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【阿彰の台湾写真紀行】排骨飯、排骨麵、排骨湯

【阿彰の台湾写真紀行】 No.8
排骨飯、排骨麵、排骨湯

 日本でよく知られている日本式中華料理の定番に排骨飯、排骨麵というものがある。排骨とは豚の骨付きあばら肉に卵と小麦粉の衣を付けて油で揚げた中華風の肉料理だ。台湾の食堂料理の定番的なもの中にも排骨飯、排骨麵という名称のものがある。そして雞腿飯(ke-thúi-pn̄g:ケェトゥイプン=鶏の骨付きもも肉を煮たり、揚げたものがご飯に載っている)や炕肉飯(khòng-bah-pn̄g:コンバァプン=分厚い豚バラ肉や四角い豚バラ肉をトロトロに煮込んだものがご飯の上に載っている)などと共にとても人気がある。

 日本語では排骨飯を“パイコーはん”、排骨麵を“パイコーめん”と呼ぶが、台湾語では排骨飯(pâi-kut-pn̄g:パイクップン)、排骨麵(pâi-kut-mī:パイクッミィ)と呼ぶ。そして、排骨(pâi-kut:パイクッ)には骿仔排(pín-á-pâi:ピンナパイ)や排仔骨(pâi-á-kut:パイアクッ)といった言い方もある。

 また、排骨飯、排骨麵のほかに排骨湯(pâi-kut-thng:パイクットゥン=骨付きあばら肉入りスープ)も食堂や屋台、そして家庭内での人気料理の一つだ。スープは薄い醤油味で、若干醤油の色が付いたものもあれば、あっさり味の澄んだスープもある。実は台湾の場合、排骨飯や排骨麵、排骨湯という料理の名称は同じでも、その肉の調理の仕方や外観は一種類だけではなく、店によって様々な形態のものがある。台湾本土系の食堂で作られるものと中国系の食堂で作られるもの、さらに香港・広東系の食堂で作られるもの、この三系統を比べると外観上の違いは大きい。特に台湾の香港・広東系の食堂で見られる排骨飯と排骨麵はあん掛け飯(日本の中華丼のようなもの)だったり、あん掛け焼きそばだったりするので、その外観上の大きな違いに驚かされる。

 特に台湾系、中国系といった明確な区別のない食堂の定食や弁当などとして売られている排骨飯で、よく見かけるものは手のひらのように平たく大きい豚の排骨(骨つきあばら肉)をご飯の上に載せたものだが、調理法はお店によっていろいろだ。小麦粉を溶いたものを塗って柔らかく揚げた排骨と、サツマイモの粉や小麦粉、パン粉などの衣を付けて油でカラッと揚げた排骨の2種類に大きく分けられるが、肉を直接揚げただけの排骨もあるし、衣を付けて揚げた排骨をさらに煮込んで仕上げたものなどもある。また排骨飯の場合はご飯の上に排骨が載せられて提供されるのが一般的だが、排骨麵の場合は麵の上に載せて提供する店もあれば、麵と別々にして、排骨を皿に載せてお客さんに提供する店も多い。

 この手のひらサイズの平たい排骨を使ったもののほかに、コロッとした、ひと口サイズより少し大きめの排骨に衣を付けて揚げてから、かなり軟らかくなるまで煮込んだものをスープやスープ麵などに使っている店もある。この類のものは台湾本土系の店に多い。この類の排骨を使ったものは排骨酥湯(pâi-kut-so͘-thng:パイクッソォトゥン)や排骨酥麵(pâi-kut-so͘-mī:パイクッソォミィ)と呼ぶが、店によっては単純に排骨湯(pâi-kut-thng:パイクットゥン)や排骨麵(pâi-kut-mī:パイクッミィ=)と呼んでいる店もある。肉がよく煮込まれている場合は骨も軟らかくなっていて、骨を噛み砕いて食べることができる。また衣を付けていない、ひと口サイズの排骨を使った排骨麵やスープもあるし、ひと口サイズではなく、かなり大きく分厚い骨つき肉を煮込んだスープもある。スープには肉と一緒によく煮込んだ大根を入れている店が多いが、家庭料理では苦瓜や竹の子、タロイモなどを入れる場合もある。

 台湾の多くの麵料理がそうであるように、排骨麵(pâi-kut-mī:パイクッミィ)に使われる麵も一種類だけではない。例えば、手のひらサイズの平たい排骨を使った排骨麵の場合、ほとんどが中国北方系の白い麵(白麵)が使われていて、台湾本土系食堂の、ひと口サイズの排骨を使った排骨麵の場合は油麵(iû-mī:イウミィ)と呼ばれる台湾系の黄色い麵が使われている。また油麵の替わりに、好みによって、意麵(ì-mī:イーミィ=平打ちの麵)や米粉(bí-hún:ビィフン)、冬粉(tang-hún:タンフン=春雨の一種)、粿仔(kóe-á:クエアー=米から作られる平打ちのヌードゥル食材)に変えてもらうこともできる。香港、広東系食堂の排骨麵には広東式の黄色い極細麵が使われている。

 排骨を使った他の料理と言えば、排骨飯、排骨麵以上に日本人に知られている中華系の料理で、日本人の食生活にすっかり定着している酢豚があげられる。台湾でも広東系中華料理のレストランで食べられる料理だが、台湾の場合、酢豚は骨付きの肉が混じっている場合も多いので、食べる時は骨に気をつけなければならない。排骨飯、排骨麵、排骨湯の肉も一部の店のものを除いて、骨付きであることが一般的である。台湾では骨付きの肉だからこそ美味しいし、価値があるのだと思う人が多いようである。骨付き肉は豚肉料理だけでなく鶏肉料理にも多い。例えばレトルト食品のチキンカレーの中に入っている極小さな鶏肉にも骨が付いていることがあるので、台湾で肉料理を食べる時には骨が付いているかどうかの確認は必須である。


編集部より:「阿彰の台湾写真紀行」では、台湾在住のデザイナー、『台北美味しい物語』著者である内海彰氏が撮影した写真とエッセイをお届けします。写真は末尾のリンクから取得することができます。またウェブで閲覧できるバックナンバーでは、記事とともに表示されます。


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★こちらから関連ファイルをご参照ください:

1滷排骨飯

2炸排骨飯

3排骨酥麺(油麺)

4排骨麺(白麺)

5排骨酥湯

6排骨湯

7排骨酥粿仔

8港式排骨飯

9港式排骨麺

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