「台湾歌壇」の人々が詠んだ8月15日─御霊よ永遠に安らぎたまへ

「台湾歌壇」の人々が詠んだ8月15日─御霊よ永遠に安らぎたまへ
東日本大震災が起こったとき、「台湾歌壇」(蔡焜燦代表)の人々が詠んだ短歌は日本
人の胸を打ち、勇気づけた。読売新聞や産経新聞などでも紹介され、許世楷・前台北駐日
経済文化代表処代表夫人で児童文学者の盧千恵さんも「フォルモサ便り」(5月20日付「S
ANKEI EXPRESS」)で紹介されていた。

 本誌でも4月23日発行の第1298号で「日本の復興と繁栄を祈る『台湾歌壇』の人々」と題
してご紹介したところ、大きな反響を呼んだ。

 その「台湾歌壇」の人々が8月15日を詠んでいる。自らも同人である新高百合さんがそれ
らの短歌を「御霊よ永遠に安らぎたまへ」と題し、ブログ「台湾魂と日本精神」で紹介さ
れている。

 大東亜戦争に出征する兵隊さんたちを見送る光景にはじまり、戦時中のこと、そして迎
えた8月15日のこと、敗戦後の台湾、靖國神社参拝をめぐることなど、ほぼ年代にそって紹
介し、それは107首にものぼる。李登輝元総統の靖國神社参拝を詠んだ歌もある。故人とな
った方の歌も収録されている。すべて鎮魂の歌である。

 戦時中のことなど、その場にいたはずもないにもかかわらず、あたかも絵巻のようにそ
れらの光景が浮かび上がってくるから不思議だ。さらに不思議なのは、いまや異国となっ
た台湾でこれらの歌が詠われていることだ。曰く言いがたい深い感慨に襲われた。だから
台湾は日本の友邦なのだという確信はさらに深まった。

 かなり長いが、新高百合さんのブログから転載してご紹介したい(名前などが文字化け
した場合はご容赦願います)。

 「台湾歌壇」から本会に『台湾歌壇』の第15集(呉建堂創刊第152集 2011年7月刊)が
届いています。特集は「東日本大震災に寄せて」で、これから関係各位に発送します。も
しかしたら小部数ですが、皆様にもお頒ちできるかもしれません。この第15集につきまし
ては後日、頒布できるかも含めて改めてご案内します。


御霊よ永遠に安らぎたまへ
【台湾魂と日本精神:2011年8月15日】
http://twnyamayuri.blog76.fc2.com/

陳 英侯   戦争に勝利をあげて万歳を叫ぶ日本われら皇民が
(同上)   大戦時出征兵の守り神千人針に御守り袋
(同上)   戦地行く出征兵士を見送りて駅に旗振り軍歌を唄ふ
(同上)   国の為死んで帰れと戦地行く吾子を励ます親の心は
(同上)   玉砕の覚悟を決めて突撃の進軍喇叭勇ましく聞く

林 蘇綿   「光輝ある軍旗の下で死ぬ」と言ふ師団長の言 父驚かす
(同上)   わが出征見送る母の「ばんざい」の声に思はず瞼熱くす

呉 餘錬   出征を見送る駅に旗の波泣きゐる君の顔を目に追ふ

李 聡火   送られて駅のホームに立ちし君永遠の別れがはや六十年

林 百合   終戦後異国となりしも忘れ得ぬ大和撫子と驅われし日を
(同上)   志願兵の士気を鼓舞せむとうら若き吾らに課せし篤志看護婦
(同上)   香港へ傷兵の看護に召されたる我ら日本を祖国と信じて

蔡 焜燦   三笠山朝な夕なに眺めては文武に励みし陸軍生徒
(同上)   奈良公園の鹿を脇目に演習に励みし我ら少年飛行兵

洪 坤山   零戦の鋲打つ指に日本の冬は厳しき霜焼けの腫れ
(同上)   重爆の「銀河」と夜間の戦闘機「月光」は我らの手になりしもの
(同上)   夏は蚤冬は虱に悩まされ三食続かぬ少年工は

