日本李登輝友の会がNHKに「公開討論会の開催と登壇の要請」

本日、日本李登輝友の会の小田村四郎会長は石井公一郎(元ブリジストン自転車会長)、
岡崎久彦(岡崎研究所理事長)、加瀬英明(外交評論家)、中西輝政(京都大学大学院
教授)、田久保忠衛(外交評論家)の5人の全副会長との連名で、NHKの福地茂雄会長
に「公開討論会の開催と登壇の要請」を行った。

 これは、要請書で書いているように、4月14日付で届いた「ジャパンプロジェクト」エ
グゼクティブ・プロデューサーの河野伸洋氏による「回答」に対して再抗議しても、恐ら
く同様の弁解的な内容となるとの判断に基づき、当該番組を検証する公開討論会の開催を
要請したものだ。この公開討論会はNHKと本会の共催とし、NHKを代表して福地茂雄
会長、番組担当者として河野伸洋氏と濱崎憲一氏に登壇を要請している。回答期限は4月
30日としている。

 果たしてNHKは公開討論会に応ずるのか。番組を検証するための公開討論会だ。それ
が多くの批判に答えることにもなる。NHKにはぜひ応じて欲しいものである。(編集部)


公開討論会の開催と登壇の要請

 貴日本放送協会(以下、NHK)が去る四月五日に放送した「NHKスペシャル シリ
ーズ JAPANデビュー 第一回 アジアの!)一等国!)」に対し、本会は四月十日、福
地茂雄会長宛に「日本が一方的に台湾人を弾圧したとするような史観で番組を制作するこ
とは、公共放送として許されるべきではない」として、番組の脚本を作成する上で参考に
した書籍など全資料の開示を要望する抗議声明を手交し、その際、濱崎憲一ディレクター
との面談も要望した。

 これに対して、四月十四日付で、福地会長に代わって当該番組責任者の河野伸洋エグゼ
クティブ・プロデューサーより回答があった。約束を違えず早々に回答をいただいたのは
よしとするも、回答は私どもの期待していたものと大きくかけ離れ、自己弁護に汲々とし
た不誠実な内容であった。要望にも応えていない。

 回答では番組の趣旨をいろいろ説明しているが、放送を見た結論として、反日的と思わ
れる発言だけを取り上げた印象は拭えないが故に抗議声明を出したのであり、あのような
内容では「歴史の事実を共有すること」は到底望めないのは自明の理である。

 現に、取材を受けた台湾の柯徳三氏は「(NHKには)八田與一のことや、後藤新平の
ことなどもいろいろ話したのに、そこを全部カットした。同窓会の改まった席で誰かが火
ぶたを切って不満を話した部分だけが放映され、あたかもあそこにいた人全員が反日的で
あるかのように宣伝された。……なぜNHKは私が話したプラスの面を一つも流さなかっ
たのか」と、自著を出版した版元ホームページにわざわざコメントを寄せている。これは
抗議声明の「台湾人の証言を都合よく操作し、『反日台湾』を印象付けるためだったのか
としか思えない」という記述を裏付けるコメントだ。

 また、回答には視聴者から当該番組を支持する声が多数寄せられたというが、本会には
多くの批判的感想が寄せられ、支持する声は一つとしてない。「週刊新潮」(四月十六日
発売)も台湾をよく知る有識者のコメントを多数掲載し、この番組がいかに事実を歪曲し
た「超偏向番組」であったか特集を組んだ。他の有識者からも「こんなNHKに受信料を
払う理由がどこにあるのか」といった批判の声が澎湃として起こっているが、政界にもす
でにその偏向ぶりを問題視する動きが出ている。

 ところで、私どもが再び抗議声明を呈したとて、恐らく「回答」は前回と同様の内容と
なるのは容易に想像がつく。そこで、ここに当該番組を検証する公開討論会の開催を要請
する。この公開討論会はNHKと本会の共催とし、NHKを代表して福地茂雄会長、番組
担当者として河野伸洋氏と濱崎憲一氏に登壇を要請する。この要請に対する回答期限は四
月三十日までとする。

 平成二十一年四月二十四日

                            日本李登輝友の会
                               会 長 小田村四郎
                               副会長 石井公一郎
                                   岡崎 久彦
                                   加瀬 英明
                                   田久保忠衛
                                   中西 輝政
日本放送協会
  会長 福地茂雄殿



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