鄭南榕記念式典に蔡英文総統が頼清徳・行政院長や陳菊・高雄市長を伴い参列

台湾では4月7日を「言論自由の日」と定めている。この日は、戒厳令下の台湾において、公開の場で初めて台湾の独立建国を叫び、二・二八事件の真相究明を求め、台湾に民主・自由の道を拓いた鄭南榕が焼身自決した1989年4月7日に由来している。

 その4月7日、蔡英文総統は鄭南榕記念式典に頼清徳・行政院長、李永得・行政院客家委員会主任委員、李応元・行政院環境保護署長、陳菊・高雄市長らを伴って参列し、鄭南榕の遺志を継ぐと宣言した。台湾国際放送がその詳細を報じているので下記に紹介したい。

 ちなみに、鄭南榕夫人の葉菊蘭氏は夫の遺志を継いで立法院選挙に出馬して当選。その後、交通部長や行政院客家委員会主任委員、行政院副院長など政府の要職を歴任後、高雄市の代理市長や総統府秘書長もつとめた民進党の重鎮。

 2009年4月、日本で開催した「台湾建国烈士 鄭南榕記念 台湾問題講演会」にもご遺族として娘さんの鄭竹梅さんとともに参列したことがある。

              ◇     ◇     ◇

鄭南榕1947年(昭和22年)9月12日、宜蘭県に父鄭木森氏、母謝恵琛女史の長男として生誕。成功大学工学科、輔仁大学哲学科、台湾大学哲学科を経て、1972年(同47年)、葉菊蘭女史と結婚、一女竹梅を授かる。白色テロ横行する戒厳令下の1984年(同59年)、自由時代社を創設して週刊誌『自由時代』を発行。1986年(同61年)、台湾民主党の発足準備に着手して民進党結成の基礎を築く。1987年(同62年)2月、二二八和平日促進会を結成して公開の場で二・二八事件の真相究明を訴え、4月には公然と台湾の独立を主張し、台湾最大のタブーを打破。1988年(同63年)12月、『自由時代』に許世楷・台湾独立建国聯盟総本部主席起草の「台湾共和国憲法草案」を掲載し、中華民国体制に真っ向から挑戦。翌年1月、高等検察庁から反乱罪容疑で出頭を命ぜられるも、「言論の自由」を求めて自由時代社に立て籠り、4月7日、逮捕のため出動した警官隊に包囲される中、自らの体にガソリンをかけて火を放ち焼身自決。享年42。

—————————————————————————————–鄭南榕記念日、蔡総統:移行期の正義を【台湾国際放送:2018年4月9日】

 言論の自由を訴えて焼身自殺した鄭南榕氏の記念日に当たって、蔡英文・総統は、移行期の正義を完成させる決意を示しました。

 1989年4月7日に鄭南榕氏が焼身自殺してから、今年で29年になります。蔡総統は7日、頼清徳・行政院長、李永得・行政院客家委員会主任委員、李応元・行政院環境保護署長、陳菊・高雄市長らを伴って、鄭南榕氏を記念する式典に出席しました。

 蔡総統は、「この日には台湾各地で様々な記念活動が行われている。特に、若い人たちの参加がますます増えている。これは、鄭南榕氏の精神が次の世代に受け継がれていることを意味している」「台湾は世界で最も自由な国の一つだ。鄭南榕氏は、今日の台湾がこのようになったことを、うれしく思ってくれているだろう。しかも、台湾は、世界がうらやむ民主主義を実行している。しかし、まだ一つ、完成していない使命がある。それは、移行期の正義だ。鄭南榕氏がこの世を去ってから29年になる今日、移行期の正義をきちんと実行することこそが、鄭南榕氏を記念する最も良い方法だ」と語りました。

 移行期の正義とは、独裁的な政権が倒れたり紛争が終結したりした後、過去の人権侵害や虐殺の真相を究明し、裁判、補償、制度改革などを通して社会の分断を埋めようとする試みを指しており、世界各地で進められています。こうした中で、台湾でも現在の民進党の蔡英文政権は、台湾の戦後の政治を対象とする「移行期の正義促進条例」を制定するなどして、移行期の正義を重要な政策として進めています。

 また、蔡総統は、「台湾での移行期の正義の取り組みは始まったばかりだ。近く発足する政府機関の『移行期の正義促進委員会』が、社会全体と共に、真相を発掘し、責任の所在を明確にし、和解を促進する。この委員会のメンバーには、法学、歴史学、心理学、政治学、社会学などの分野の委員が参加する予定で、世界の他の国・地域で行われている移行期の正義の取り組みに比べても、見劣りすることはない」「委員会が国会の支持を受けて、台湾での移行期の正義を前進させてくれることを期待している」と強調しました。

 蔡総統は、「移行期の正義は、真相を発掘し、責任の所在を明確にし、和解を促進するという順番で進める。逆転させることはなく、その過程を軽視することはない。最初の任務は、独裁政権時期の真相調査報告を作成することだ」と指摘しました。


【日本李登輝友の会:取扱い本・DVDなど】 内容紹介 ⇒ http://www.ritouki.jp/

*ご案内の詳細は本会ホームページをご覧ください。

● 児玉神社社殿修復事業へのご寄付のお願い
  http://www.ritouki.jp/index.php/info/20170611/

● 台湾フルーツビール・台湾ビールお申し込みフォーム
  https://mailform.mface.jp/frms/ritoukijapan/rfdavoadkuze

*台湾ビール(缶)は在庫が少なく、お申し込みの受付は卸元に在庫を確認してからご連絡しますの
 で、お振り込みは確認後にお願いします。【2016年12月8日】

● 美味しい台湾産食品お申し込みフォーム【常時受付】
  https://mailform.mface.jp/frms/ritoukijapan/nbd1foecagex

