台湾人の人権侵害を正当化する人権擁護法案に反対する

「人権擁護法案」から外登証の事例は削除されたが……

■表現が不適切として外登証問題を削除

 事は台湾に関わる。それも、日本李登輝友の会が設立当初から進めてきた「台湾正名
運動」の核心に関わる。

 未だに世情を騒がせている人権擁護法案(現「『話し合い解決』等による人権救済
法」)の中に、調査不開始の具体例、つまり救済対象外の事例として「台湾人の外国人
登録の国籍に『中国』と記載する行為が人権侵害であるとする申告」を挙げていた。

 これは、2月13日の自民党人権問題等調査会(太田誠一会長)で配布した法務省人権
擁護局が作成した資料に記載されていたものだ。

 在日台湾人の外国人登録証の国籍欄が「中国」とされているのを不当として「台湾」
への改正(正名)を求めてきた本会として、このような人権を扱う法案で、台湾人の人
権に関わる外登証問題が救済対象から外されることは、これまでの活動を否定されたも
同然である。

 そこで、本会会員をはじめ台湾問題に理解を示す方々とともに、法務省人権擁護局に
対して抗議活動を展開してきた。

 この人権擁護法案(「『話し合い解決』等による人権救済法」案)が今国会に提出さ
れる予定で進められてきたことから、本会ではこの法案の調査不開始の具体例として未
だに外登証の件が入っているのかを法務省人権擁護局に6月はじめに確認したところ、
現在では入っていないことが判明した。

 人権擁護局には、2月の自民党人権問題等調査会で資料を配布した直後から抗議の声
が寄せられ、人権擁護局自身も「表現が不適切」と判断して削除したことを人権擁護局
の法案担当者に直接確認できた。

 これも皆さまのお蔭です。ありがとうございました。

■「『話し合い解決』等による人権救済法」案では全ての具体例を削除

 だが、油断は禁物だ。これはほとんどまやかしと言ってよい。

 5月29日に新たに示された「『話し合い解決』等による人権救済法」案の資料では、
「救済の対象から除外すべき類例」として4点を挙げ、その第1として「申出の内容に、
次のような事情が認められるとき」として以下の3点を挙げている。

 A 学術上の論議、歴史上の事象又は宗教上の教義についての見解を根拠・前提とし
  て被害を受けたと主張するもの
 B 法令が憲法に違反する旨の見解を根拠・前提として被害を受けたと主張するもの
 C これらのほか、その性質上、人権救済機関の調査・措置に馴染まないもの

 実は、類例の4点と上記の3点は、2月の「不開始の具体例」で挙げた5点とほぼ同じで
ある。順番が入れ替わって、Cの項目が増え、外登証などの具体例が記載されていない
だけである。

 Aの学術上の論議の項では、2月資料には「例えば、第二次大戦中の日本軍の行為に
関わる言論が名誉を毀損するとする申告等」と書かれ、Bの法令が憲法に違反する項で
は「例えば、台湾人の外国人登録の国籍に「中国」と記載する行為が人権侵害であると
する申告、朝鮮学校卒業者に公立高校の受験資格を認めないこと」と記されていた。新
法案ではその具体的事例の全てを削除しただけである。

 そこで、法務省人権擁護局に、この法案が成立して実施された場合、「救済の対象か
ら除外すべき類例」として外登証問題を具体例として考えているのかを確認したところ
「仮定のことなのでコメントできない」という至極当り前の答が返ってきた。

■台湾人の人権侵害を正当化する法案に反対する

 だが、すでに人権救済の対象外として外登証問題が挙げられているのである。それも
「朝鮮学校卒業者に公立高校の受験資格を認めないこと」と同列にである。

 法令に関わる朝鮮学校卒業者の公立高校受験資格問題と、単なる法務省入国管理局の
内規(外国人登録事務取扱要領)による台湾人の外国人登録問題をこの項目で同列に記
載することがまずおかしいのであり、当方からの抗議により法務省人権擁護局も外登証
問題が法令云々の問題ではないことは認めたところだ。

 だが、法律を実施するに当たっては「救済の対象から除外すべき類例」の具体例を示
さなければ、現場は混乱する。

 つまり、外登証問題が「救済の対象から除外すべき類例の具体例」として示された以
上、これが現場に具体例として示されることはほぼ間違いないと考えてよいだろう。

 いずれにせよ、これまで百地章・日大教授ら多くの識者から指摘されてきたように、
この人権擁護法案(「『話し合い解決』等による人権救済法」案)は実に問題の多い、
危険な法案である。

 ついては、日本李登輝友の会は引き続き台湾人の人権侵害を正当化するこの法案に反
対してゆくとともに、台湾正名運動の核心問題として外登証問題の解決を目指して活動
してゆく所存である。

 この外登証問題は日本が解決すべき問題であり、台湾問題とは日本の問題であること
を訴えて参る所存ですので、今後とも変わらぬご支援ご協力をお願いいたします。

 平成20年6月吉日

                      日本李登輝友の会事務局長 柚原 正敬

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