【産経記事】尖閣問題で日米連携、米政府が台湾に自制要求

【産経記事】尖閣問題で日米連携、米政府が台湾に自制要求

2013.3.3 産経新聞

 中国と台湾が領有権を主張する沖縄県・尖閣諸島をめぐる日本政府の働きかけの結果、米政府が台湾側に尖閣諸島周辺海域の公船航行について自制を求めていたことが2日、分かった。台湾公船は1月27日以降、尖閣周辺の日本の領海の外側にある接続水域を航行しておらず、馬英九総統が尖閣をめぐり中国と共闘しない方針も表明した。日米の連携で中台の共闘を阻止した形だ。複数の政府関係者が明らかにした。

 台湾公船が1月24日、26日に相次ぎ尖閣周辺の接続水域を航行したのを受け、日本政府は対台湾窓口機関・交流協会を通じて台湾側に抗議するとともに、米政府に対して台湾側に自制を求めるよう働きかけた。米政府は「台湾の戦略的利益を考えるべきだ」として、台湾に尖閣周辺海域での行動自粛を求めたという。

 1月24日に台湾の海岸巡防署(海上保安庁)の巡視船4隻と台湾の活動家を乗せた遊漁船1隻が尖閣周辺の接続水域に入った際には、台湾側が日米両政府に対し「抗議船の出航は合法的で阻む理由がない。接続水域に入る前に折り返すよう誘導する」と事前通告していた。しかし台湾船は接続水域を航行。中国公船が接続水域内で台湾船に近づき、尖閣をめぐる中台の共闘を印象付けた。米政府はこの経緯を問題視し、台湾側に自制を求めたという。

 台湾側は1月27日以降、尖閣周辺海域での公船航行を自粛し、同月24日に接続水域に入った抗議船に3カ月の出港停止処分を下した。2月8日には台湾外交部(外務省)がホームページ上で尖閣について「中国大陸と合作(連携)しない立場」と題する声明を発表した。馬総統も同月18日の会合で中国との連携を拒否する理由を説明した。

 日本政府は台湾側の動きについて「馬氏の発言や外交部の声明は積極的に評価できる」(外務省幹部)と歓迎。台湾が求める尖閣周辺海域での日台漁業協定について、安倍晋三首相は関係省庁に早期合意を目指すよう指示した。日台双方は週明けにも漁業協議再開に向けた予備協議を行う方向で調整している。

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編集長の一言

漁業権交渉を妨害しているのは馬英九と対日政策責任者である楊永明国家安全会議副秘書長である。

彼らは中国人体質であり、台湾人の利益よりは自分の利益のみを考えている人種である。

以下の文を参考してください。

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【漁業権交渉を妨害する元凶】馬英九による日台分断外交      

時局コメンタリー〈1413号〉 より転載

              

       「台湾の声」編集長 林 建良(りん・けんりょう)

 ●日本を侮蔑したがる深刻な「反日病」

 青年期に形成された人格や好き嫌いはその人の一生を影響し、その人
の思想の中核になることが多い。馬英九も例外ではなく、彼の中に深く根
付いた反日意識も青年期に固まった好悪の一つであろう。中国人の親を
持つ馬英九に台湾人としての意識は皆無だが、中国人意識だけは人一
倍強い。彼の日本に向ける目線も中国人そのものである。因みに、彼の
父親である馬鶴凌は「抗日青年軍」に参加するほど筋金入りの反日運動
家であった。

 総統になる前までの馬英九は、自分の反日姿勢を隠すどころか台北市
長の在任中にはそれを大いにアピールしていた。台湾は確かに親日国家
ではある。だが、馬英九と同じような中国出身者の多い台北市は、「中国
城」と言われるほど中国色に深く染まっている都市である。馬英九は自分
の反日姿勢を売り物にして台北市長選挙の票集めにしたわけだ。

 彼が台北市長の一期目の2002年1月、台北で買春した日本人観光客
を逮捕し、パスポートに「淫虫」の判を押してやると脅して物議をかもした。
台湾では政令指定都市の首長は警察の指揮権を持っているが、よほど
の事でなければ行使することはまずない。この逮捕が馬英九の指揮の
下で事前に計画された狙い撃ちであることを台湾のマスコミが暴露して
いる。買春事件で警察指揮権を使ってまで露骨に日本人を嫌がらせす
るのは、この反日姿勢が台北市では票につながるからなのだ。

 総統就任後の馬英九は自分を「友日派」と主張し始めたのだが、日本
を侮蔑したがる「反日病」はまったく治っていない。一つの例は駐日代表
の人事である。馬政権の一期目の駐日代表馮寄台氏は小・中学の時に
外交官の父親と5年間日本で過ごしたことがあったが、日本関連の仕事
経験がなく、人脈もまったくなかった。この人事はあからさまな日本軽視
の人事であったが、2011年に発生した東日本大震災の際に台湾人が
日本に示した友情でその溝を埋めることができた。

 日本を侮蔑して中国の歓心を買おうとする馬英九の企みは見事に打ち
破られたが、彼は懲りずに馮代表以上の「日本音痴」を二期目の駐日代
表に任命したのである。

 ●日台漁業権交渉を妨害する元凶

 2012年に着任した駐日代表沈斯淳氏は外交官としてのキャリアは長い
が、今までに日本との関わりはなく日本語もまったく喋れない。日本に疎い
沈氏が当然日本人脈を持つはずもなく、それ以上に彼は一般的な台湾人
よりも日本社会に無知だった。2013年1月14日付けの自由時報の記事
によると、彼は代表処の幹部たちに向かって「台日関係が良好なのは、
200億円(東日本大震災に対する台湾からの義捐金)のお蔭だ」と訓令し
ているそうだ。一体どのような意図でこの非常識の訓令をしたのであろうか。
外交業務を行わなくていいとでも言いたいのか、この一例から見ても中国
人化教育にどっぷり浸かっていた沈氏は、日本に対する目線は馬英九と
まったく同じである。

 沈氏の外交官らしからぬ行動は「200億円発言」にとどまらない。
彼は日本側との会合などにおいて必ず遅刻することも報道されている。
実はこれも中国式外交で相手を焦らす常套手段の一つである。自分は
上位だと相手を見下ろす場合には中国人はわざと遅刻するのだ。沈代
表はこの中国人的思想が馬英九に気に入られて駐日代表に抜擢された
のかもしれない。

 沈氏が駐日代表に着任するまで、彼は北米関係の仕事が中心であった。
そのせいか、沈氏は政治家たちとの会合でも夫人同伴で出席している。
日本語を知らない沈氏に通訳同伴は仕方がないが、夫人同伴とのスタイ
ルは日本の政治家たちに欧米の教養を教えてやろうという意気込みなの
だろうか。

 このような駐日代表だから当然日台間の懸案も打開できるはずがない。
代表処全体も士気が非常に低落しており、外交を行なうのではなく台湾か
らの高官の送迎や買い物のお供だけが業務になり、旅行社と成り下がって
いる。この有様は日本を侮蔑しようという馬英九の反日心理から出た結果
ではなかろうか。

 馬英九によって日台両国の国民が翻弄されている最たる例は、尖閣海域
の漁業権交渉問題であろう。2012年春以来の尖閣騒動の尖兵は馬英九
だと言っても良い。まず2012年8月15日の香港人運動家の尖閣上陸騒ぎ
を始め、2012年9月25日の台湾漁船大群の領海侵犯、漁業交渉をしてい
る最中の2013年1月24日の中華保釣協会メンバーの領海侵犯など事件
の後ろにいるのは常に馬英九であった。

 懸案になっていた日台間漁業権交渉は尖閣諸島に巡る情勢の変化によ
ってようやく双方に歩み寄りの姿勢を見せたが、馬英九は尖閣諸島を中華
民国の主権である前提で交渉しろと外交官に指示している。内部情報によ
ると馬英九は、尖閣諸島は係争地である一文を入れるようにと日本側に難
題を突き付けている。これでは漁業権の交渉など到底できるはずがない。
ここでも分るように、馬英九は最初から台湾国民の利益など考えてはいな
いのだ。中国一辺倒の馬英九こそが日台間の最大の障害物である。


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