「中国」vs「日米台」の激動の時代到来へ  門田 隆将(ノンフィクション作家)

「中国」vs「日米台」の激動の時代到来へ  門田 隆将(ノンフィクション作家)
【門田隆将ブログ「夏炉冬扇の記」:2015年10月11日】
http://www.kadotaryusho.com/blog/2015/10/post_792.html

 10月6日に訪日して注目を浴びた台湾の最大野党「民進党」の総統候補、蔡英文主席(59)が台
湾に帰国後も、話題をまいている。

 昨日「10月10日」は、辛亥革命を祝う「双十節」だった。孫文による辛亥革命勃発の記念日であ
る。中国・台湾双方が“建国の父”と慕う孫文を偲び、両方で大々的な祝賀がおこなわれてきた。

 今年の記念行事で最大の話題は、なんといっても台湾の式典だっただろう。中国の“力による現
状変更”が活発化する激動の東アジア情勢――その中で、極めて重要な意味を持つ台湾総統選を
「3か月後」に控え、鍵を握る人物が勢ぞろいしたからだ。

 蔡英文女史が、民進党が野党に転落した2008年以来、初めて民進党主席として式典に出席した。
ほかにも、総統選の国民党候補・洪秀柱(67)=立法院副院長=、新北市市長も務める国民党主席
の朱立倫(54)、あるいは、親民党主席の宋楚瑜(73)、そして立法院院長の王金平(74)が一堂
に会したのである。

 支持率40%以上をつづけ、独走している蔡英文女史に対して、「このままでは蔡英文に勝てな
い」という危機感を強める与党国民党は、ついに蔡英文が訪日中の10月7日、中央常務委員会を開
催し、国民党の次期総統候補として洪秀柱を立てることを「取りやめる」ことを打ち出した。

 混乱状態に突入した与党国民党だが、候補の本命は、なんといっても国民党主席の朱立倫であ
る。これまで立候補を頑なに固辞してきたが、いよいよ決断の「時」が来たようだ。2010年11月の
新北市長選で、当の蔡英文女史を破った人物だけに、その決断は大きな波紋を呼ぶだろう。

 5年前の新北市長選の再現となる「朱立倫vs蔡英文」になれば、国民党は豊富な資金力を誇るだ
けに、どんな一発逆転策をはかるか、まだ予断を許さない。テレビCMを使った巧みなネガティ
ブ・キャンペーン等々、国民党の大反撃が予想される。

 そこで、意味を持ってくるのが、蔡英文女史の今年5月の「訪米」であり、今回の「訪日」であ
る。

 前回の総統選(2012年)で馬英九に完敗した蔡英文陣営は、その原因を徹底分析した。それは、
2つの「原因」に集約された。ひとつは、民進党の陳水扁・前総統による不正蓄財の後遺症であ
り、もうひとつは、多くの国民が抱いていた民進党に対する「不安感」である。

 台湾人のアイデンティティに重きを置き、独立志向の強い民進党に「中国がどう出るか」という
不安感が広がり、国民党の馬英九が支持を集めたのである。

 しかし、前回総統選以後、蔡英文陣営は「現状維持」政策を前面に押し立て、「台湾独立」を含
む一切の懸念を払拭し、台湾人の安心感を勝ち取ろうとした。「現状維持」とは、言葉通り、中国
との関係で「現状を維持する」ということだ。

 そして、さらに台湾人の安心感を勝ち取るために選んだ作戦が、今年5月の「訪米」であり、今
月6日からの「訪日」だったのである。

 野党・民進党の候補者であるにもかかわらず、蔡英文に対するアメリカの待遇は、驚くべきもの
だった。マケイン上院軍事委員会委員長をはじめ、メディロス国家安全保障会議アジア上級部長、
ブリンケン国務省副長官ら、錚々たるメンバーと会見し、多国間軍事演習への台湾の参加を促す意
向まで示された。蔡英文女史の顔が米『タイム』誌の表紙を飾るほどの反響を呼んだことは記憶に
新しい。

 そして、日本でも、安倍首相の実弟・岸信夫衆院議員の案内で、地元・山口を訪問し、帰京後、
自民党幹部と会談し、さらに安倍首相本人とも「密会」するなど、日本からも破格の厚遇を受け
た。

