中国が制定する「海警法」で海警局に付与する身勝手かつ恐ろしい機能

中国が制定する「海警法」で海警局に付与する身勝手かつ恐ろしい機能

 中国の全人代(全国人民代表大会)は11月4日、中国の海上警備を担う海警局の権限について、外国船が中国管轄海域で停戦命令に従わない場合の武器使用などを認める内容を含む80条からなる「海警法」法案の全文を公表した。法案は、12月3日までの意見公募の後に採択されるという。

 法案には「海上法執行機関の職員は、犯罪者の性質、程度および緊急性から武器の使用について合理的な判断を行う」とあり、中国が主張する「管轄海域」には南シナ海も東シナ海も含まれ、尖閣諸島を自国領と国内法で定める中国だ。尖閣周辺で操業する日本や台湾の漁船に対して、中国領海に違法に侵入したとして停船命令を発し、停船命令に従わないと判断した場合、武器を使う根拠を与える法案だ。判断はあくまでも中国にあるとする、香港国家安全維持法を想起させるなんとも身勝手な、そして恐ろしい国内法なのだ。

 南シナ海の沿岸国や日本などの漁船に南シナ海や東シナ海に近づけさせないようにする威嚇の法案とも指摘されている。近づかなくなれば、自ずと南シナ海と東シナ海は中国の海となる。これも中国三戦の法戦の一つなのだろう。

 中国海警局が人民武装警察部隊に編入されたのは2年前の2018年7月1日。今回の海警法制定により海警局は軍事組織としての機能を付与されたと言ってよい。

 海上保安庁の巡視船による領海岸警備体制を増強することによる警戒監視に万全を尽くすことも必要であろうが、法治国家としては法戦には法戦で戦うしかあるまい。政府は、尖閣諸島周辺海域での日本漁船の操業を円滑に維持するための根拠となる法解釈や新たな法を定めることも考慮されたい。

—————————————————————————————–中国 海警局に“外国船舶への武器使用”認める法律の草案【NHKニュース:2020年11月5日】

 中国の周辺海域で監視などを行う中国海警局の任務や権限を定めた法律の草案が明らかになり、管轄する海域で違法に活動する外国の船舶に対し、停船命令などに従わない場合は、武器の使用を認めるとしています。中国が領有権を主張する沖縄県の尖閣諸島周辺で、日本の漁船への影響が懸念されます。

 中国の立法機関、全人代=全国人民代表大会は、中国の周辺海域で監視などを行う中国海警局の任務や権限を定めた「海警法」の審議を行っていて、4日に、草案の内容を初めて公表しました。

 草案では、海警局は違法に中国の領海に進入してきた外国の船舶を強制的に追い払ったり、取り調べたりする権限を持つなど、具体的な任務を規定しています。

 そのうえで、外国の船舶が、中国の管轄する海域で違法に活動し、停船命令などに従わない場合は、武器を使用できるとしています。

 対象の海域については、領海に加え、排他的経済水域や大陸棚なども含むとしています。

 中国は、領有権を主張する沖縄県の尖閣諸島の沖合で、日本の領海への侵入を繰り返し、日本の漁船を追尾する動きも見せています。

 中国は海警局を軍の指揮下にある武装警察に編入し、船舶を大型化させていて、今後、活動を一層、活発化させるおそれもあり、法律が制定されれば、尖閣諸島周辺で操業する日本の漁船への影響が懸念されます。

◆加藤官房長官「高い関心を持って注視」

 加藤官房長官は、午前の記者会見で、「他国の法案や動きのひとつひとつにコメントするのは差し控えてきたが、この法案を含め、中国海警局をめぐる動向については、引き続き、高い関心を持って注視していきたい」と述べました。

 そのうえで、「政府としては、日本漁船を含む、国民の生命、財産、わが国の領土、領海、領空を断固として守り抜くという方針のもとで、尖閣諸島周辺の警戒監視に万全を尽くし、中国に対し、引き続き、冷静かつきぜんと対応したい」と述べました。

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