台湾の夏 マンゴーの夏  鵜飼 啓(朝日新聞台北支局長)

台湾の夏 マンゴーの夏  鵜飼 啓(朝日新聞台北支局長)
夏の果物といえば、マンゴーの名前があがるほど日本でも知られるようになった台湾産のアップ
ルマンゴー。冷やして食べると抜群に美味しい。

 本会でご案内しているアップル(愛文)マンゴーも、お申し込みの締切が7月22日と迫ってきて
いる。最終発送は24日を予定している。前金制ですので、どうぞお申し込みと同時にお振り込みを
お忘れなきようお願いしたい。

 日本に輸出するため、台湾では害虫などを持ち込ませないよう燻蒸処理をしなければならず、農
薬基準が厳しいため、燻蒸処理したアップルマンゴーは日本から検査官を招いて検品している。そ
のため、検査官が日本に帰国してしまえば台湾からの輸入はストップする。だから、日本における
台湾産マンゴーが食べられる期間はほぼ1ヵ月ほどしかない。その後も出回っているのは冷凍保存
していたものだ。

 本場の台湾では5月半ばくらいから屏東産の早ものが出回り、8月の末くらいまでがアップルマン
ゴーの季節だ。この旬の時期に食べるマンゴーかき氷が抜群に美味しい。

 朝日新聞の鵜飼支局長も「はまった」ようだ。「マンゴーかき氷のおいしさを表現する言葉が思
いつかない」とまで書いている。

 台湾において主流となったアップルマンゴーの歴史をつづりながら、その人気ぶりを伝えてい
て、旨いものには国境なんてないことをよ〜くわからせてくれる。


台湾の夏 マンゴーの夏
【朝日新聞:2014年7月17日「連載・地球を食べる」】

http://digital.asahi.com/articles/ASG7H4FCCG7HUHBI00R.html?iref=comkiji_txt_end_s_kjid_ASG7H4FCCG7HUHBI00R

写真:マンゴーかき氷の「元祖」を名乗る「阿月芒果氷」のマンゴーかき氷=台南、鵜飼啓撮影

■マンゴーかき氷@台南

 頼まれてもいないが、料理番組のコメンテーターにはなれない、と思う。台湾の名物スイート、
マンゴーかき氷のおいしさを表現する言葉が思いつかないからだ。

 台湾を旅したことがある人なら一度は食べたことがあるのではないだろうか。とろけるようなマ
ンゴーの甘さと、牛乳などをつかって作る「雪花氷」のハーモニー。マンゴーアイスものってい
る。額の真ん中がキーンと痛くなるが、つい全部食べてしまう。

 マンゴーは台湾が本場中の本場、というわけではない。もともとはインドが起源だ。東南アジア
やメキシコなどでも多く生産されている。

 それでも台湾のマンゴーを取り上げてみようと思ったのは、単純においしいからだ。しかも、
夏。台北ではこのところ37度超なんて日が続く。かき氷やアイスクリームが食べたくなる季節だ。

 旅行ガイドなどでも取り上げられ、今では大人気のマンゴーかき氷だが、広く食べられるように
なったのはそれほど昔のことではないようだ。

 マンゴーの産地で、台湾で「マンゴーのふるさと」と呼ばれる南部の台南・玉井を訪ねると、本
当かどうかはともかく、マンゴーかき氷の「元祖」を名乗る店があった。「阿月芒果(マンゴー)
氷」だ。店を取り仕切る連明輝さんによると、創業は二十数年前。あずきなどをのせた普通のかき
氷屋だったが、15年ほど前からマンゴーかき氷を作り始めたという。

 意外なことに、当時はマンゴーの生産量が多すぎて、余ったものを廃棄していた。なんとか使い
道はないかと考えて行き着いたのがかき氷だったという。今では台北など遠方からわざわざ食べに
来る人も多く、週末は100人以上収容できる大型店舗など3店舗が満席になるという。すぐそばに別
の有名店「有間氷舗」や地元農協の店などもあり、一帯はマンゴーかき氷の激戦区だ。

 マンゴーと一口で言っても、表皮が黄色や黄緑、赤などのさまざまな品種がある。

 台湾で最も多く食べられているマンゴーは「愛文(アイ・ウェン)」という種だ。米国から持ち
込まれた「Irwin(アーウィン)」の中国語名だ。熟すとリンゴのように赤くなる。「阿月」
の連さんも「うちは愛文しか使わない。食感や香りが一番だ」とこだわる。