 蔡英文女史は、アメリカと日本のお墨付きをもらうことに成功したと言えるだろう。これは、李
登輝・元総統と、許世楷・元駐日代表という二人の大物の戦略が大いに関係している。「民進党へ
の“不安感”さえ減らせば、勝利は疑いない」という確固たる戦略によるものである。そして、そ
れは見事に成功した。

 中国の強引な“力による現状変更”に対抗するには、アメリカ、日本、台湾が力を合わせるしか
ない。言いかえれば、東アジアの安定のためには、「アメリカ―日本―台湾」の強固な結びつきが
必須なのだ。

 しかし、中国も手を拱(こまね)いているわけではない。逆に、中国は今、沖縄へのアプローチ
を盛んにおこなっている。前回のブログでも指摘したように、沖縄にある米軍基地をグアムま
で“後退”させることができれば、東シナ海、南シナ海での中国の軍事的優位が圧倒的なものにな
るからだ。

 沖縄県の翁長雄志知事が先月、スイス・ジュネーブでの国連人権理事会と並行して行われたNG
O主催のシンポジウムで講演し、普天間基地の辺野古移設に対して、「沖縄県民の人権、民主主義
が無視されている」と世界にアピールしたことを、どう捉え、どう分析すればいいだろうか。

 翁長知事は、講演で、沖縄が独自の言語、文化を持つ「独立国だった」という歴史も訴えてい
る。独立志向の沖縄から米軍基地がなくなれば、中国がどう出るかは、想像に難くない。まさに、
それは中国の“意向”通りの内容だったと言える。

 中国による南沙諸島(スプラトリー諸島)への進出も、実は、1992年に米軍がフィリピンからグ
アムに撤退した直後に起こったことを忘れてはならない。そのことを考えれば、一方の翁長知事が
今年4月、訪中した際、李克強首相が会うという“破格の厚遇”を与えたことが何を意味するか
は、自明だろう。

 誰に、どんな厚遇を与えるか。それが、いかに大きな意味を持っているかを考えると、実に興味
深い。沖縄に手をぐっと突っ込んできた中国と、一方、台湾の最大野党・民進党の蔡英文女史
に“お墨付き”を与えたアメリカと日本――。

 最後にこの“お墨付き”が台湾総統選にどんな影響を与えるか。「中国」vs「日米台」の激動の
時代到来へ、東アジアの今後の動向に決定的な意味を持つ選挙だけに、目が離せない。

[RelationPost]

【日本李登輝友の会:取扱い本・DVDなど】 内容紹介 ⇒ http://www.ritouki.jp/

*ご案内の詳細は本会ホームページをご覧ください。

*本会取扱いの書籍やDVDはお届けまでに1週間ほどかかります。また、4月1日から送料が変わ
 りました。お急ぎの場合はお申し込みの際にその旨をお書き添え下さい。その場合、送料が変わ
 ることもあることをご承知おき願います。

● 台湾フルーツビール・台湾ビールお申し込みフォーム
https://mailform.mface.jp/frms/ritoukijapan/rfdavoadkuze

* 現在、台湾ビール(缶)の在庫が切れています。【2015年7月28日】

 輸入元の総代理店からの連絡により、現在、台湾ビールの缶の在庫切れが判明しました。入荷は
 未定だそうでご迷惑をお掛けします。台湾ビール(缶)の入荷が分かり次第、本誌でお伝えしま
 す。ただし、台湾ビール(瓶)と台湾フルーツビールの在庫は大丈夫です。

●美味しい台湾産食品お申し込みフォーム【随時受付】
https://mailform.mface.jp/frms/ritoukijapan/nbd1foecagex

