中国共産党創立100年であらわになった中国に対する世界の印象

中国共産党創立100年であらわになった中国に対する世界の印象

 7月1日、中国共産党は創立100年を迎えて天安門広場で記念式典を行い、習近平・総書記が行った演説は1時間に及んだという。この中で注目したのは、やはり台湾の統一に言及したことだ。

<台湾問題を解決し、祖国の完全な統一を実現することは、中国共産党の変わらぬ歴史的任務であり、中華の人々全体の共通の願いだ。「一つの中国」の原則と(それを認め合ったとする)「92年コンセンサス」を堅持し、祖国の平和統一プロセスを推進する。両岸の同胞を含むすべての中華の人々は、心と心を一つにし、団結して前進し、いかなる「台湾独立」のたくらみも断固として粉砕し、民族復興の美しい未来を創造しなければならない。いかなる人も中国人民が国家主権と領土を完全に守るという強い決心、意志、強大な能力を見くびってはならない。>(日本経済新聞の全文翻訳より)

 中華人民共和国日本国大使館も演説全文の邦訳を発表しているので下記に参考まで紹介したい。

◆中華人民共和国日本国大使館:中国共産党創立100周年祝賀大会における習近平総書記の演説全文 http://www.china-embassy.or.jp/jpn//zt/zggcdcl100zn/t1889124.htm

 それにしても、100年前に中国共産党が創立して以来、また中国(中華人民共和国)が1949年に建国されてからでさえ、一度も台湾を統治したことがない。それにもかかわらず、中国は台湾を中国の不可侵の領土だと一方的に宣揚して止まない。

 中国の主張の根拠は、1971年10月に国連安保理の常任理事国の座が中華民国から中華人民共和国に移ったことにある。そこで中国は、中華民国の承継国家は中国なのだから台湾は中国の領土なのだと主張しているのだが、これほど奇妙奇天烈で一方的な主張はあまりない。しかし、この一方的な主張に振り回されてきたのが1971年以降の世界だ。

 現在の台湾はいまだに中華民国を名乗っているものの、中国を代表すると見做されていた中華民国時代と大きく様変わりし、すでに台湾省は完全に廃止され、福建省も名ばかりで予算さえついていないのが現状だ。

 米国はすでに中国の唱える「『一つの中国』原則」から距離を置き、米国独自の「『一つの中国』政策」を取り始めていて、いわば目覚めた状態にある。トランプ政権以降、台湾との関係強化をはかり、バイデン政権もそれを引き継いでいる。

 また、つい最近「台湾は兄弟であり、家族だ」と述べた中山泰秀・防衛副大臣が「一つの中国」容認について、当時の決定は「正しかったのか」と疑問を呈したのも、中国の一方的な主張への疑問に他ならない。だから中山副大臣は「われわれは目を覚ますべきだ」と訴えたのだと思われる。

 さて、このような中国に対する世界が抱く印象について、米国のピュー・リサーチ・センターが17カ国で行った調査結果が発表されている。

 調査では、中国に対してネガティブな印象を抱いている人が全体の69%に上り、日本=88%、スウェーデン=80%、オーストラリア=78%、韓国=77%、米国=76%、台湾=69%の順に高いという結果だったそうだ。

 台湾でも中国共産党に関して同じような世論調査が行われ、台湾の台湾民意基金会が7月1日に発表している。日本経済新聞は「共産党に対して、肯定的な感情を持つ台湾人は10%にとどまり、否定的な感情を持つ人は47%に上った。同基金会は『台湾人の共産党への感情は氷点下に近い』と指摘した」と報じている。

 下記に、ピュー・リサーチ・センターの調査について伝える「Record China」の記事を紹介したい。

—————————————————————————————–「中国にネガティブな印象」最多は日本、米国は世界でのイメージ回復─米華字メディア【Record China:2021年7月1日】

 米華字メディア・多維新聞は1日、ピュー研究所(ピュー・リサーチ・センター)が行った調査の結果を伝えた。

 同調査は2021年2〜5月に17の国と地域の1万8850人を対象に行われた。記事によると、調査では、中国に対してネガティブな印象を抱いている人が全体の69%に上った。中でも日本が最も多く88%だった。以下、スウェーデン(80%)、オーストラリア(78%)、韓国(77%)、米国(76%)、台湾(69%)が続いた。マイナスの印象を持つ人が比較的少なかったのは、ギリシャ(42%)とシンガポール(34%)だったという。

 記事は、「どの国とさらに密接な経済関係を築くべきか」という問いでは、中国ではなく米国を選択する人がますます増加しているとし、中でも韓国では米国を支持する人が2015年の39%から75%にまで増えたと伝えた。

 また、「新型コロナウイルスの対策面で中国を高く評価している国は欧州に多く、ベルギー、スペイン、オランダなどでは前年比で15ポイントほど高い数字が出た」とする一方、「新型コロナが中国を見る視点ではなくなるにつれ、より多くの問題が『民主と専制』という枠の中で見られるようになっている」と指摘。17カ国・地域のうち、15カ国・地域の80%以上の人が「中国は個人の自由を尊重していない」と回答したことを紹介した。中でも、スウェーデンが95%、韓国が92%、オーストラリアとオランダが91%、米国が90%、台湾が83%と高い数字を示したという。記事は「香港や新疆ウイグル自治区、台湾などの問題、および中国の外交姿勢などがマイナスイメージの原因」との分析が出ていると伝えた。

 一方で、「バイデン政権がトランプ政権にとって代わってから、米大統領への信用はいく分上昇しているようだ」と指摘。「スウェーデンではトランプ大統領を信用するとの回答が15%だったもののバイデン大統領を信用するとの回答は85%に上った」としたほか、「6月初めに同研究所が発表した別の調査でも、米国の世界でのイメージが回復していることが示されていた」と伝えている。(翻訳・編集/北田)

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