誤謬を潔く認め、実効支配しているわけでもない尖閣諸島の主権棚上げ論
を取り下げるべきだろう。そうすれば、日台関係がさらに前進することはまちがいない。
日台漁業交渉の活路も開けてくるだろう。

                    (メルマガ「日台共栄」編集長 柚原 正敬)


「尖閣 日台共同開発を」馬総統 主権問題棚上げ主張
【9月20日 産経新聞】

 【台北=長谷川周人】台湾の馬英九総統は19日、台北市内にある迎賓館、台北賓館で
産経新聞など日本メディアと会見し、尖閣諸島(中国語名・釣魚島)は「中華民国の領
土である」と述べ、改めて領有権を主張した。しかしその一方で馬総統は、尖閣周辺の
海洋資源の共同開発を日本に呼びかけ、主権問題は棚上げとし、実務レベルから日台関
係の強化を目指す考えを強調した。

 日本領土である尖閣に対し台湾は、中国と同様、領有権を主張しているが、政権発足
から1カ月に満たない6月上旬、尖閣沖で日本の巡視船と台湾の遊漁船の衝突事故が発生
した。

 この際、馬政権は巡視船9隻を尖閣周辺海域に派遣するなど、対日強硬姿勢を貫き、
日本側に驚きを与えた。

 これを踏まえ馬総統は、日台間の懸案事項を現実的に解決するには、「主権問題を棚
上げし、漁業協議で共通認識に達すれば、資源を共に享受する形で衝突が避けられる」
と指摘。暗礁に乗り上げたままの尖閣海域における日台間の漁業交渉について、台湾漁
民の権益を守る立場から懸念を示し、「(日台が)誠意と善意をもって問題解決にあた
れば、双方の利益になる」と訴えた。

 馬総統はまた、日中両国が東シナ海ガス田の共同開発に合意したことを引き合いに出
し、「日本と中共(中国)ができるのなら、台日も(主権)棚上げを成し遂げるべきだ」
と指摘した。

 22日の自民党総裁選に関しては、2006年の訪日で馬氏が面談した麻生太郎幹事長(当
時は外相)が、中台関係の改善を目指す馬氏の考えに対し「基本的に肯定する見方を示
した」として、麻生政権が誕生すれば「台日関係にとっていいニュースだ」と述べた。

 馬総統は一方、馮寄台・新駐日代表(大使に相当)を同席させ、「彼は20年来の友人
で、信任している」と評し、国際問題を担当してきた腹心の登用で日本側と密接な意思
疎通を図り、「特別なパートナー」である日台関係を強化したいとの考えを強調した。

 衝突事故が引き金になって駐日代表を辞任した許世楷氏の後任となる馮代表は、「着
任後、台日間の相互信頼をどう築くかが最も重要で、台湾は日本にとり最も友好的な国
の一つであることを日本政府と人民に理解してもらいたい」と赴任に向けた抱負を述べ
た。馮代表は27日に着任する。

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