*沖縄県や伊豆諸島を含む一部離島への送料は、1件につき1,000円(税込)を別途ご負担いただ
 きます。【2014年11月14日】

・奇美食品の「パイナップルケーキ(鳳梨酥)」 2,910円+送料600円(共に税込、常温便)
 *同一先へお届けの場合、10箱まで600円

・最高級珍味「台湾産天然カラスミ」 4,160円+送料700円(共に税込、冷蔵便)
 *同一先へお届けの場合、10枚まで700円

●書籍お申し込みフォーム
https://mailform.mface.jp/frms/ritoukijapan/uzypfmwvv2px

・片倉佳史著『古写真が語る 台湾 日本統治時代の50年
・王明理著『詩集・故郷のひまわり』
・手島仁著『手島仁の「群馬学」講座』
・李登輝著『新・台湾の主張
・漫画版『 KANO 1931海の向こうの甲子園
・李登輝元総統特別寄稿掲載の別冊「正論」22号「大解剖『靖國神社』」
・李登輝著『李登輝より日本へ 贈る言葉
・江畑哲男・台湾川柳会編『近くて近い台湾と日本─日台交流川柳句集
・宗像隆幸・趙天徳編訳『台湾独立建国運動の指導者 黄昭堂
・小林正成著『台湾よ、ありがとう(多謝!台湾)
・喜早天海編著『日台の架け橋
・荘進源著『台湾の環境行政を切り開いた元日本人
・石川公弘著『二つの祖国を生きた台湾少年工
・林建良著『中国ガン─台湾人医師の処方箋』
・盧千恵著『フォルモサ便り』(日文・漢文併載)
・廖継思著『いつも一年生』
・黄文雄著『哲人政治家 李登輝の原点
・井尻秀憲著『李登輝の実践哲学−50時間の対話
・李筱峰著・蕭錦文訳『二二八事件の真相』

●台湾・友愛グループ『友愛』お申し込みフォーム *第14号が入荷!
https://mailform.mface.jp/frms/ritoukijapan/hevw09gfk1vr

●映画DVDお申し込みフォーム
https://mailform.mface.jp/frms/ritoukijapan/0uhrwefal5za

・『KANO 1931海の向こうの甲子園』 *new
・『台湾アイデンティティー
・『台湾アイデンティティー』+『台湾人生』ツインパック
・『セデック・バレ』(豪華版)
・『セデック・バレ』(通常版)
・『海角七号 君想う、国境の南
・『台湾人生
・『跳舞時代』
・『父の初七日』

●講演会DVDお申し込みフォーム
https://mailform.mface.jp/frms/ritoukijapan/fmj997u85wa3

・片倉佳史先生講演録「今こそ考えたい、日本と台湾の絆」(2013年12月23日)
・渡部昇一先生講演録「集団的自衛権の確立と台湾」(2013年3月24日)
・野口健先生講演録「台湾からの再出発」(2010年12月23日)
・許世楷駐日代表ご夫妻送別会(2008年6月1日)
・2007年 李登輝前総統来日特集「奥の細道」探訪の旅(2007年5月30日〜6月10日)
・2004年 李登輝前総統来日特集(2004年12月27日〜2005年1月2日)
・許世楷先生講演録「台湾の現状と日台関係の展望」(2005年4月3日)
・盧千恵先生講演録「私と世界人権宣言─深い日本との関わり」(2004年12月23日)
・許世楷新駐日代表歓迎会(2004年7月18日)
・平成15年 日台共栄の夕べ(2003年11月30日)
・中嶋嶺雄先生講演録「台湾の将来と日本」(2003年6月1日)
・日本李登輝友の会設立総会(2002年12月15日)


◆日本李登輝友の会「入会のご案内」

・入会案内:http://www.ritouki.jp/index.php/guidance/
・入会申し込みフォーム:https://mailform.mface.jp/frms/ritoukijapan/4pew5sg3br46


◆メールマガジン日台共栄

日本の「生命線」台湾との交流活動や他では知りえない台湾情報を、日本李登輝友の会の活動情報
とともに配信する、日本李登輝友の会の公式メルマガ。

●発 行:
日本李登輝友の会(小田村四郎会長)
〒113-0033 東京都文京区本郷2-36-9 西ビル2A
TEL:03-3868-2111 FAX:03-3868-2101
E-mail:info@ritouki.jp
ホームページ:http://www.ritouki.jp/
Facebook:http://goo.gl/qQUX1

●事務局:
午前10時〜午後6時(土・日・祝日は休み)

●振込先:

銀行口座
みずほ銀行 本郷支店 普通 2750564
日本李登輝友の会 事務局長 柚原正敬
(ニホンリトウキトモノカイ ジムキョクチョウ ユハラマサタカ)

郵便振替口座
加入者名:日本李登輝友の会(ニホンリトウキトモノカイ)
口座番号:0110−4−609117

郵便貯金口座
記号−番号:10180−95214171
加入者名:日本李登輝友の会(ニホンリトウキトモノカイ)

ゆうちょ銀行
加入者名:日本李登輝友の会 (ニホンリトウキトモノカイ)
店名:〇一八 店番:018 普通預金:9521417
*他の銀行やインターネットからのお振り込みもできます。


タグ: , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , ,