【産経よ】「中国大陸」と呼ぶなかれ

【産経よ】「中国大陸」と呼ぶなかれー峻拒するべき「一つの中国」宣伝

       永山英樹

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■コラムの話題は嬉しいものだが・・・  

産経新聞のコラム「東亜春秋」の十二月九日のテーマは「台湾の若者の日本語に
脱帽」。十一月末に台北で開かれた大学生向け日本語コンテストでは「彼らの熱
意と水準の高さに感心した」と言う話だ。

「(日台関係の)将来の担い手である台湾の若者はいたって親日的だ」

「日本の在台代表機関、交流協会台北事務所の2006年度調査では台湾の日本
語学習者は約19万人、(調査回答率の低い)民間塾を正確に把握すれば、さら
に増える」

「交流協会調査(2009年4月)でも李登輝・陳水扁政権時代の教育を受けた
青年層が『最も親日的』との結果が出ている。日本は未来あるこの世代をもっと
もっと大事にしたいものだ」

台湾ではこのような状況であるらしい。日本人として何とも嬉しく、ありがたい
話である。

■「中国の人」と呼んではならないのか

ところで「最も親日的」だとする「李登輝・陳水扁政権時代の教育を受けた青年
層」とは年齢にすれば十代〜三十代だ。

確かにこの調査で、「日本に親しみを感じる」との回答は、最も親日と思われて
きた六十五歳以上が五八%だったのに対し、二十代は七九%、三十代は七七%に
達していた。

六十五歳以上の意外な低数値には、戦後の国民党の中国人政権による反日教育で
育った者や、中国人(外省人)の感情も反映されてもいるのだろうが、若い世代
の親日度がここまで高いのはなぜなのか。

それは李登輝・陳水扁による台湾人政権下では思想統制がなかったからだ。反日
教育などを施されず、日本の若者文化にも自由に触れることができたからだろう

中国人の国民党が政治的な「妨害」さえしなければ、自ずとこうなるのではない
かと思う。なぜなら日本人と台湾人は、文化的にはとても近しい間柄だからだ。

コラムも「(スピーチ原稿は)日本語の特長ともいえる細やかな感情表現や季節
感、情緒豊かな文章が多かった。こうした台湾の若者のウエットな感性は、政治
志向の強い中国大陸の人より日本人に近いようにも思える」と書いている。

これもそのようなことを語っているのだろう。ただ問題は、「中国大陸の人より
日本人に近い」と言うが、「中国大陸」とは何かである。「中国」と国名で呼ぶ
ことはできないのだろうか。

■「中台」の呼称は「台湾独立」を意味するとの中国論理

「日本人」も「日本列島の人」と記述するなら、わからなくもないが・・・。

別に産経だけに限らないことだが、日本でも台湾でも、「中国」を台湾と対比、
並列させて語る際、しばしば「中国大陸」と呼んでいる。

この不自然さを一言で説明すれば、「一つの中国」(台湾は中国の一部)の宣伝
のためである。

つまり「中国大陸」とは「中国の大陸地区」の意で、「中国の台湾地区」と対を
為すものなのだ。

十一月初めに日中の有識者を集めて開催された「第5回東京―北京フォーラム」
で司会を務めた劉江永・清華大学国際問題研究所教授は日本のパネリストたちに
対し、こんな要求を行っている。

「中台関係と日本は言いますが、気持ちが悪い。これは政治的な立場の問題とな
ります。互いに漢字を使っている国ですから、両岸関係と言ってください」

「中台」だとして「中国と台湾」を対等に呼ぶことは「台湾独立」を認めること
になると言う中国からのクレームである。馬鹿馬鹿しい話だが、台湾併呑を正当
化したい中国から見れば、確かにこの呼称問題は「政治的な立場の問題」だ。

■それは「一つの中国」の宣伝がもたらした

一方、国民党も中国政権としての台湾支配を正当化するため、「一つの中国」の
洗脳教育を行ってきた。

だから台湾では「一つの中国」が社会の底辺に至るまで刷り込まれてしまってい
る。

そして日本でも同じように国民党や中共の宣伝の影響を強く受けているのである

「中国大陸・台湾」「中国本土・台湾」との言い方は普遍的に見られるが、それ
はその結果以外の何物でもない。

また、そうした宣伝に騙されている者だけでなく、騙されたふりをする者もあま
たに存在する。呼称に対する中国の敏感な姿勢に対し、これまた敏感な人々は、
福田元首相ではないが「相手の嫌がることは言わない」と言わんばかりに、摩擦
を恐れて「一つの中国」の虚構を受け入れるふりをするのである。

■「中国の一部ではない」との信念を

産経は最近、以前より「中国大陸」を多用している気もするが、それは単なる書
き手の習慣によるものだろう。

しかしこのようなマスメディアが宣伝に騙されたままでは、国民もいつまで経っ
ても「一つの中国」の洗脳から解放されないのである。

コラムは最後に、「日本は未来あるこの世代をもっともっと大事にしたいものだ
」と結んでいた。

まったくそのとおりである。

だから台湾のあの「世代」とその「未来」を守るためにも、「台湾は中国の一部
」と誤解させる如き言論は止めにしなければならないはずだ。なぜなら「一つの
中国」の宣伝は、日本人から台湾併呑を批判する力を奪うものだからである。

他の新聞にはすぐには望み難いとしても、少なくとも産経にだけは「台湾は中国
の一部などでは断じてない」との信念を、さらにいっそう固めてほしいと思う。

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