蔡 龍鐘   グラマンの機銃掃射に逃げまどふ相模ヶ丘を今も夢みる
(同上)   息白く冷めたさ沁むる机の下にうずくまりゐて手を擦り合す
(同上)   胴体に掃射を受けし弾丸の跡愛機を撫でて我涙せり
(同上)   相模野に敵機の威嚇耐へし日も富士の雄姿は厳然として
(同上)   年ごとに栄える大和は青春の我を育てし第二の故郷

陳 皆竹   若き日の夢荒鷲に憧れて校庭ゆ見し零戦凛凛し

厳 慶烈   志願兵に体小さしと帰されて六月二十日うんざりとせり

鄭 克温   「ハヤブサ」の特攻隊見送る中学生涙で振る手の力の弱さ

黄 培根   凛として飛び立つ特攻青春を無残に捨つる首途の一杯

陳 英侯   特攻の同期の桜微笑て敵空に飛ぶ帰らぬ旅へ

林 蘇綿   「散る桜残る桜も散る桜」空の神兵我等の使命

李 聡火   陸空より攻撃を受くる敵機なれあっぱれ勇敢低空応戦

陳 英侯   空襲に燈火管制の暗闇の防空壕にて爆音聞きつ
(同上)   戦時中は山や畠の開墾に勢出しわれら学徒動員が

鄭 克温   卒業式も証書も共に無く学徒兵入隊して暫く家と便り断つ

陳 英侯   激しかり爆撃つづく空襲にわが家族らは田舎へ疎開す

頼 榕煌   戦時中食料漁りに駆け回るあの山この川母の影在り

顔 雲鴻   防空壕空襲警報爆撃機老いて忘れぬ戦時の頃を

鄭 克温   蚊の羽音と紛らふB29の夜間爆撃防空壕避難に眠れぬ日びよ

李 聡火   淒慘の五月一日我が郷は火の海と化し「B29」にくき
(同上)   一瞬に十萬の命奪ひたる「B29」の空爆残酷の至り

林 禎慧   敵機見ゆと水浸しの壕になだれおみ息を殺せし分秒長かり

蘇 楠栄   敵機去り萌え葉の風の涼しさに壕の上に結ぶ転た寝の夢

李 聡火   御真影と勅語抱き締め焼け焦げたり横山町長空爆の日に

陳 英侯   凱旋せる皇軍迎ふごとくして戦死兵の遺骨おごそかに迎ふ

蔡 龍鐘   かへらじと覚悟決めたる特攻の散りし英霊鬼神を泣かしむ
(同上)   血がにじむ赤い夕陽の海のはて返らぬ魂を呼ぶカモメ鳴く

林 禎慧   竹槍は最後の武器と師も涙、玉砕ニュースのつづく昭和二十年

呉 餘錬   広島に原爆投下の黒い雨に滲みし悲惨なる痕跡

鄭 克温   原爆の日は立哨に呆然と空見つめゐたり六十年前

頼 伯雄   堪えがたきを堪え忍ぶ玉音の聞きにくかりしが終戦と知る

温 西濱   襟正し所長室にて玉音の放送を聞きし終戦日杳し

林 蘇綿   終戦の玉音放送途切れがちラジオ囲みて跪きにけり

黄 華[シ邑] 敗戦の日竹かぶとを背に工場へ動員されし少年像顕つ

陳 英侯   敗戦の玉音を聞き諸共に涙こらへて君が代歌ひし

頼 榕煌   万世に太平の道を開かむと玉音放送にすすり泣く民

張 [王宣]爐  玉音を聞いて滂沱の涙より束の間過ぎぬ六十年を

黄 培根   終戦の玉音聞いて六十年長雨止めど空未だ晴れず

蔡 焜燦   終戦の古都の青空なつかしも闘ひなき空雲ひとつなく

黄 華[シ邑] この空よ真青に澄みて熱き日の日本負けしと伝へ聞きし日

王 仲癸   米軍に包圍されたる終戦の仲秋の月今も忘れ得ず

陳 英侯   皇国の勝利むなしく夢破れ日台の縁とほくなりけり

洪 坤山   台湾はアジアの孤児なる運命の終戦の日は忌むべき日なり

蔡 龍鐘   ひしひしと身に沁む無念敗戦の捨て児となりし台湾哀れ

蔡 紅玉   終戦の声に中国軍なだれ込む日本軍との相違に唖然
