5月26日、戸籍法施行規則の一部を改正する法務省の省令が施行され、戸籍や届出の国籍欄に「台湾」と記載できるようになりました。
1964年6月19日、法務省民事局長通達により、台湾の中華民国出身者も中華人民共和国出身者も戸籍の国籍を「中国」とされて以来、60年以上を経てようやく台湾出身者は「台湾」と表記されるようになりました。
戸籍において、台湾出身者が「台湾」と表記されるのは初めてのことです。
本誌でもお伝えしたように、日本李登輝友の会は外国人登録証明書問題が解決された2010年9月から15年ほど台湾出身者の戸籍問題に取り組んできました。
しかし、いかんせん民間活動では法務省まで手が届かず、この問題の解決には超党派の国会議員でつくる日華議員懇談会の「戸籍における国名表記問題に関するプロジェクトチーム」の滝波宏文・座長(参議院議員)をはじめ国会議員の方々のご尽力により解決に導くことができました。
ことは台湾人の人権や尊厳にかかわる問題でした。
また、日本で事故死した家族を台湾で埋葬しようとすると、日本で発行した戸籍謄本と死亡届の記載事項証明書に死者の国籍が「中国」となっていたため埋葬できず、もう一度日本へ行って書類訂正の再申請を行うなど多くの実害が出ている問題でした。
そして、何より台湾出身者を「中国」国籍と記すことは、中国が主張する「一つの中国」を日本が承認している証だとみなされかねない懼れがあることでした。
日本政府の立場や日中共同声明にも合致しないこのような戸籍表記は、法務省による重大な瑕疵であり、一刻も早く改められるべきでした。
改めて、日本と台湾の国益に資し、実害をなくす戸籍問題が解決されたことを寿ぎ、ご尽力いただいた国会議員の方々に感謝申し上げます。
◆婚姻届などの届出用紙も訂正し「台湾」と記入
ところで、婚姻届などの届出用紙はどうなっているのかが気になりましたので調べてみました。
これも「記入の注意」に説明を付けて訂正されていました。
下記に、出生届、婚姻届、離婚届、死亡届、養子縁組届について、届出見本のPDF版と記入事項をご紹介します。
・出生届 https://www.moj.go.jp/content/001295267.pdf
法務省ホームページの届出用紙の記入例における「生まれた子」欄の「生まれたところ」の記入例における「記入の注意」には、下記の説明を付しています。
【生まれたところが、台湾またはパレスチナ(ヨルダン川西岸地区及びガザ地区)である場合、地域から記載することができます。
】
また、届出用紙の「生まれた子の父と母」欄の「本籍」欄の但書きには「外国人の場合は国籍だけを書いてください」とありますが、法務省ホームページの届出用紙の記入例における「記入の注意」には下記の説明を付していました。
【外国人のうち、次の地域の法を本国法とする人は、国籍に代えて地域を記載することができます。
1 台湾 2 パレスチナ(ヨルダン川西岸地区及びガザ地区)】
・婚姻届 https://www.moj.go.jp/content/001295263.pdf
届出用紙の「本籍」欄の但書きには「外国人の場合は国籍だけを書いてください」とありますが、法務省ホームページの届出用紙の記入例における「記入の注意」には下記の説明を付しています。
【外国人のうち、次の地域の法を本国法とする人は、国籍に代えて地域を記載することができます。
1 台湾 2 パレスチナ(ヨルダン川西岸地区及びガザ地区】
・離婚届 https://www.moj.go.jp/content/001346336.pdf
届出用紙の「本籍」欄の但書きには「外国人の場合は国籍だけを書いてください」とありますが、法務省ホームページの届出用紙の記入例における「記入の注意」には下記の説明を付しています。
【外国人のうち、次の地域の法を本国法とする人は、国籍に代えて地域を記載することができます。
1 台湾 2 パレスチナ(ヨルダン川西岸地区及びガザ地区)】
・死亡届 https://www.moj.go.jp/content/001420033.pdf
法務省ホームページの届出用紙の記載例における「死亡したところ」欄の「記入の注意」には、下記の説明を付しています。
【死亡したところが、台湾またはパレスチナ(ヨルダン川西岸地区及びガザ地区)である場合、地域から記載することができます。
】
また、届出用紙の「本籍」欄の但書きには「外国人の場合は国籍だけを書いてください」とありますが、法務省ホームページの届出用紙の記入例における「記入の注意」には下記の説明を付していました。
【外国人のうち、次の地域の法を本国法とする人は、国籍に代えて地域を記載することができます。
1 台湾2 パレスチナ(ヨルダン川西岸地区及び ガザ地区)】
・養子縁組届 https://www3.city.sapporo.jp/download/shinsei/procedure/00341_pdf/presen_00341_000.pdf
届出用紙の「本籍」欄の但書きには「外国人の場合は国籍だけを書いてください」とありますが、法務省ホームページの届出用紙の記入例における「記入の注意」には下記の説明を付しています。
【外国人のうち、次の地域の法を本国法とする人は、国籍に代えて地域を記載することができます。
1 台湾2 パレスチナ(ヨルダン川西岸地区及び ガザ地区)】
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