【報道】蔡英文:黄昭堂は一貫してブレなかった

「台湾の声」【報道】蔡英文:黄昭堂は一貫してブレなかった

蔡英文:黄昭堂氏は政党の難しさを理解していた

〔ネット新聞『新頭殻(Newtalk)』林朝億記者=台北〕

民進党の蔡英文主席〔*〕が本(2月26)日、故人である台独
聯盟・黄昭堂氏の新書発表会に出席し、「黄主席が生涯をかけて
実現したかったことが何か、私たちはみんなよくわかっているが、
黄主席は政党が現実にある程度の妥協しなければならないこと
を理解していて、私には厳しい要求を課さなかった」。「黄主席の
励ましの下で、また黄主席が私のために準備してくれた道を、引
き続き守って、台湾の主権のため、また台湾の未来のために、
努力を続けたい」と語った。

昨年11月17日、台独聯盟の黄昭堂主席は、手術後の回復中に、
心臓動脈の解離で逝去した。呉三連台湾史料基金会および台
独聯盟は、黄氏の口述回想録と同志による追悼文集を、本日、
『建国舵手黄昭堂〔建国の舵取り黄昭堂〕』および『黄昭堂追思
文集』新書発表会において、合同で発表した。

蔡英文氏の談話では、黄氏が生涯をかけて求めた「台湾独立」
という文言は口にしなかったが、蔡英文氏は、黄氏がなくなった
日に会いに行った。「黄主席が生涯をかけて実現しようとしたこ
とは、私たちはよくわかっている」。「ずっとブレない人は誰かと
いえば、それは黄昭堂氏である」と語った。

黄昭堂氏は選挙運動中に逝去し、告別集会の当日も、総統候
補者のテレビ討論があって参加できなかったという蔡氏は、「今
日はお別れ会ではないけれど、私にとってはお別れ会です」とし
た。黄氏が亡くなった日、黄氏の遺骸の頬に触れたところ、亡く
なったばかりで、まだ温もりがあったという。蔡氏は遺骸に向かっ
て、「黄昭堂先生、いま選挙です。私たちはいま、まだたくさんの
ことを一緒にしなければなりません。早く起きてください」と声をか
けたという。

蔡英文氏によれば、黄昭堂氏は彼女に期待し、励ましてくれた。
黄氏は、政党の目標が現実を前にして一定の妥協が必要なこと
を理解していた。民進党が実現することを期待していたが、政党
の困難も知っていた。また後輩をよく引き立て、蔡氏に会うとき
はいつでも、励まし、厳しく要求を課すことはなく、民進党主席で
あった蔡氏は、励まされ、守ってもらったと感じたという。

また蔡氏は、黄氏とのエピソードを紹介した。あるとき黄昭堂氏か
ら話があるということで、予定を入れたが、忙しくて忘れてしまい、
秘書からの電話で気付いて、急いで会いに行った。黄氏はすでに
30分あまり待たされたにもかかわらず、怒りもせず、用件を伝え
た後で、一緒にステーキを食べに行った。

黄氏はステーキがとても好きで、蔡氏はそれが黄氏の身体に障
らないか心配だった。食べ終わってから、蔡氏は黄氏の自宅まで
送った。「女性に家まで送られて嬉しかったのではないかしら」と
いう蔡氏。

黄昭堂氏の口述回想録は、1991年までしか記録されていない。
台湾へ戻ってからの部分については、取材が間に合わなかった。
呉三連台湾史料基金会の呉樹民・副理事長は、最近、辜寛敏の
回想録も出版されるけれども、あなたたちの史料も出来るだけ残
してほしい。まずは最初の原稿だけでもいい。そうしないと歴史に
空白を残してしまう、と、出席した独立派の長老たちに呼びかけた。

呉氏は、父親の呉三連の口述記録を手伝った経験を例に挙げた。
呉三連は台北市長に就任したあとのことは、ほとんど口にしなかっ
た。あるときアメリカにいた二番目の兄が、呉三連を招いて、口述
を記録しかけたが、蒋経国から人伝てに連絡があり、呉三連が国
策顧問に就任することになって、早めに帰国したために、記録が完
成せず、歴史の空白になってしまったという。

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黄昭堂を偲ぶ 蔡英文:黄主席は一貫していた

〔中央通訊社 葉素萍=台北〔2月〕26日〕

民主進歩党主席*・蔡英文氏は今(2月26)日、故・黄昭堂・台独
聯盟主席の追思文集新書発表会に出席し、声を詰まらせて、黄
主席との最後の場面を振り返った。まだ温もりが残る黄主席の頬
に触れ、起き上がって、一緒に進みましょう、と声をかけたという。

黄昭堂氏は11月17日に大動脈解離で逝去した。蔡英文、台湾団
結聯盟主席・黄昆輝、および元総統府上級顧問・辜寛敏の三氏が
今日、『黄昭堂追思文集 』および『建国舵手黄昭堂』合同新書発
表会に出席した。元総統・李登輝、高雄市長・陳菊は出席はしな
かったが、会場に花かごを送った。

