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台湾統一地方選挙結果を受けて  王 明理(台湾独立建国聯盟日本本部委員長)

11月24日に投開票が行われた台湾の統一地方選挙は、本誌前号でもお伝えしたように民進党の惨敗だった。それを受けて、台湾独立建国聯盟日本本部の王明理・委員長とジャーナリストの野嶋剛氏が発表した論考を下記にご紹介したい。

 王委員長は、台湾の人々に「苦悶の歴史からやっと脱却しつつある過程で、まさか自ら後退を選び苦しい過去へ逆走し始めるとは思わなかった」と憤りと失望感を込めてつづる。野嶋氏も「今回の選挙は、ひと言で言えば民進党の自滅であった」と指摘する。

 台湾の真の独立を希求するがゆえの王委員長の失望感であり、民進党の自滅という野嶋氏の指摘にも同感する。

 一方、この選挙結果について中国がどのようなコメントを出すのだろうと思っていたところ、中国国務院台湾事務弁公室が「選挙結果は、台湾の民衆の願いを反映したものだ」「広範な台湾の民衆が両岸関係の平和的な発展がもたらす利益を望んでいることの表れだ」と発表した。

 選挙は民意を問うのが本義なのだから、選挙結果は台湾の民意を反映したものというコメントは、当たり前すぎてコメント価値がないほどのコメントだったが、民意を大事にすると言い続けてきた蔡英文総統への当てつけでもあろう。

 しかし、前回の統一地方選挙と今回の統一地方選挙を比べてみると、台湾はまたもや絶妙なバランス感覚を示したとは言えないだろうか。

 中国傾斜著しい国民党の馬英九政権時代の2014年統一地方選挙では民進党の大勝利に終わった。今回は、中国が台湾併呑のためには武力行使も辞さないとして、国際機関への加盟を阻止したり、国交を結ぶ国に圧力をかけて断交させるなど、台湾への圧力を露骨なまでに強めている時期に当たる。そこで、台湾の人々は国民党に一票を投じ、中国に安心材料を与えて見せた、と。

 中国側の「台湾の民衆が両岸関係の平和的な発展がもたらす利益を望んでいる」というコメントには、安心感が垣間見える。産経新聞が「蔡政権の対中姿勢が支持を得られなかったとする“勝利宣言”ともいえそうだ」と報じたように、中国を安心させたようだ。

 もちろん、台湾の中には、これで中国はさらに台湾への圧力を強めてくるという見方も出ているようだが、少なくとも国民党が大勝したことで武力行使の矛先は鈍ってくるに違いない。また、中国が台湾に圧力をかければかけるほど、台湾人意識が高まっている台湾の人々の反発も強まるだろう。

 2018年1月に台湾民主基金会が政治大学に委託して調査を行った世論調査では、「中国が侵攻してきた場合、軍隊に志願するか、その他の手段で抵抗する」と回答した39歳以下の割合は68%に達している。

 このような世代が、今回の統一地方選挙で蔡英文政権の民進党にNOを突き付けたことで、NOの解釈はいろいろあるが、中国にとってはこれまでの路線で大丈夫と解釈したのではないだろうか。

 翻って日本は、中国が安心している間に、蔡英文政権にしっかり日本の意思が伝わるような具体策を提示すべきであろう。

————————————————————————————-台湾統一地方選挙結果を受けて  王 明理(台湾独立建国聯盟日本本部委員長)【台湾独立建国聯盟日本本部ホームページ:2018年11月26日】https://www.wufi-japan.org/

 台湾の統一地方選挙の結果に愕然、唖然とし、怒りを通り越して、深く失望している。

 中国が台湾のこの選挙に深く介入していることはアメリカも指摘していたし、中国資本の多いマスコミの弊害も以前から言われてはいたが、台湾人が、中国との統一を目論む国民党を選ぶはずがないと心の中で油断していた。恐らく、蔡英文総統をはじめとする民進党、そして、その支持者の中にも同様の油断があったと思われる。

 なぜなら、台湾人が戒厳令下で自由を奪われ、弾圧されて生きていたのはついこの前のことで、解放されてからまだ30数年しか経っていないからだ。戦後やってきた中国国民党によって数万人を超える台湾人が虐殺された。逮捕され、長期刑に処せられた人も数知れない。被害に遭わなかった人でも、家族や知人など身近にそうした例は多く、いつ自分の身にそのような不幸が降りかかるかと不安を覚えながら生きていた。その記憶はまだ薄れていない。だから、やっと手に入れた自由と人権を、台湾人が易々と国民党の手に渡すはずがないと思っていた。

 しかも、今や、国民党は以前かぶっていた化けの皮をかなぐり捨て、「中国との統一」を望んでいることを隠そうともしない。高雄の選挙戦でもそれは明らかであった。今の中国と一緒になることは、何を意味するのか。それは、自由で民主的な社会を捨て、共産党の一党独裁の支配下に入ることである。

 今、中国に支配されている諸民族がどれだけ苦しみ、その圧政、弾圧、人権侵害から逃れたいと願っているかを台湾人は知らないのか? チベット人やウイグル人やモンゴル人や他の民の苦しみの声を聴いたことがないのか? 甘い言葉に騙されて、中国に「復帰」した後で、後悔している香港のことを知らないのか?

 中国が囁く「経済連携」や「優遇」という言葉は、台湾侵略のための甘い罠であることはちょっと考えれば分かりそうなものだ。「巧言令色少なし仁」とはまさに、そういうことが横行する中国で生まれた諺である。言葉巧みに台湾を手に入れようと目論む中国に、自ら跳びこむことを選ぶ人たちがいるとは全く信じがたい。利益追求は安定した確固たる国があってこそ求めるべきであり、国の尊厳と天秤にかけられるものではないはずだ。

 今、台湾人が享受している平和で自由な空気は、天から降ってきたものではなく、多大な犠牲の上に手に入れたものだ。かつての国民党の一党独裁体制から民主化に生まれ変わるために、台湾人がどれだけ努力し、忍耐し、尽力したか。李登輝さんという稀有な人材が副総統から総統になるという奇跡が無ければ、有り得ない革命だった。台湾人は世界史にも燦然と輝く無血革命を成し遂げた民族であったはずだった。

 未だ正式な独立国家とはなっていないが、苦悶の歴史からやっと脱却しつつある過程で、まさか自ら後退を選び苦しい過去へ逆走し始めるとは思わなかった。

 蔡英文政権の執政のまずさがあろうとも、それは致命的ではなかった。経済は馬英九政権時代よりも上向き、失業率も低下し、国民党時代の不正義を正す難題にも手をつけていた。とにかく、たとえ、どんな失政が仮にあろうとも、異民族の一党独裁体制に組み込まれたいなどと、まともな人なら思うはずがない、と私は考えていた。私こそが平和ボケしていたのかもしれない。台湾人のなかに、かつての国民党支配下で培われた「強いもの、長いものに巻かれろ」という生き方や、「遠い将来のことより、目の前の安全と利益を大事にする」傾向がまだまだ根付いていたのかもしれない。

 台湾独立運動の先輩達は、台湾人の性質や立場を理解しながらも、いや、そうであるからこそ、台湾人の自立のために、身を賭して理想の実現に取り組んできた。その努力がなかったら、今の自由な社会は無かった。彼らの想いを無駄にしたくはない。しかし、今は、ただ溜息しか出てこない。


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