(同上)   日人の撤去の日迫り持ち物を売り居る様をおづおづ眺む

黄 教子   敗戦にやむなく日本の国籍を棄てたる日本の女性の多し
(同上)   一生に国語の変る苦しさをわれは知りたり異国に住みて

何 千珠   敗戦の辛さ人らに何時の日か言はむけど子に言ふ事もなし

荘 清冷   衝撃の敗戦を経て三年のち無性に扶桑を慕ひて泣けり

陳 皆竹   終戦の安堵と希望消え失せて瑞穂の国よ夢も懐かしい

陳 火桐   敗戦を共に担ひし台湾と日本の戦後生きて老いにき

黄 華[シ邑] 敗戦に祖国を失ひ幾十年童謡唄へば郷愁そぞろ湧く

陳 皆竹   諳じる教育勅語を畏みて歩む戦後に明治は遠く

林 蘇綿   皇軍の光輝ある軍旗燃やしたる軍人手帳ああ六十年

高 淑慎   八月は悲しき月ぞ六十年前のあの日をテレビが映す

張 静恵   默祷を捧げて広島の原爆忌八月六日のバースデー放棄す

郭 文良   戦なき原爆ドームに解説の英語北京語の聞こゆる真夏

呉 順江   原爆の被災を悼む鐘の音にじんと伝はる平和の願ひ

黄 華[シ邑] この日まで日本人たりし我なれば君が代唄ふ戦没者追悼式
(同上)   敗戦忌そぞろ近づきシナ人にされし無念の又も疼き来る

頼 榕煌   終戦後日本の土地を踏みしとき何故か込み上げし千感万情
(同上)   終戦に二つの国に分るるも心は一つ八洲の内に

温 西濱   指宿の元特攻基地に数かずの若鷲の遺品わが胸を打つ
(同上)   純真に無敵皇軍の勝利をば信じて投じし青春悔いなし

游 細幼   青春を戦争に託せし若鷲の挽歌とも唄ふ予科練の歌

張 國裕   若鷲の夢醒めて世は花時の微風も匂ふ奈良の駅前

鄭 埌耀  大空に散華せざれば世に数多盡せしならむ特攻千余

陳 英侯   大君に命ささげて靖国に神と祀らる戦士の御霊

洪 坤山   靖国に神と祀られし英魂よ日台共に同期の桜

蔡 龍鐘   神降る如さくら舞ふ九段坂護国のみ霊に雅楽響ける

王 進益   李登輝の靖国参拝に山桜津々浦々に映えわたりけり

前田富子   英霊を弔ふ吾はこの日ごろ鋭気つたひき作歌に燃ゆる
(同上)   征きし人残せし遺書を朝夕に読みて経上げ涙あふるる

李 錦上   思ひ出は涙さしぐむいとし兄南方派遣征きて帰らず
(同上)   征きしまま還らぬ兄も傘寿なり喜寿祝ふ吾の悲しき追憶

荘 月娥   戦に逝きし弟に遺骨なくマニラの土を夫が携ふ

温 西濱   九段坂空征きし兄偲びつつ合はす双手に桜花散る
(同上)   靖国に参る参るな争論に盂蘭盆の月に戦士の友偲ぶ

蔡 西川   靖国に詣でて亡兄の面影顕ちしとおおと泣く友見るに忍びず
(同上)   靖国の遊就館に展示せるゼロ戦機勇士の功を偲ぶ

黄 教子   若き日に命傾けし国なりと元日本兵の鄭春河さん
(同上)   靖国の英霊夢に現れて思ひを託すと鄭さんの言ふ

李 聡火   戦歿の同窓あれこれ夢に顕つ靖国参詣反対嘆きて

鄭 埌耀  軍国に些かゆかりありし我今靖国に拍手を打つ
(同上)   靖国の英霊詣でと外交とを天秤にかける日本人哀し

呉 順江   靖国に参拝をせし硬骨の石原知事に喝采送る

河盛尚哉   靖国の参道を行く若者の顔見つつ希望を覚ゆ

顔 雲鴻   靖国に雁鳴きわたる月の空国護る英霊の静まりてあれ

蔡 焜燦   靖国に昇殿参拝叶ひたる御霊よ永遠に安らぎたまへ

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