李登輝元総統の月刊「ウェッジ」インタビューを巡る台湾と中国の反応

本誌でいち早く紹介した月刊「WEDGE(ウェッジ)」2月号掲載の李登輝元総統インタビューを
巡って、安倍総理の靖国参拝を擁護したとして台湾や中国で反響があり、産経新聞は「中国でも報
じられ、中国版ツイッター『微博』は『売国奴だ』『民族の恥』などと罵倒する書き込みで“炎
上”」と伝えている。さもありなん、だ。

 ただ、下記に紹介する「サーチナ」のニュースでは、やはり靖国参拝擁護発言について、台湾の
中国国民党が批判していることを紹介しつつも、李氏が総統時代に忠烈祠を参拝していたことや、
台湾の国慶節について「戦前からの台湾住民およびその子孫は、『大陸で起こったこと。台湾には
関係ない』として冷淡な態度を示す場合がある」など、中国国民党の見解を牽制するような例を出
し、さらに、台湾李元総統が日本版「台湾関係法」の制定に言及していることに理解を示すニュア
ンスの記事を掲載している。


台湾・李登輝氏、安倍首相の靖国参拝は「当然」―国民党は批判
【サーチナ:2014年1月23日】

 台湾・国民党の楊偉中報道官は22日、元総統の李登輝氏が安倍首相の参拝について、「国家の指
導者が国家のために命を犠牲にした英霊を参拝するのは当然のこと」、「政治の問題ではなく魂の
問題」といった発言をしたことに対して、「東アジアと世界の世論の主流ではない」と述べ、中華
民国の戦死者を祭る忠烈祠に参拝することとは意味が全く異なると批判した。

 李元総統は、日本の雑誌「ウェッジ」のインタビューに応じて、安倍首相の靖国参拝を評価。
「中国や韓国の不合理な要求に屈せず、アジアにあって主体性をもつ外交を展開しようとしてい
る」といった主張を展開した。

 日台関係については「日本がまだ果たしていない課題は、日本版の台湾関係法を制定すること
だ」などの考えを示した。

 李元総統はこれまでにも、靖国神社問題について「中国大陸や韓国において、自国内の問題を処
理できないゆえに作り上げられた」、「おとぎ話」などの発言を繰り返している。また、李元総統
は兄の李登欽氏が日本海軍の軍人となり戦死していることから、兄の冥福を祈るためとして自らが
靖国神社に参拝したことがある。

 国民党の楊報道官は、「日本の高官(安倍首相)が去年(2013年)に靖国神社を参拝したこと
に、台湾当局は強い関心を持ち、中国大陸と韓国は非難、米国は失望した」、「日本国内でも相当
部分の民意は首相の靖国神社参拝に反対だ」と述べた。

 台湾には、辛亥革命をはじめとする中華民国建国の一連の動きや抗日戦争などの犠牲となった軍
人をまつる国民革命忠烈祠があるが、楊報道官は「忠烈祠はまさに、中華民国を守るために犠牲に
なった英霊を祭るためのもの、靖国神社はA級戦犯14人を初めとして、多くのB級、C級戦犯を
祭っている。これらの人物は、台湾を含め多くの国家と人民に対する侵略者であり、敬意の対象で
はない」と主張した。

 ただし、「台湾、大陸、日本の間には極めて複雑な怨憎の歴史がある」と述べ、国民党の馬英九
主席も一貫して「問題があれば議論する。恩と恨みは別に扱う」との立場だと説明。台湾南部でダ
ムなど水利施設を築き、農法を指導した八田与一氏を例として、「台湾に貢献した日本人であれ
ば、肯定して感謝すべきであるのは自然なこと。ただし、日本の侵略の歴史、侵略者、圧迫者のし
たことは忘れない」と述べた。

 なお、李登輝元総統は在任時に定期的に忠烈祠を参拝した。李元総統は、忠烈祠に祭られている
「英霊」について、「正直に言えば、台湾とは無関係の人ばかり。台湾のために血を流した人では
ありません」と指摘した上で、「われわれは人間として、広く人類愛に基づいた考え方で慰霊をす
るということが大切」との考えを示した。

 李登輝元総統が、忠烈祠に祭られている軍人が「台湾のために血を流した人ではない」との説明
は、台湾が1895年から45年まで、日本統治下にあったことにもとづく。辛亥革命が発生したのは
1911年なので、当時の台湾人にとっては「別の国のできごと」ということになる。

 台湾では辛亥革命の発端となった武装蜂起の「武昌起義」が興った1911年10月10日を記念して、
10月10日を中華記念日国慶日(建国記念日、通称は双十節」としている。しかし、戦前からの台湾
住民およびその子孫は、「大陸で起こったこと。台湾には関係ない」として冷淡な態度を示す場合
がある。

 李元総統が日台関係に関連して触れた「台湾関係法」は米国の法律で、台湾と断交し中国と国交
を樹立した1979年に制定された。

 同法は「台湾(中華民国)を諸外国の国家または政府と同様に扱う。ただし、米国における台湾
(中華民国)外交官への外交官特権は認められない場合がある」、「米国は台湾(中華民国)国民
の安全、社会や経済の制度を脅かすいかなる武力行使または他の強制的な方式にも対抗しうる防衛
力を維持し、適切な行動を取らなければならない」など、中国が政治的、軍事的に台湾に攻勢をか
けることに対抗する“防波堤”の役目を果たしている。

 日本は1972年に中華民国(台湾)と断交し、中国と国交を樹立したが、米国の台湾関係法に相当
する法律は制定されなかった。                   (編集担当:如月隼人)


【日本李登輝友の会:取り扱い本・DVDなど】 内容紹介 ⇒ http://www.ritouki.jp/

●書籍お申し込みフォーム
https://mailform.mface.jp/frms/ritoukijapan/uzypfmwvv2px 【PC用】
https://mailform.mface.jp/m/frms/ritoukijapan/uzypfmwvv2px【携帯用】

・宗像隆幸・趙天徳編訳『台湾独立建国運動の指導者 黄昭堂』(会員:1,300円 一般:1,500円)
・小林正成著『台湾よ、ありがとう(多謝!台湾)』(会員:1,600円 一般:1,750円)
・喜早天海編著『日台の架け橋』(会員:1,100円 一般:1,260円)
・李登輝元総統対談掲載の『月刊「MOKU」9月号』(会員:1,500円 一般:1,700円)
・荘進源著『台湾の環境行政を切り開いた元日本人』(会員:1,500円 一般:1,700円)
・石川公弘著『二つの祖国を生きた台湾少年工』(会員:1,400円 一般:1,500円)
・林建良著『中国ガン─台湾人医師の処方箋』(会員:1,300円 一般:1,400円)
・盧千恵著『フォルモサ便り』』[日文・漢文併載](会員:1,200円 一般:1,500円)
・廖継思著『いつも一年生』(会員:1,000円 一般:1,200円)
・黄文雄著『哲人政治家 李登輝の原点』(会員:850円 一般:900円)
・井尻秀憲著『李登輝の実践哲学−50時間の対話』(会員:1冊=2,000円 一般:2,500円)
・蕭錦文著『二二八事件の真相』(会員=1,000円 一般=1,300円)
・李登輝・中嶋嶺雄『The Wisdom of Asia(『アジアの知略』英語版)』(会員:2,200円 一般:2,400円)

● 台湾・友愛グループ『友愛』お申し込みフォーム
https://mailform.mface.jp/frms/ritoukijapan/hevw09gfk1vr 【PC用】
https://mailform.mface.jp/m/frms/ritoukijapan/hevw09gfk1vr【携帯用】

●映画DVDお申し込みフォーム
https://mailform.mface.jp/frms/ritoukijapan/0uhrwefal5za 【PC用】
https://mailform.mface.jp/m/frms/ritoukijapan/0uhrwefal5za【携帯用】

・『セデック・バレ(豪華版)』(会員:6,500円 一般:7,000円 送料:1枚290円)
・『セデック・バレ(通常版)』(会員:4,700円 一般:5,200円 送料:1枚160円)
・『海角七号 君想う、国境の南』(会員:4,000円 一般:4,500円 送料:1枚160円)
・『台湾人生』(会員:3,150円 一般:3,360円 送料:1枚160円 5枚セット:無料)
・『跳舞時代』(会員:3,500円 一般:3,980円 送料:1枚160円)
・『父の初七日』(会員:3,100円 一般:3,300円 送料:1枚160円)