李登輝・元総統は追思文集への寄稿のなかで、黄昭堂氏の急逝
の知らせを聞いたとき、しばらく信じることが出来なかったと明かし
ている。心が刺すような痛みに覆われ、「神よ、私に病の試練を与
えたばかりなのに、どうして心の友を失うという打撃まで与えるので
すか?」という問いを禁じえなかったという。

蔡英文氏は、この新書発表会が、蔡氏にとってのお別れ会である
と語った。黄昭堂氏が亡くなったとき、ちょうど選挙だったため、お
別れ会に出席できなかった。ただ、なくなった当日、黄昭堂氏の遺
骸に会いに行ったという。そのとき、黄昭堂氏の体はまだ柔らかく、
温もりがあり、蔡氏は黄氏の顔に触れ、「早く起きてください。私た
ちはまだ一緒に進まなければならないのですから。」と声をかけた
という。

蔡英文氏はまた、黄昭堂氏とのエピソードを紹介した。あるとき二
人で会う約束をしていたが、蔡氏が忙しくなって忘れてしまってい
た。秘書の電話でそのことに気づき、急いで会いに行った。黄氏は
すでに三十分あまり待っていたが、怒りもせず、一緒にステーキを
食べに行った。その後で、蔡氏が黄氏を家まで送ると、ステーキ
を食べるのに付き合って、家まで送ってくれる女性がいて、幸せ
だ、と喜んでくれたように感じたという。

蔡氏はまた、多くの政治家が、「自分は最初からずっと一貫してい
る」と称しているが、本当に「ブレなかった」のは黄昭堂氏だと語っ
た。黄氏にはたくさんの目標があり、民進党が実現することを期待
していたが、一方で政党の難しい点も知っていて、いつも優しく見
守ってくれた。蔡氏にきついことばを投げかけたことはなかった。
「黄昭堂氏が亡くなったという感じがしない」。黄昭堂氏のことはい
つまでも忘れないと蔡氏は語った。

『建国舵手黄昭堂』を編纂した元・国史館館長・張炎憲氏は、黄氏
が亡くなる二週間前に、やっと、原稿の校正が済んだ。その二週
間後の急逝に、神の采配を感じる、と語った。

*蔡英文氏が担当していた民進党主席職は、2月29日に陳菊・高
雄市長が代理主席として引継いでいる。

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感念黄昭堂 蔡英文:他是我永遠懷念的人
〔同新書発表会での蔡英文氏のスピーチ〕
http://www.youtube.com/watch?feature=player_embedded&v=g0gFHpVlw5s

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1. 『黄昭堂追思文集』

2011年11月17日、台湾独立運動に生涯を捧げてきた台湾独立
建国聯盟の黄昭堂主席が大動脈解離による心停止のため急逝、
突然の訃報に多くの人々が戸惑いつつ嘆き悲しんだ。12月3日
に台北市内で告別式が行われ、日本でも12月11日に大阪で追
悼礼拝、12月20日に東京で「お別れの会」が開かれた。

 台湾の2・28事件記念日を期し、李登輝元総統、蔡英文・民
進党主席、蔡焜燦・李登輝民主協会理事長、許世楷・前台北駐
日経済文化代表処代表、安倍晋三・元首相、小池百合子・衆議
院議員、金美齢・元台湾総統府国策顧問、櫻井よしこ・ジ
ャーナリストなど台湾と日本の有縁の人々91人が寄稿して
『黄昭堂追思文集』(台湾独立建国聯盟編纂・発行)を刊行。

 本書は、黄昭堂先生が日台の人々からいかに慕われていたか
を如実に示すとともに、その偉大な足跡を書き留める。また、台湾
独立運動の本質や日台関係の深遠にも触れることができる。

◆頒 価:1,500円(送料込み)

◆お申込:お申し込み書に必要事項を記入し、FAX・メールで

◆申込先:台湾独立建国聯盟日本本部

〒162-0067 東京都新宿区富久町8-24 万年ビル2F
TEL:03-3351-2757 FAX:03-3359-8475
E-mail:wufijapan@googlegroups.com  HP:http://www.wufi-japan.org/
郵便振替口座:00180-4-44168

◆支払い:代金後払い(郵便局) *本と一緒に郵便払込取扱票と請求書を送付します。

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2. 『建國舵手黄昭堂』

口 述:黄昭堂
採訪整理:張炎憲 陳美蓉
出 版:呉三連台灣史料基金會(2012/02)
規 格:25開,480頁+24彩頁,定價:500元
※ 新書特價:350元(即日起到2012年3月31日止)

〔上記価格は台湾向けのものです。
 詳しくは、出版元にお問い合わせください〕

呉三連台灣史料基金會
電話:02-2712-2836 傳真02-2717-4593
地址:10488台北市南京東路3段215號11樓
郵撥戸名:呉三連台灣史料基金會/郵撥帳號:16718551

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