【映画】「サヨンの鐘」

【映画】「サヨンの鐘」

            李登輝学校日本校友会 事務局 片木裕一

現在東京国立近代美術館フィルムセンターにて、「生誕110周年 映画監督 清水宏」
が開催されています。開催期間は6月5日から8月7日までの約2ヶ月、41本が上映
されますが、この中に、「サヨンの鐘」があります。

この映画は、1943年に上映された、主役のサヨンを李香蘭が演じる国策映画です。
皇民化運動の宣伝媒体である、ロケ地が霧社で登場人物の構成に不自然さがある、
などいろいろ意見のあるところと思いますが、一見の価値はあると思います。
本映画の上映は・・・

【日 時】 7月19日(金)、午後3時から

【会 場】 東京国立近代美術館フィルムセンター

〒104-0031 東京都中央区京橋 3-7-6 TEL03-5777-8600(ハローダイヤル)
HP : http://www.momat.go.jp/FC/fc.htm
東京メトロ銀座線京橋駅1番出口徒歩1分、有楽町線銀座一丁目駅7番出口徒歩5分
都営地下鉄浅草線宝町駅A4出口徒歩1分、JR東京駅八重洲南口より徒歩10分

【料 金】 一般500円、高校・大学・シニア300円、小中学生100円(学生・シニアは要証明書)

【注 意】 発券・開場は上映30分前から、定員310人(満席なり次第、入場打ち切り)

参考:「サヨンの物語」について

この物語は、昭和13年の台湾での実話がベースです。

宜蘭県南澳の山中のタイヤル族の村に勤務していた田北巡査のもとに出征の命令が届き、
下山することになりましたが、田北巡査は日ごろから村人に慕われていたので、村の若い男女が荷物運びを手伝いました。あいにくその日は暴風雨で、村から麓まで行く途中の南澳渓は濁流と化していました。そこに、一行の一人、17歳のサヨンが丸木橋から足を滑らせ転落、この濁流に飲み込まれ、帰らぬ人となりました。

この悲劇は間もなく台湾総督・長谷川清大将の知るところとなり、出征する恩師を見送るために少女が命を犠牲にしたということで、愛国美談として顕彰されました。そして、サヨンの遺族には長谷川総督より「記念の鐘」が贈られ「愛国乙女サヨン遭難碑」も遭難場所付近に建てられました。

終戦後、台湾を占領した国民党は、サヨンの碑の碑銘を削り、川岸に打ち捨てましたが、これを地元民が引き上げて、現在は南澳南渓の近くに建てられています。
さらに断崖の臨海道路、「蘇花公路」に面した武塔村サービスエリアには、神社の鳥居を模したモニュメントと鐘(長谷川総督より贈られた「記念の鐘」ではない)が吊るされたサヨン記念公園が作られています。