許世楷代表が金沢講演で烏山頭ダムの世界遺産登録の代理登録を提案

4月25日、台湾駐日代表処の許世楷代表が金沢市内で行われた講演で、金沢出身の八
田與一が造った烏山頭ダムは世界遺産に登録されるべきもので、ユネスコのメンバーと
なっていない台湾に代って日本が登録して欲しいと提案した。

 折しも、台湾との交流促進を目的とした石川県訪問団(団長・谷本正憲知事)と富山、
福井を含む観光ミッション団計約40人が20日から台湾を訪問しており、23日に烏山頭ダ
ムを視察した谷本知事は「石川の誇りだと感じた」と感銘を受けた様子だったことを読
売新聞が伝えている。

 石川県の「八田技師夫妻を慕い台湾と友好の会」(中川外司・世話人代表)は、毎年、
八田與一の命日の5月8日、烏山頭ダム湖畔の八田與一墓碑前で墓前祭を執り行っている。
今年もまた行う。

 台湾と日本を結ぶ絆の象徴が八田與一である。ぜひ日本は台湾に代って烏山頭ダムの
世界遺産登録に協力して欲しいものだ。烏山頭ダムを視察して感銘した谷本知事からも、
石川県議会としても、ぜひ政府に働きかけて欲しい。          (編集部)


許・駐日代表:烏山頭ダムの世界遺産登録に協力を
【4月26日 Radio Taiwan International】

 中華民国台湾の許世楷・日本駐在代表は25日、石川県金沢市で講演。この中で、許世
楷・代表は、台湾と石川県との関係は特別で、それは日本統治時代に石川県出身の故・
八田与一さんが烏山頭ダムを作って灌漑を成功させ、天気まかせの畑だった嘉南平野を
良質の農地に改造し、多くの人に幸せをもたらしたからだと説明した。故・八田与一さ
んの偉業は台湾で今も語り継がれている。

 許世楷・代表は、烏山頭ダムはユネスコの世界遺産に登録申請されるべきものだが、
台湾は国連に認められず、ユネスコのメンバーでもないため申請さえできないとし、日
本の人たち、特に石川県の人たちが烏山頭ダムを石川県人の誇りと考えるならば、台湾
に代わって登録申請してほしいと訴えた。

 許世楷・代表によると、東京上野にある国立西洋美術館はフランスによって世界遺産
に登録申請する動きがあり、登録申請の代行は前例があると言う。


烏山頭ダムを視察 知事、八田氏業績に感銘
【4月24日 読売新聞:石川県版】

 【台南県官田郷(台湾南部)=蒔田一彦】県訪問団(団長・谷本知事)は23日、金沢
出身の技師・八田与一氏(1886〜1942)が日本統治時代に手がけた台湾南部の烏山頭ダ
ムを訪れ、4日間の台湾訪問を締めくくった。

 地元水利組合や県によると、烏山頭ダムは1920年の完成当時、アジア一の規模で、1
万6000キロに及ぶ水路を巡らせた南西部の嘉南平野は、台湾最大の穀倉地帯になった。
八田氏の死後、ダムの近くに墓碑と銅像が建てられ、今も毎年、地元の住民らが墓前祭
を行っている。

 一行は、八田氏の写真や遺品が展示されている「八田技師記念室」を見学し、墓前に
花を手向けた。ダムは完成から80年以上たっても農業、工業、飲料用で大きな役割を果
たし、ダム湖を視察した谷本知事は「ダムに立って改めて偉業であり、石川の誇りだと
感じた」と感銘を受けた様子だった。

 一行は同日午後、次の訪問地の香港に向けて出発。24日夜に帰国する。



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