李登輝元総統の靖國神社参拝  柚原 正敬(本会事務局長)

平成19(2007)年6月7日、来日中の李登輝元総統は曽文恵夫人を伴い、三浦朱門氏と夫
人の曽野綾子さんを同伴し靖國神社に参拝された。

 そのときの模様は本会編『李登輝訪日 日本国へのメッセージ』(まどか出版、2007年
刊)の第2章で、同行した柚原正敬・本会事務局長が詳細をつづっている。

 靖國神社の「みたま祭」に揮毫ぼんぼりを出し続けている李登輝元総統である。本日8月
15日は実兄の岩里武則命(台湾名:李登欽)を思い出しながら、あるいは台湾出身戦歿者
のこと思いながら過ごされているのではないだろうか。

 李元総統の来日への意欲は未だに衰えないと漏れ聞く。次回の来日の折にも、ぜひ靖國
神社に参拝いただけることを願って、2007年参拝の模様をご紹介したい。

【日本李登輝友の会編『李登輝訪日 日本国へのメッセージ─2007旅と講演の全記録』】
 http://www.madokabooks.com/isbn978-4-944235-37-7.html


■6月7日(木)

 9時半、李氏は夫人らを伴ってホテルのロビーに現れると、「靖国神社に参ります」と切
り出し、靖国神社に参拝する心境を切々と述べられた。居並ぶ報道陣からは寂として声も
ない。

《靖国神社に参ります。62年間も会ったことのない私の兄を靖国神社で合祀し、遺霊を守
ってくれ、私は感謝の意を表してきます。これは個人的な私の立場であって、政治的にも
歴史的にも(関連づけて)考えないでください。これは私の望みです。

 私と兄は、2人兄弟で非常に仲がよかった。その兄と62年前に(台湾南部の)高雄で別れ
て以来、私のうちには兄の遺髪もなければ、遺骨もないし、遺灰もありません。位牌は靖
国神社にのみ残されています。それを私が家族のひとりとして訪問するということは、私
は兄に対する尊敬の念を示すためにもやらなければなりません。

 わたしのおやじは10年前に亡くなるまで、兄が死んだことを信じておりませんでした。
兄が亡くなったときには、彼の魂が、彼の遺霊が、うちに現れたという事実は存在しま
す。亡くなったその瞬間に帰ってきているはずなんですけれども、おやじの関係でうちで
は何もしておりません。私が60年ぶりに靖国神社に参りまして、頭を下げて遺霊を祀って
くるということは、私たちとしては当然のことと思います。全く個人的な家庭の事情であ
ります。みなさんにはよろしくお願いしまして、政治的には何も、歴史的には何も考えて
くださらないようお願い申し上げます。ありがとうございました。》(6月8日付「産経新
聞」)

 参拝には、曽文恵夫人、孫娘の李坤儀さん、黄昭堂・台湾独立建国連盟主席、主治医ほ
か、同行を申し出た同じクリスチャンの作家の三浦朱門・曽野綾子ご夫妻もホテルから同
行した。

 靖国神社の境内は報道陣や歓迎の人波であふれ返り、上空には数機のヘリコプターが舞
い、騒然とした中にも緊張感漂う雰囲気に包まれていた。

 一行は予定通り10時に靖国神社の北門から到着殿に着き、南部利昭宮司の案内で貴賓室
に入られた。その直後、李氏と親しい衆議院議員の西村眞悟氏が貴賓室に入ってきた。

 李氏は南部宮司に「兄貴と僕は二人兄弟で仲がよかったんです」と語り始めたが、その
声はくぐもり、目には光るものがあった。記帳の後、同行者とともに本殿において玉串を
捧げる神式の作法で参拝された。

 参拝から貴賓室に戻ると、少し落ち着かれた様子の李氏は改めて南部宮司に「長い間お
世話になりました」と頭を垂れられたのだった。靖国神社から兄上の「祭神之記」が渡さ
れると、のぞき込むようにじっとご覧になっていた。

 10時40分、靖国神社を後にホテルへ向う。

 この李氏の靖国参拝に対し、中国政府は日本政府への不満を表明するだけで、参拝につ
いても口をつぐみ、李氏への批判もしなかった。AFP通信は、中国政府の対応を次のよ
うに伝えている。

《中国政府は7日、台湾の李登輝(Lee Teng-hui)前総統の来日について日本政府に対し
「強い不満」を表明する一方、同氏の靖国神社参拝については直接の言及を避けた。

 中国外務省の姜瑜(Jiang Yu)副報道局長は同日の定例記者会見で、「李前総統の日本
での行動から、同氏の懐古志向が見て取れる」と述べ、「前総統の来日を認めた日本側
に、再度、強い不満を表明する」と語った。一方で、同氏の靖国訪問についての質問には
答えず、訪日全般に関する言及にとどめた。》(6月7日「AFP通信」)


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