台湾の桜 [日本李登輝友の会事務局長 柚原 正敬]

昨年8月、「めぐり旅・台湾」から台湾に関するエッセイを求められ、「台湾の桜」
と題して寄稿したことがありました。折り良く、台湾に桜を寄贈するころとなりまし
たので、ここにご紹介いたします。   (メルマガ「日台共栄」編集長 柚原正敬)


台湾の桜

                     日本李登輝友の会事務局長 柚原 正敬

 南国の台湾にも桜が咲く。台湾には、ムシャザクラ(武者桜)とカンヒザクラ(寒緋
桜)の二つの原種があるという。ムシャザクラはソメイヨシノが咲く少し前、白い壺形
の小ぶりの花をつける。カンヒザクラはやはり小ぶりの花だが、目にも鮮やかな濃い緋
色の花を1月末ころから咲かせる。

 台北県の烏来は原住民のタイヤル族が住む、温泉で有名な村だ。川にもお湯が沸いて
いて露天風呂が楽しめる。台北から車で1時間半くらいとあって、台湾の人々が押しか
けてゆく癒しのスポットだ。ここに先の大戦で戦死した高砂義勇隊の人々を慰霊する「
高砂義勇隊慰霊碑」が建てられている。七曲のようにくねった坂道を登りながらこの慰
霊碑を訪れたとき、道の両側にカンヒザクラがいまを盛りと咲き誇っていたあの光景は
忘れがたい。

 日本人には日月潭で知られる南投県に、九族文化村という観光地がある。40ヘクター
ルもの広大な土地のいたるところにカンヒザクラが植えられている。アーチ型の桜並木
が続き、その下を巡り歩くのはなんとも心地良い。

 台湾の人々も桜が大好きなのだ。そこで、3年ほど前から台湾に河津桜の苗木を贈り
続けている。静岡県河津町を原産地とする河津桜は、台湾でも立派に花を咲かせる。だ
が、台湾の人々は日本のような飲めや歌えの花見はしない。眺めるだけだ。

 台湾人と日本人が一緒になって、満開の花の下で日本式の花見をしたいと思っていた。
来年はどうやら叶いそうなので今からワクワクしている。

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