● 映画「台湾アイデンティティー」全国共通「前売券」お申し込みフォーム
https://mailform.mface.jp/frms/ritoukijapan/u1nyi0fpku01 【PC用】
https://mailform.mface.jp/m/frms/ritoukijapan/u1nyi0fpku01【携帯用】

●講演会DVDお申し込みフォーム
https://mailform.mface.jp/frms/ritoukijapan/fmj997u85wa3 【PC用】
https://mailform.mface.jp/m/frms/ritoukijapan/fmj997u85wa3【携帯用】

・「集団的自衛権の確立と台湾」渡部昇一先生講演録(2013年3月24日)
・日本李登輝友の会設立総会(2002年12月15日)
・「台湾の将来と日本」中嶋嶺雄先生講演(2003年6月1日)
・平成15年 日台共栄の夕べ(2003年11月30日)
・許世楷新駐日代表歓迎会(2004年7月18日)
・「私と世界人権宣言─深い日本との関わり」盧千恵先生講演(2004年12月23日)
・「台湾の現状と日台関係の展望」許世楷先生講演(2005年4月3日)
・2004年 李登輝前総統来日特集(2004年12月27日〜2005年1月2日)
・2007年 李登輝前総統来日特集「奥の細道」探訪の旅(2007年5月30日〜6月10日)
・許世楷駐日代表ご夫妻送別会(2008年6月1日)
・「二二八記念台湾問題講演会」阮美妹先生・西村眞悟先生講演(2009年2月28日)
・「台湾からの再出発」野口健先生講演(2010年12月23日)

●美味しい台湾産食品お申し込みフォーム
https://mailform.mface.jp/frms/ritoukijapan/nbd1foecagex 【PC用】
https://mailform.mface.jp/m/frms/ritoukijapan/nbd1foecagex【携帯用】

・『台湾産うなぎセット』5,250円(税・送料込)
・『台湾飲茶6袋セット』4,200円(税・送料込)
・『台湾産天然カラスミセット』4,200円+送料600円(共に税込)
*同一先へお届けの場合、10枚まで600円
・『パイナップルケーキ』2,300円+送料500円(共に税込)
*同一先へお届けの場合、10箱まで500円

●「台湾フルーツビール・台湾ビール(金牌・瓶)」ご案内
http://www.ritouki.jp/news/distribution/2013-taiwanbeer.htm


◆日本李登輝友の会「入会のご案内」

入会案内 http://www.ritouki.jp/guidance.html

入会お申し込み【PC用】https://mailform.mface.jp/frms/ritoukijapan/4pew5sg3br46
入会お申し込み【携帯用】https://mailform.mface.jp/m/frms/ritoukijapan/4pew5sg3br46


◆メールマガジン日台共栄

日本の「生命線」台湾との交流活動や他では知りえない台湾情報を、日本李登輝友の会の活動情報
とともに配信する、日本李登輝友の会の公式メルマガ。

●発 行:
日本李登輝友の会(小田村四郎会長)
〒113-0033 東京都文京区本郷2-36-9 西ビル2A
TEL:03-3868-2111 FAX:03-3868-2101
E-mail:info@ritouki.jp
ホームページ:http://www.ritouki.jp/
Facebook:http://goo.gl/qQUX1

●事務局:
午前10時〜午後6時(土・日・祝日は休み)

●振込先:

銀行口座
みずほ銀行 本郷支店 普通 2750564
日本李登輝友の会 事務局長 柚原正敬
(ニホンリトウキトモノカイ ジムキョクチョウ ユハラマサタカ)

郵便振替口座
加入者名:日本李登輝友の会(ニホンリトウキトモノカイ)
口座番号:0110−4−609117

郵便貯金口座
記号−番号:10180−95214171
加入者名:日本李登輝友の会(ニホンリトウキトモノカイ)

ゆうちょ銀行
加入者名:日本李登輝友の会 (ニホンリトウキトモノカイ)
店名:〇一八 店番:018 普通預金:9521417
*他の銀行やインターネットからのお振り込みもできます。



投稿日

カテゴリー:

投稿者: