蔡英文政権が経済構造の転換も視野に3.2兆円に及ぶ大規模インフラ建設計画を発表

蔡英文政権は昨日(3月23日)、2017年から8年をかけ、鉄道や河川・ダム整備などに取り組む、
特別予算総額約8800億台湾ドル(約3.2兆円)に及ぶ大規模インフラ整備事業計画「前瞻基礎建設
計畫」を発表した。

 林全・行政院長が自ら説明したこの「未来のインフラ整備計画」は5つの分野と38ものプロジェ
クトからなるといい、各分野の投資額を規模の大きい順に並べると以下のようになる。

・軌道整備(軌道建設)        4241億3300万元(日本円約1兆5328億円)
・水生環境整備(水環境建設)     2507億7300万元(日本円約9062億9863万円)
・都市と地方の建設(城郷建設)    1372億元(日本円約4958億円)
・デジタル建設(数位建設)      460億6900万元(日本円約1664億9428万円)
・グリーンエネルギー建設(緑能建設) 243億1500万元(日本円約878億7489万円)

 日本経済新聞はこの整備事業計画について「大規模なインフラ投資で内需を刺激し、景気の回復
傾向に弾みをつける狙い」があり「鉄道新線や水資源、都市整備が中心で、現地での実績が豊富な
日本企業の参画にも期待」していると報じている。

 また「今回の投資は景気の刺激に加え、中国に過度に依存した経済構造の転換も目的となる」と
も指摘していて、蔡英文総統が昨年5月の総統就任式でまず第一に「経済構造の転換」を挙げたこ
とを思い出させる。

 蔡総統はこの演説で「我々が台湾経済のイノベーションをしようとするには、今から決意し勇敢
に別の道を歩んでいかなければなりません。この道は、台湾経済発展の新しいモデルを構築するこ
とです」と述べ、そのために「従来の単一市場に依存し過ぎた現象と決別する」と宣言し、中国へ
過度に依存している経済構造から脱するとした。

 続いて、蔡総統は次のように述べていた。

「経済発展と同時に、我々が忘れてはならないのが、環境への責任です。経済発展の新しいモデル
は国土計画、地域の発展、環境の永続性と相互に結びついていくものとなります。産業の展開と国
土の利用については、ばらばらな計画や目先の利益といった考えを止めるべきです。我々は地域の
バランスある発展を追求していかなければならず、これは、中央の政府が計画、統合していく必要
があり、地方自治体も地域が連合して治めるという精神を大いに発揮していく必要があります。」

 つまり、今回発表した大規模インフラ整備事業計画は、まさに蔡総統が就任演説で述べた「経済
構造の転換」を図る計画に他ならない。蔡英文政権は総統就任演説で台湾の人々に約束したことを
着々と実行していると言えよう。

 下記に行政院のホームページで発表された「前瞻基礎建設計畫」報告と日経新聞の記事をご紹介
したい。

◆行政院院會報告「前瞻基礎建設計畫」,打造下一世代所需基礎建設
 http://www.ey.gov.tw/News_Content.aspx?n=4E506D8D07B5A38D&s=5BB499BE2247F7AD


台湾がインフラ投資3.2兆円計画 8年間で、鉄道新線など
【日本経済新聞:2017年3月23日】

 【台北=伊原健作】台湾の蔡英文政権が大型のインフラ投資に乗り出す。行政院(内閣)は23
日、2017年からの8年間で約8800億台湾ドル(約3.2兆円)を投じる計画を発表。大規模なインフラ
投資で内需を刺激し、景気の回復傾向に弾みをつける狙いだ。鉄道新線や水資源、都市整備が中心
で、現地での実績が豊富な日本企業の参画にも期待する。

 「台湾の競争力向上と現代化を推進する」。林全・行政院長(首相)は同日の記者会見で強調し
た。計画を盛り込んだ特別予算の条例案を同日、閣議決定。立法院(国会)での審議を経て5月中
にも成立させたい意向だ。林氏は「(日本企業は)風力発電やデジタル産業、鉄道に非常に強く、
協力のチャンスがある」と期待を示した。

 予算の半分弱に当たる4241億台湾ドルは鉄道関連につぎ込む。北部の基隆と台北を結ぶ次世代路
面電車(LRT)の新設や南部・高雄の地下鉄の延伸などが目玉となる。資料で列挙したプロジェ
クトの総数が38に上る大がかりな計画だ。

 台湾の鉄道整備は日本企業が深く関わる。南北をつなぐ台湾高速鉄道(新幹線)は、日本が新幹
線技術を初輸出した案件だ。今月2日には北部で丸紅や川崎重工業、日立製作所がシステムなどを
手掛けた都市鉄道(MRT)の新線が正式に開通。新たな受注を探る動きが活発化しそうだ。

 水害の防止に向けた河川やダムの整備や、水不足の解消に絡むプロジェクトには2507億台湾ドル
を投じる。都市や道路の整備には1372億台湾ドルを投資する。地震など災害への備えを厚くし、居
住や企業の投資環境を改善する。

 台湾の16年10〜12月期の実質域内総生産(GDP)は前年同期比2.88%増。同1〜3月期まで3四
半期連続のマイナス成長だったが、回復が鮮明だ。ただ中国向けのIT(情報技術)輸出がけん引
する構図は不変だ。今回の投資は景気の刺激に加え、中国に過度に依存した経済構造の転換も目的
となる。

 データセンター建設など、デジタル産業の振興に460億台湾ドルを投じる。「日韓やシンガポー
ルなどにデジタル関連のインフラで後れをとるわけにはいかない」(林氏)といい、クラウドや人
工知能(AI)の事業環境を改善する。太陽光や風力発電にも243億台湾ドルを投資し、新エネル
ギー産業を育成する。

 蔡政権の経済政策は東南アジアとの連携強化など中長期的な内容が中心だった。今回の計画は
「人々の生活に関わり、恩恵を直接実感しやすい」(台湾師範大学の范世平教授)のが特徴だ。蔡
氏が5月20日に就任1年の節目を迎えるのを前に、政権の求心力を回復させる狙いとの見方もあ
る。


【日本李登輝友の会:取扱い本・DVDなど】 内容紹介 ⇒ http://www.ritouki.jp/

*ご案内の詳細は本会ホームページをご覧ください。

● 台湾フルーツビール・台湾ビールお申し込みフォーム
https://mailform.mface.jp/frms/ritoukijapan/rfdavoadkuze

*台湾ビール(缶)の在庫がほとんど切れかかっています。お申し込みの受付は、卸元に在庫を確
 認してからご連絡しますので、お振り込みは確認後にお願いします。【2016年12月8日】

●美味しい台湾産食品お申し込みフォーム【随時受付】
https://mailform.mface.jp/frms/ritoukijapan/nbd1foecagex

*沖縄県や伊豆諸島を含む一部離島への送料は、1件につき1,000円(税込)を別途ご負担いただ
 きます。【2014年11月14日】

・奇美食品の「パイナップルケーキ(鳳梨酥)」 2,910円+送料600円(共に税込、常温便)
 *同一先へお届けの場合、10箱まで600円

・最高級珍味「台湾産天然カラスミ」 4,160円+送料700円(共に税込、冷蔵便)
 *同一先へお届けの場合、10枚まで700円

●書籍お申し込みフォーム
https://mailform.mface.jp/frms/ritoukijapan/uzypfmwvv2px

・門田隆将著『汝、ふたつの故国に殉ず
・北國新聞出版局編『回想の八田與一』
・藤井厳喜著『トランプ革命で復活するアメリカ
・呉密察(國史館館長)監修『台湾史小事典』(第三版)
・李登輝・浜田宏一著『日台IoT同盟─第四次産業革命は東アジアで爆発する
・李登輝著『熱誠憂国─日本人に伝えたいこと
・王育徳著『台湾─苦悶するその歴史』(英訳版)
・浅野和生編著『1895-1945 日本統治下の台湾
・片倉佳史著『古写真が語る 台湾 日本統治時代の50年
・王明理著『詩集・故郷のひまわり』
・李登輝著『新・台湾の主張
・李登輝著『李登輝より日本へ 贈る言葉
・宗像隆幸・趙天徳編訳『台湾独立建国運動の指導者 黄昭堂
・石川公弘著『二つの祖国を生きた台湾少年工
・林建良著『中国ガン─台湾人医師の処方箋』
・盧千恵著『フォルモサ便り』(日文・漢文併載)
・黄文雄著『哲人政治家 李登輝の原点
・李筱峰著・蕭錦文訳『二二八事件の真相』

●台湾・友愛グループ『友愛』お申し込みフォーム *第14号が入荷!
https://mailform.mface.jp/frms/ritoukijapan/hevw09gfk1vr

●映画DVDお申し込みフォーム
https://mailform.mface.jp/frms/ritoukijapan/0uhrwefal5za

・『KANO 1931海の向こうの甲子園
・『台湾アイデンティティー
・『台湾アイデンティティー』+『台湾人生』ツインパック
・『セデック・バレ』(豪華版)
・『セデック・バレ』(通常版)
・『海角七号 君想う、国境の南
・『台湾人生
・『跳舞時代』
・『父の初七日』

●講演会DVDお申し込みフォーム
https://mailform.mface.jp/frms/ritoukijapan/fmj997u85wa3

・片倉佳史先生講演録「今こそ考えたい、日本と台湾の絆」(2013年12月23日)
・渡部昇一先生講演録「集団的自衛権の確立と台湾」(2013年3月24日)
・野口健先生講演録「台湾からの再出発」(2010年12月23日)
・許世楷駐日代表ご夫妻送別会(2008年6月1日)
・2007年 李登輝前総統来日特集「奥の細道」探訪の旅(2007年5月30日〜6月10日)
・2004年 李登輝前総統来日特集(2004年12月27日〜2005年1月2日)
・許世楷先生講演録「台湾の現状と日台関係の展望」(2005年4月3日)
・盧千恵先生講演録「私と世界人権宣言─深い日本との関わり」(2004年12月23日)
・許世楷新駐日代表歓迎会(2004年7月18日)
・平成15年 日台共栄の夕べ(2003年11月30日)
・中嶋嶺雄先生講演録「台湾の将来と日本」(2003年6月1日)
・日本李登輝友の会設立総会(2002年12月15日)


◆日本李登輝友の会「入会のご案内」

・入会案内:http://www.ritouki.jp/index.php/guidance/
・入会申し込みフォーム:https://mailform.mface.jp/frms/ritoukijapan/4pew5sg3br46


◆メールマガジン日台共栄

日本の「生命線」台湾との交流活動や他では知りえない台湾情報を、日本李登輝友の会の活動情報
とともに配信する、日本李登輝友の会の公式メルマガ。

●発 行:
日本李登輝友の会(渡辺利夫会長)
〒113-0033 東京都文京区本郷2-36-9 西ビル2A
TEL:03-3868-2111 FAX:03-3868-2101
E-mail:info@ritouki.jp
ホームページ:http://www.ritouki.jp/
Facebook:http://goo.gl/qQUX1

●事務局:
午前10時〜午後6時(土・日・祝日は休み)

●振込先:

銀行口座
みずほ銀行 本郷支店 普通 2750564
日本李登輝友の会 事務局長 柚原正敬
(ニホンリトウキトモノカイ ジムキョクチョウ ユハラマサタカ)

郵便振替口座
加入者名:日本李登輝友の会(ニホンリトウキトモノカイ)
口座番号:0110−4−609117

郵便貯金口座
記号−番号:10180−95214171
加入者名:日本李登輝友の会(ニホンリトウキトモノカイ)

ゆうちょ銀行
加入者名:日本李登輝友の会 (ニホンリトウキトモノカイ)
店名:〇一八 店番:018 普通預金:9521417
*他の銀行やインターネットからのお振り込みもできます。



投稿日

カテゴリー:

投稿者: