【レポート】台湾高校歴史指導要領「微修正」はイデオロギー注入

「台湾の声」【レポート】台湾高校歴史指導要領「微修正」はイデオロギー注入

台湾の声ニュース 2014.3.10 14:00

昨9日、東京・池袋で行われた中國語文學會の定例研究会で今回の高校指導要領「微調」問題についての報告があった。報告者である台南・成功大学の蒋為文(Chiunn Uibun/しょう・いぶん)教授は、今回の「微調(部分修正)」なるものは、特に歴史の分野について、現行の指導要領と比べると過半数に修正が加えられており、実際には、まったくの別物であると断定した。

また、この「修正」を経た指導要領の性格は、「親中・仇日・鄙台」(中国へ親しみ、日本への復讐心を育て、台湾を蔑視する)というイデオロギー注入の道具となっていると指摘した。

たとえば、鄭成功が独自にヨーロッパの列強と協定を結んでいた事実について教えていたものを、教えないで中国との関係についてばかり強調するといった点である。また台湾の近代文学は清末に宣教師によってその種がまかれ(1885年に台湾語で新聞を出版)、日本統治下で育つという形であって、実際には、世界文学の影響を受けているのに、今回の指導要領では、1919年の中国の五四運動の影響しか見せないようにしているという。

この「微調」を取りまとめた王暁波は、「左派」であり「自分は台湾人ではなく中国人」という発言でこれまでにも台湾人をあきれさせていたが、今回、指導要領で228事件を中国の内戦の一環と捉えさせようとしていることについて、質疑を受け、その反論として、「228事件で2万人が殺されたのは小さいケースである。“大陸”では40万人が殺された。」と語るなど、生命への冒涜を隠そうとすらしない中国性を示している。なお、228事件の犠牲者数を2万とするのは最大28000とする政府の見解からみても少な目の数字である。

また、蒋教授は、台湾はベトナムと同じで、連合国を代表して国民党軍が進駐したのだと指摘。ベトナムでも228事件のようなことが起こったという。終戦後、連合国を代表してベトナムに軍隊を進駐させた蒋介石がベトナムを併呑しようという野心を持っていることをホー・チミンが見抜き、独立を宣言したところ、9月に雲南より軍隊を派遣してこれを弾圧したという。ホー・チミンはフランスを巻き込むことで、蒋介石の企みを打ち破ることが出来た。そのためベトナムの教科書では、蒋介石は悪人として記述されている。

蒋教授は、台湾語検定センターの主任。ベトナムが如何にして中国の影響下から自立を果たしたかについての専門家。現在、東京外国語大学に滞在中である。

台湾のネットニュース『新頭殻(New Talk)』で9日に、自由時報では本日、伝えられたところによれば、国家の最高の研究機関である「中央研究院」の部門のトップや台湾大学、政治大学、成功大学の研究者を含む140名を超す歴史研究者が、この「専門家が関わっていない」大幅な変更は撤回すべきであると声明を出した。この声明は、政治大学の台湾歴史研究科の薛化元教授が呼びかけ、中央研究院歴史言語研究所・同台湾史研究所の所長を含む多数の研究者が参加した。


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