 台南区農業改良場の張錦興・副研究員によると、台湾ではもともと黄緑色の「土芒果」と呼ばれ
るマンゴーが栽培されていた。積み荷として持ち込まれた記録に残るのは、1623年に始まったオラ
ンダ統治期間だが、700〜1000年ほど前からあったようだという。繊維が多く、料理や調味料に使
われていたという。

 台湾が清朝の版図に組み入れられた1684年から1895年はマンゴー導入の「空白期間」になってい
る。康熙帝(在位1661〜1722年)の時代、台湾のマンゴーが対岸の福建省経由で献上されたことが
あったが、当時は台湾から北京に行くまでに3カ月ほどかかったという。時間がたって傷んだため
か、康熙帝の口に合わず、「もう持ってこなくて良い」と言われたとの逸話が残る。

 マンゴーはもともと熱帯の植物だ。熱帯と亜熱帯の境目にある台湾の気候は、マンゴーにとって
は低温で栽培にあまり適していないという。日本統治時代(1895〜1945年)になると、三井物産が
インドなどから「南洋種」と呼ばれるさまざまな種類のマンゴーを取り入れたが、気候が合わずに
ほとんど根付かなかった。

 「愛文」が登場するのは、終戦後だ。1954年、農業委員会の前身、「中国農村復興連合委員会」
が農村活性化につなげようと、米国から新品種を採り入れた。

 その中で、台湾の気候に合いそうだった一つが愛文だ。ところが、試験栽培した後、農家に実際
に植えてもらおうとしたところ、引き受け手がいなかった。その当時はマンゴーと言えば土芒果。
愛文がどんな果物なのか、農家のだれも見たことがなかった。「そんなものを引き受けられるか」
という反応だったのだ。

 だが、1人だけ、打診に首をたてに振った人物がいた。玉井の農家、鄭罕池さん(84)だ。貧し
い農家の出だったが、日本統治下で台湾人児童が通った公学校で学んだ後、農業学校に進んだ。集
落の中では高学歴で、28歳のときには地元の組合長になった。

 サトウキビなどを作っていたが、豊かになるには果物を作る必要があると痛感していた。収入が
比べものにならないくらい多いからだ。そこに持ち込まれたのが愛文だった。

 62年に畑の片隅に、愛文の苗100本を植えた。

 指導員から「リンゴよりも奇麗な実がなる」と聞かされ、「必ず成功させる」との思いだったと
いう。だが、63年1月、歴史的な寒波が台湾南部を襲った。愛文のほとんどが枯れ、残ったのは4本
だけだった。当局高官らがわざわざ慰労に訪れるほどの被害だったが、鄭さんはあきらめなかっ
た。

 そして64年春。4本の愛文が赤い花を見事に咲かせた。

 「集落全体で愛文を植えれば、春には一帯が赤く染まる。日本の桜のように、マンゴーの美しい
花が咲き誇るようになる」。大きな手応えを感じたという。

 愛文を実際に目にすると、近隣の農家もこぞって栽培するようになった。だが、最初は販路がな
く、思うように売れなかったという。台南駅前の果物屋を回ったら、通りにずらりと並んだ果物屋
が一軒をのぞいて買い取ろうとしなかった。農協に相談を持ちかけたところ、一週間放置されたま
まだったこともある。かんきつ類を扱う知り合いが台北の販路を紹介してくれて、ようやく売れる
ようになった。

 台湾ではいま、台南のほか高雄や?東など南部の約1万7千ヘクタールでマンゴーが栽培されてい
る。そのうち愛文が1万3千ヘクタールと圧倒的なシェアを誇る。マンゴーかき氷の名店には行列が
でき、高級品は日本など海外にも売られている。ここ数年は、実がなる前から業者が買い取りを決
めていくという人気ぶりだ。

 その全てが鄭さんの4本の愛文から始まった。

 鄭さんはこう語る。「いろいろと大変な思いもしたけれど、愛文のおかげで玉井はここまで発展
できた。台湾だけでなく日本などでも食べてもらえるようにもなった」。そして日本語で続けた。

 「万々歳ですよ、万々歳」

                              (台南(台湾南部)=鵜飼啓)

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