台湾を中国領としたABC朝日放送が本会などの訂正要望に応諾

平成22年(2010年)4月25日

台湾を中国領としたABC朝日放送が本会などの訂正要望に応諾

日本李登輝友の会 事務局長 柚原正敬

ABC朝日放送は毎週土曜日の朝8時から「旅サラダ」という番組を放映している(東京はテレビ朝日で放映)。俳優の神田正輝氏などが進行役をつとめている生放送の旅番組だ。この中に「海外マンスリー」というコーナーがあり、毎回、ゲストが各国へ行って、その国の美味しい店などの紹介をしている。

 4月17日は「中国編」の3回目、海南島だった。翌18日、これを見ていた和歌山県在住の本会会員の方から「中国の地図を明滅させて表示していたのですが、あろうことか台湾まで明滅していました。実は先週も同じレポーターが出演して中国を紹介する際にも同じ地図が使われていましたので、番組宛にメールで抗議したのですが、訂正されずに再度放送されたため、朝日放送の確信犯的対応に憤っている次第です」という投書をいただいた。この方からは該当部分の映像も送っていただいた。

 映像を確認すると、時間はちょうど8時15分くらいで、アナウンサーが「中国です。首都は北京」と説明しながら、他国と区別するために赤い色で塗られた中国の地図が明滅しながら映し出され、だんだん拡大されると、何と台湾まで同じ赤い色で塗られていた。 つまり、台湾は中国、すなわち中華人民共和国の領土という表記だ。これは問題だ。
この「旅サラダ」では「中国編」は4月3日と10日にも放送していたので、恐らく同じように説明して、そのときも台湾を同じ赤色で塗った中国地図を紹介したようだ。テレビの影響は大きい。これは一刻も早く訂正させなければと、早速、19日に行動に移した。
まずテレビ朝日の番組ホームページの「ご意見・ご感想」のフォームから本会の住所や電話番号を記した訂正要望を送り、あまり間を置かずにテレビ朝日の「視聴者窓口」に電話を入れた。訂正要望をその理由とともに伝え、返答は文書でお願いしたいと伝えると、制作はABC朝日放送なのでそちらに連絡して欲しいとの返答。

そこで今度はABC朝日放送の「視聴者センター」に連絡を入れ、同様に説明すると、それなら訂正要望書を広報部に郵送してもらいたいとの返答だった。メールで送っているのにと思いつつも、要求に従ってその日のうちに速達で投函した。
しかし、一向に連絡はない。次の放送でも中国編(上海)を行うというので、放送前日の23日(金)、ABC朝日放送の広報部に連絡。すると「手紙は届いています。番組担当者にはすでに伝えていますが、明日の放送では誤解のないようにします。ご心配いただかなくても大丈夫です」との返答。ただ、確認してもどういう地図にしたのかまでは教えてもらえず、書面で返答するとのこと。決して悪い返答ではなかったが、果たして台湾が中国の一部と受け取られないようになっているのかどうかまでは確認できなかった。

ところが、私が出かけている間に、今度はテレビ朝日から事務局に連絡があり、「明日の放送で出す地図は、全ての国をクリーム色にした地図」と、内容を伝えてきたのだった。
果たして24日、放送された「旅サラダ」を確認すると、伝えてきたように、中国は他の国と区別されずに同じ色で、もちろん台湾を中国領としていなかった。
まだABC朝日放送から文書での返答は届いておらず、番組内で訂正の旨やお詫びの放送はなかったものの、こちらからの訂正要望を全面的に受け入れて訂正した。
これは恐らく、投書をいただいた和歌山県の会員の方をはじめいろいろな方が訂正要求をした結果かと思われる。ともかく、ABC朝日放送は訂正要望を全面的に受け入れて訂
正するという結果に結びついたことを素直に喜びたい。教えていただいた和歌山の会員の方には改めて御礼を申し上げたい。

日本李登輝友の会は今年、台湾正名運動の継続発展の活動として、台湾を中国領土とする表記や、日本が中国に台湾を返還したとするあらゆる表記を「もぐら叩き」のごとく訂正する活動を展開してゆくことを、3月の総会で可決している。
すでに今年に入って、台湾を中国領と表記していたカシオ電子辞書問題では提供元の日立システムアンドサービスが訂正を約束(2月9日)、やはり同様の表記をしていた『世界大百科事典』を発行する平凡社も次の増刷で訂正すると約束した(2月17日)。また、毎日新聞も「日中共同声明」について「台湾は中国領土の一部とする72年の」とした記事を訂正している(3月19日)。

このように、この問題では訂正を要求すれば、先方がよほどへそ曲がりでない限り、新聞でもテレビでも訂正に応ずることが証明されている。
今後、皆様にご協力いただきながらこのような誤記を一掃すべく、誤記例をご存じの方は日本李登輝友の会事務局までご連絡をお願いします。

■日本李登輝友の会
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