【読者の声】中国が如何にガン細胞たりうるかを平和的且つ医学的に言語化していく

【読者の声】中国が如何にガン細胞たりうるかを平和的且つ医学的に言語化していく

(転送転載自由)
                   野村 Y

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中国ガン − 台湾人医師の処方箋 著者:林 建良(りん・けんりょう)
発行:並木書房 2012年12月25日発行 定価:1500円+税

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 中国を観察することなく日常を過ごしている人間からすれば、「中国ガン」と言うタイトルは一見すると、攻撃的で過激そうで危険が含まれているような刺激を受け、避けなければならないような気がする。

 しかし、中国ガンと聞いて日本脳炎と言うような病気を連想出来ないのは、心内で既に中国をガンだと思い始めていて、自分自身の平和主義や暴力否定論者でなければならないと言う固定観念を破り始めている証拠にも思える。

 つまり中国ガンとは、その名を知っていれば良くも悪くも反応を示さずにはいられない踏み絵のような言葉なのだった。

 実際のところ、中国をガンになぞらえる人は多かろうと思う。皆なにかと中国に対して不満があり、文句があるのだ。ただそのぼんやりとして具体性に欠ける「中国と言う国は何だか分からないが、余計な事ばかりして害悪なのではないか」と言う思いを総合して「中国はガンなのではないか」と言う思考に対し、この本は中国が如何にガン細胞たりうるかを淡々と平和的且つ医学的、そして非暴力に言語化していく。

それはまさに、ミステリーの謎解きのようなものだった。

 何故、中国はガンなのか。どこまで転移しているのか。中国国内でどのような事象が起きているのか。それらの謎に、医師である著者が一刀両断に診断を下し、明確な治療法を提示している。

 読者である我々は、自分たちが如何に情報に触れておらず、何も知らないかを認識するだろう。今時、テレビや新聞だけで情報を得られたと思うのは気楽すぎるとも言える。そこから冷静に熟考出来るか出来ないかは、本作でキーワードにもなっているブラック・ジャックになれるかどうかにかかってくるのではないだろうか。

 日頃、聞きたくなくても聞こえてくる中国関連のニュースから興味を持ち始め、中国の姿勢に疑問を持ち始めた人には特にタイムリーだ。勿論、とっくに中国三千年か四千年か六千年かの歴史の呪縛から解放されている人も、改めて読むべき中国手引書だと言える。

 そして正しく疑問を持ち、自分の頭で考える事を願う著者のメッセージを受け取らなければならない。

 真実から目を背け、鏡に映る己の姿を見る事なく、自ら喜んで騙され、長いものに巻かれる事を日本人自身が選んでいるのを、著者である台湾人医師はとっくに見抜いているのだ。


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