【台湾の今】国民党支持者は中国の脅威をどう捉えているのか

【台湾の今】国民党支持者は中国の脅威をどう捉えているのか

台湾の声編集部

 筆者の台湾の友人知人(とりわけ原住民族)にはバリバリの国民党支持者も多くいる。一党独裁が終焉してもなお、彼らがいまだに頑なに国民党を支持し続け、民進党や独立派を毛嫌いするのは、洗脳、利権、「伝統風習」、マイノリティー族群によるマジョリティー族群への反撥など、複雑かつ多岐にわたる特殊な理由によるものだと筆者は考えている。

 国民党への忠誠心に篤い彼らは、今、中国の脅威に対して何を思っているのか。

今回はその声の一部を紹介したい。

 LINEのグループトークに中国人キャスターの論説ビデオがシェア投稿された。シェアしたのは原住民族で国民党支持者のOさん(男性、40代中盤、配達ドライバー)。ビデオは「”祖国”中国に働きにくる台湾人は台傭と呼ばれている」と題し、産業空洞化と少子高齢化が進む台湾では、若者が満足できる収入の仕事は見つからず、中国に就職先を求めて押し寄せている」という内容だった。

 「台傭」とはフィリピン人出稼ぎ労働者を指す「菲傭」の「菲律濱(フィリピン)」を「台湾」に置き換えた差別的な用語。(「傭」とは、もとは雇われ人のことで、住み込みの家政婦やベビーシッター、介護労働者などを指すが、漁業や建設現場の従事者なども含めた出稼ぎ労働者全般への呼称として使われている。)

 このキャスターは、「かつて多額の外資を引っ提げて”祖国”中国に渡った台湾の企業家は台商と呼ばれ、それに付随してやってきた管理職は台幹と呼ばれ、そして今、目覚ましい発展を遂げる中国へ就職先を求めてやって来る者は台傭と呼ばれている」と言い、最後に「金儲けしたければ一刻も早く中国へ来ることだ」とけしかけている。

 Oさんは動画にショックを受けたようで、「台湾はそんなに落ちぶれてしまったのか? 聴いていて気分のいいものじゃないが、現実なのかも」とコメントしていた。

 また、国民党支持者の人達からの口からは、「これから中国語は世界の主要言語になる」という言葉もよく聞く。その言葉の裏には、中国の大国化への期待が窺われる。単に「中国語を話せる」というだけで、「棚からぼた餅」を期待し、世界の中国化を歓迎している台湾人も少なからずいる。前述の論説ビデオもまさに、台湾人を脅し、取り込もうとする中国の台湾同化工作の一環である。

 中国は、SNSなどインターネットのあらゆるツールを駆使して猛烈に台湾工作を仕掛けている。しかしそれはまた、中国にとって独裁政権の根幹を揺るがすことにもなる諸刃の剣であることも、彼らはよく承知している。


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