【台湾総統選】流れを変えた子豚の貯金箱

【台湾総統選】流れを変えた子豚の貯金箱

 台湾の声

 いま台湾では子豚の貯金箱が大流行している。野党・民進党の蔡英文主席(総統候補者)の総統選挙集会で、3匹の子豚の貯金箱を持った3つ子が蔡主席に貯金箱を手渡す姿がほほえましいと台湾のテレビで紹介されると、馬英九政権の監察院が「未成年から金を受け取ったのは違法」と蔡主席を警告した。

 民進党はお金を子どもたちに返金した上で、馬政権のネガティブキャンペーンに対抗して、プラスチック製のかわいい子豚の貯金箱を支持者らに配り、小額献金を呼びかけたところ、大反響があり、瞬く間に20万個の子豚の貯金箱がなくなった。

 与党の中国国民党は、日本人が戦後台湾に残した資産を接収し、本来は台湾人にも分配すべきものを党産として独占し、国営ではなく“党営”事業などにより莫大な資産を築き、選挙のときの利権誘導に利用した。国民党が選挙に強いのはこの資金力によるものが大きく、民進党は資金力で劣るため、「子豚が狼(国民党)をやっつけよう」と呼びかけている。この子豚の貯金箱が人気と共感を呼び、蔡主席の支持率は今月に入って急上昇している。

 最近、台湾の「壹週刊」という雑誌が、馬総統が地下賭博ヤクザの親玉と密会していたことを暴露した。民進党はこの報道をもとに馬総統に対して密会の有無とその目的を質したが、馬総統は以前にその人物と会ったことがあることは認めたものの、事実でない報道で攻撃されたとして雑誌「壹週刊」ではなく、それを引用して批判した民進党の蔡主席及びスポークスマンを告訴した。民進党は、報道に基づく合理的な疑問を呈しただけであり、馬総統が民進党を告訴するのは筋違いで問題の焦点をそらそうとするものだと批判を強めている。


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