12月9日(土)、リチャード・クー氏、岸信夫氏らを講師に日台関係研究会が講演会

テーマは「東アジア新冷戦と台湾」

 本年7月、北朝鮮は日本海にミサイル発射実験を実施し、10月には核爆発実験を強行しま
した。北朝鮮の核開発をめぐる六カ国協議は断続的に行われていますが、北の脅威は現実
のものとなりつつあります。

 去る11月の中間選挙でアメリカのブッシュ政権は手痛い打撃を受けました。上下両院で
大統領の与党、共和党は過半数を割ることになり、ブッシュ大統領の指導力は著しく低下
することになったのです。

 これらの問題は、日本と台湾の安全、そして台湾の将来を考える上で決定的に重要な意
味を持ちます。急速な経済成長を続けながら政治的民主化はストップさせている中国が、
軍備の大幅増強をつづけながら、その中国はアメリカと太平洋を隔てて対峙しています。

 東アジアの覇権をめざす中国と、それを阻止しようとするアメリカとの米中新冷戦は、
台湾と北朝鮮の問題をめぐって今まさに正念場にさしかかっています。そして日本のエネ
ルギーの大動脈、シーレーンは台湾の安全と一体であり、台湾が中国の勢力圏に入れば、
エネルギーを介して日本は生殺与奪の件を中国に握られることになりかねません。

 しかしその焦点に位置する台湾では、昨年末以来、総統の側近、そして総統を含む家族
のスキャンダルが世情を騒がせ、与党民進党は国民の支持を失いつつあります。そればか
りではなく、スキャンダル続きで台湾の民主政治は危機に瀕しているともいえます。

 そこで、本年の日台関係研究会大会は、著名なエコノミストであり、東アジア安全保障
の専門家でもあるリチャード・クー氏と、参議院議員として若手議員の台湾との交流の責
任者であり、安倍首相の実弟でもある岸信夫議員をゲストにお迎えして、『東アジア新冷
戦と台湾』と題して開催することといたしました。

 今日の危機迫る東アジア情勢の中で、日本はどこへ行こうとしているのか、またどうす
べきであるのか、台湾の行く末はどうなるのか、ともに考える機会にしたいと存じます。

 年末のお忙しいころとは存じますが、多数の方のご参加をお待ち申し上げます。

                                日台関係研究会

『東アジア新冷戦と台湾』開催要項

日 時:平成18年12月9日(土) 開場13:00

会 場:フォーラムエイト(渋谷) 電話03−3780−0008

講演会:キングス・スクェア(3階)
パーティー:クイーンズ・スクェア(3階)

13:30 開会の辞 日台関係研究会名誉会長 浅野一郎
13:40 ご挨拶
14:00 講演 野村総合研究所主任研究員 リチャード・クー
14:50 休憩
15:10 講演 平成国際大学名誉学長 中村勝範
16:00 講演 参議院議員 岸 信夫
16:50 閉会の辞
17:30 記念パーティー

参加費 一般 3,000円 学生2,000円 *パーティー参加費を含みます。

◎なお、当日参加者には、同日発刊の新著『東アジア新冷戦と台湾』(中村勝範、楊合義、浅野和生 共著)を差し上げます。

《講演者プロフィール》*講演順

リチャード・クー氏
野村総合研究所 研究創発センター主席研究員、チーフエコノミストとして経済分析に従
事する傍ら、東アジアの安全保障についても詳しい。台湾初の貴族院議員・辜顯栄氏の孫
。台湾の対中交渉の窓口機関、海峡交流基金会の初代会長であった辜振甫氏は伯父にあた
る。著書に『有事の東アジア』(東洋経済新報社)、『デフレとバランスシート不況の経
済学』(徳間書店)など。現在、月間『VOICE』のコラムニスト。

中村勝範氏
平成国際大学名誉学長。慶應義塾大学法学部教授ののち、平成7年4月から17年6月まで平成
国際大学学長。産経新聞正論欄の執筆者であり、評論集『正論自由』シリーズで著名。平
成17年より日台関係研究会会長。他の著書に、『日米同盟と台湾』『アジア太平洋におけ
る台湾の位置』『続・運命共同体としての日本と台湾』(いずれも早稲田出版)などがあ
る。

岸 信夫氏
参議院議員(山口県選挙区)。祖父は岸信介元首相と安倍寛、実父は安倍晋太郎であり安
倍晋三首相の実弟。自民党の日台若手議連の会長を務める。慶應義塾大学経済学部卒業の
後、住友商事社員を経て、2004年に参議院議員選挙に出馬し当選。現在、自民党国会対策
副委員長、国際経済戦略特命委員会事務局長である。

会場案内
東京都渋谷区道玄坂2−10−7
TEL 03−3780−0008
渋谷駅ハチ公口より徒歩7分