*沖縄県や伊豆諸島を含む一部離島への送料は、宅配便の都合により、恐縮ですが1件につき
 1,000円(税込)を別途ご負担いただきます。【2014年11月14日】

*パイナップルケーキとマンゴーケーキを同一先へ一緒にお届けの場合、送料は10箱まで600円。

・奇美食品の「マンゴーケーキ(芒果酥)」2,900円+送料600円(共に税込、常温便)
 [同一先へお届けの場合、10箱まで600円]

・奇美食品の「パイナップルケーキ(鳳梨酥)」2,900円+送料600円(共に税込、常温便)
 [同一先へお届けの場合、10箱まで600円]

・最高級珍味「台湾産天然カラスミ」4,160円+送料700円(共に税込、冷蔵便)
 [同一先へお届けの場合、10枚まで700円]

● 書籍お申し込みフォーム
  https://mailform.mface.jp/frms/ritoukijapan/uzypfmwvv2px

・渡辺利夫著『決定版・脱亜論─今こそ明治維新のリアリズムに学べ』*new
・呉密察(國史館館長)監修『台湾史小事典』(第三版)
・李登輝・浜田宏一著『日台IoT同盟』 *在庫僅少
・王育徳著『台湾─苦悶するその歴史』(英訳版) *在庫僅少
・浅野和生編著『1895-1945 日本統治下の台湾
・王明理著『詩集・故郷のひまわり』 *在庫僅少
・李登輝著『李登輝より日本へ 贈る言葉』 *在庫僅少
・宗像隆幸・趙天徳編訳『台湾独立建国運動の指導者 黄昭堂
・林建良著『中国ガン─台湾人医師の処方箋』 *在庫僅少
・盧千恵著『フォルモサ便り』(日文・漢文併載)
・黄文雄著『哲人政治家 李登輝の原点
・李筱峰著・蕭錦文訳『二二八事件の真相』

● 台湾・友愛グループ『友愛』お申し込みフォーム
https://mailform.mface.jp/frms/ritoukijapan/hevw09gfk1vr

*第1号〜第15号(最新刊)まですべてそろいました。【2017年6月8日】

● 映画DVDお申し込みフォーム
https://mailform.mface.jp/frms/ritoukijapan/0uhrwefal5za

・『海の彼方』*new
・『台湾萬歳』*new
・『湾生回家』
・『KANO 1931海の向こうの甲子園
・『台湾アイデンティティー
・『台湾アイデンティティー』+『台湾人生』ツインパック
・『セデック・バレ』(豪華版)
・『セデック・バレ』(通常版)
・『海角七号 君想う、国境の南
・『台湾人生
・『跳舞時代』 *現在「在庫切れ」(2017年8月31日)
・『父の初七日』*現在「在庫切れ」(2018年3月20日)

● 講演会DVDお申し込みフォーム
https://mailform.mface.jp/frms/ritoukijapan/fmj997u85wa3

・2014年 李登輝元総統ご来日(2014年9月19日〜25日)
・片倉佳史先生講演録「今こそ考えたい、日本と台湾の絆」(2013年12月23日)
・渡部昇一先生講演録「集団的自衛権の確立と台湾」(2013年3月24日)
・野口健先生講演録「台湾からの再出発」(2010年12月23日)
・許世楷駐日代表ご夫妻送別会(2008年6月1日)
・2007年 李登輝前総統来日特集「奥の細道」探訪の旅(2007年5月30日〜6月10日)
・2004年 李登輝前総統来日特集(2004年12月27日〜2005年1月2日)
・許世楷先生講演録「台湾の現状と日台関係の展望」(2005年4月3日)
・盧千恵先生講演録「私と世界人権宣言─深い日本との関わり」(2004年12月23日)
・許世楷新駐日代表歓迎会(2004年7月18日)
・平成15年 日台共栄の夕べ(2003年11月30日)
・中嶋嶺雄先生講演録「台湾の将来と日本」(2003年6月1日)
・日本李登輝友の会設立総会(2002年12月15日)


◆日本李登輝友の会「入会のご案内」

・入会案内:http://www.ritouki.jp/index.php/guidance/
・入会申し込みフォーム:https://mailform.mface.jp/frms/ritoukijapan/4pew5sg3br46


◆メールマガジン日台共栄

日本の「生命線」台湾との交流活動や他では知りえない台湾情報を、日本李登輝友の会の活動情報
とともに配信する、日本李登輝友の会の公式メルマガ。

●発 行:
日本李登輝友の会(渡辺利夫会長)
〒113-0033 東京都文京区本郷2-36-9 西ビル2A
TEL:03-3868-2111 FAX:03-3868-2101
E-mail:info@ritouki.jp
ホームページ:http://www.ritouki.jp/
Facebook:http://goo.gl/qQUX1
 Twitter:https://twitter.com/jritouki

●事務局:
午前10時〜午後6時(土・日・祝日は休み)

●振込先:

銀行口座
みずほ銀行 本郷支店 普通 2750564
日本李登輝友の会 事務局長 柚原正敬
(ニホンリトウキトモノカイ ジムキョクチョウ ユハラマサタカ)

郵便振替口座
加入者名:日本李登輝友の会(ニホンリトウキトモノカイ)
口座番号:00110−4−609117

郵便貯金口座
記号−番号:10180−95214171
加入者名:日本李登輝友の会(ニホンリトウキトモノカイ)

ゆうちょ銀行
加入者名:日本李登輝友の会 (ニホンリトウキトモノカイ)
店名:〇一八 店番:018 普通預金:9521417
*他の銀行やインターネットからのお振り込みもできます。