【台湾水害】ボランティア参加現地レポート

【台湾水害】ボランティア参加現地レポート

              SK(台南在住日本人留学生)

 この週末を利用して被災地でのボランティア活動に参加しました。台湾の仏教団体である慈済でボランティアの募集があったので台湾の友人とともに行くことにしました。台湾では寄付した義捐金が募金を募る人のポケットに消えてしまうこともあると聞きました。実際に被災地でお手伝いできれば被災された方々のお役に立てると思い参加しました。

 朝6時に台南の慈済教団に集合したのですが、すでに500人余りの人が集まっていました。ボランティアのほとんどは10代から30代の青年たちでした。みな被災地復興のために力になりたいと立ち上がった人たちです。10人ほどの外国人の姿も見られました。事前の話では被害の大きい屏東県の林邊郷に行くとのことだったのですが、連日のテレビ報道でボランティアが殺到しているらしく、まだ復旧が進んでいない台南県の大内郷に行くことが全体説明で告げられました。

 大勢のボランティアは45人乗りのバス10台に分乗し、乗れきれなかった人たちは自家用車で目的地へ向かいました。大内郷は烏山頭ダムからほど近い山間部にあり、今回の水災で4人が死亡、2人が行方不明になっています。堤防が決壊し、十分もたたないうちに氾濫した水は2階まで達したとのことです。被災地の近くの田畑はみな土砂で埋まっていました。

 午前8時すぎに大内に到着すると、すでに軍が道路の整備や障害物の除去など行っていました。伝染病の発生する恐れもあるのでマスクと手袋を必ずするように主催者側から指示を受けました。私のグループは商店の復旧を手伝いました。男性は屋内の泥をかき出して洗浄し、女性は泥まみれになった商品の水洗いを行いました。泥は思っていた以上に粘着質で、簡単には除去できませんでした。 しかし、ボランティアの人々は悪臭のする中、黙々と作業を続けました。休むことなく真剣に取り組む台湾の若い人々の姿に感動しました。

 屋内の清掃が終わると、男性を中心に三合院(台湾の伝統的な家屋)の前にたまった泥水を手押し車やバケツリレーで取り除きました。ほとんどの人が泥まみれになってしまいましたが、誰一人として不平を言う人はいませんでした。二日間の復旧作業ではごく一部の復旧しかできず残念でした。大内郷では電気と水道が復旧しており、家を失い、壊滅的な打撃を受けた地域よりはまだいいかもしれません。しかし、農業などの主要産業は復旧の見通しが立っておらず経済的な被害は想像以上でした。一日も早い復興を祈りつつ被災地を後にしました。


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