リトアニアから今年4度目となる総勢28人の台湾訪問団

リトアニアから今年4度目となる総勢28人の台湾訪問団

 中国を尻目に各国要人の台湾訪問が続いている。

 米国下院軍事委員会のメンバーであるステファニー・マーフィー議員(民主党)率いる8人の議員団は9月7日に訪台し、蔡英文総統などと会談して9日に離台。

 9月7日にはフランス元老院(上院)のシリル・ペルバ議員が率いる外交・国防委員会副委員長や法制委員会副委員長を含む超党派議員団5人が訪台、頼清徳副総統などと会談して12日に離台した。

 フランスからの訪台団がまだ台湾にいる間の9月10日、リトアニア共和国から経済革新省の副大臣に就いたばかりだというジェマイティス副大臣が政府関係者やレーザー、バイオテクノロジー企業の代表者ら28人で訪台した。

 9月16日までの滞在中、「経済部や国家の発展に関する政策や戦略の策定を担う国家発展委員会を訪問する。レーザーやバイオテクノロジー分野での提携の可能性を探るため、関連産業の研究機関や企業も訪れる」(中央通信社)予定だという。

 台湾は昨年11月18日、リトアニアの首都ヴィリニュスに事実上の大使館となる代表事務所「駐リトアニア台湾代表処(駐立陶宛台湾代表処)」を正式に開設している。リトアニアもこの9月に台湾に駐台湾リトアニア経済貿易代表処を開設する予定となっている。

 そもそも、リトアニアが台湾との関係を強めた要因は中国にある。中国による新疆ウイグル自治区のウイグル族への人権弾圧を看過しえないとしたリトアニア議会は、昨年5月20日、その弾圧を「ジェノサイド(計画的な民族虐殺)」と認定する決議案を可決する。これは2月のオランダ議会の決議、4月のイギリス下院の認定に続く決議だった。

 リトアニアは、中国中東欧首脳会議17+1からの離脱も宣言し、これ以降、自由、民主、人権、法の支配などの価値を共にする台湾と急速に関係を強化してゆく。

 昨年11月には、リトアニアのアンドリュス・クビリュス元首相を含む6カ国から選出の7議員が欧州連合(EU)欧州議会の公式代表団として訪台したことに象徴されるように、リトアニアの動きはヨーロッパに波及し、ヨーロッパの中国離れと台湾接近が加速されていったのが昨年だ。

 リトアニアの台湾との関係強化は今年に入っても活発で、6月12日にはヨウィータ・ニューリップシエネ経済革新副大臣一行をはじめ、6月22日からはエギディユス・ギエドライティス農業副大臣一行、8月7日には運輸通信省のバイシウケビチウテ副大臣らで構成される代表団が訪台している。そして、今年4度目となる9月10日からのジェマイティス経済革新省副大臣一行の訪台と続く。

 人口280万人のヨーロッパの小国が世界に与えた影響は小さくない。ソ連から蹂躙された歴史を刻むリトアニアは本年、熾烈な独立運動を経て1990年に独立を果たしてから32年を迎えた。台湾の民主化の歴史とほぼ重なる年月だ。

—————————————————————————————–リトアニアの経済革新省新副大臣が訪台、経済貿易関係深化へ【台湾国際放送:2022年9月13日】https://jp.rti.org.tw/news/view/id/95838

 リトアニア経済革新省のジェマイティス(Karolis ?emaitis)新副大臣が10日、訪問団を率いて台湾に到着しました。12日から、5日間に渡る経済貿易訪問行程が始まり、双方の産業協力を拡大し経済貿易関係を深化させることとなります。外交部は心からの歓迎の意を表しました。

 リトアニアのシモニーテ(Ingrida ?imonyt?)首相は先日、駐台湾経済貿易代表処は9月にも開設する予定だとし、リトアニアと台湾の関係発展に対し過度に反応したとして中国を批判しました。

 今回ジェマイティス副大臣が設立式典に参加するかどうかについてなど、駐台湾経済貿易代表処の正確な開設スケジュールなど詳しい情報はまだ明らかにされていません。

 外交部によりますと、ジェマイティス副大臣と共に台湾に到着したのは、政府関係者、レーザーおよびバイオテクノロジー企業の代表者ら28人です。12日から5日間に渡る、二国間の経済貿易、科学技術に関する協力深化を目的とした行程が始まりました。

 今年、リトアニアの経済革新省・前副大臣、農業部の副大臣、運輸通信大臣が相次いで代表団を率い台湾を訪れたのに続き、ジェマイティス副大臣がハイテクメーカーを率いて台湾を訪れたことについて、外交部は、台湾との産業協力を拡大し、経済貿易関係を深めるためにリトアニアが台湾を訪問してくれ、心から感謝するとしました。

 外交部によりますと、外交部の??燮・部長がジェマイティス副大臣をもてなし、訪問団は国家発展委員会や経済部関係者らと会談するということです。

 また、関連する産業技術研究機関や企業を訪問し、両国がレーザー技術、バイオテクノロジーや双方の有力産業などにおいて協力する機会を探り、台湾とリトアニアの民主的パートナーシップとグローバルな民主的産業チェーンのレジリエンスを強化するとしています。

 外交部は、近年、中国による台湾への軍事的脅威が高まっていることについて、台湾海峡の現状を一方的に変えることだとしました。

 ランズベルギス(Gabrielius Landsbergis)外務大臣は8月8日イギリスメディアで、アメリカのペロシ(Nancy Pelosi)下院議長による台湾訪問を中国の台湾に対する軍事演習の口実にしてはならない、台湾の自由、民主主義の主張は犠牲になってはならない、自由な世界は台湾を第二のウクライナにしてはならないと指摘しています。

 外交部は、権威主義政権が新型コロナウイルスの流行、ロシア・ウクライナ戦争、エネルギー・食糧危機を利用して、世界の民主主義、自由、法治国家を脅かしているとしました。その上でジェマイティス副大臣が代表団を率いて台湾を訪れたことは、台湾とリトアニアが民主主義の最前線における忠実なパートナーであり、相互支援と一致団結の精神を表しているとしました。

 また、台湾とリトアニアは共通の価値観に基づき、互いに尊重している自由と民主主義を堅持し、共に持続可能な「善の循環(善のサイクル、ヴァーチュアス・サイクル)」に注力し、世界の最先端産業でウィンウィンの関係を作り出すと強調しました。

(編集:風間みなみ/王淑卿)

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