“恭喜發財”―台湾人はお金が大好き?  李 敏恵(弁護士)

台湾はいま春節(旧正月)の真っただ中。2月5日から官庁なども仕事を始めていますが、15日の
元宵節(小正月)までお正月気分が続く。

 台北市内で弁護士事務所を開いているという李敏恵さんが、台湾のお正月ではもっとも一般的な
お祝いの言葉「恭喜發財」をめぐり、フランス人や日本人との比較を交えた興味深いエッセイを書
いています。

 これを読んで、昨年の「日台共栄の夕べ」で片倉佳史氏が日本人はわび・さびやもののあわれ、
絆など抽象的概念を共有するのが特徴で、台湾の人々もそれを理解できると指摘されていたことを
思い出しました。それが日本と台湾の独特の関係の一つだそうです。

 台湾の人々は皆が皆、お金が大好きで現世利益ばかり追いかけているとみるのはどうも表層的な
見方のように思えてきます。そうでないと、台湾の独立建国という「大義」に殉じ、また生涯をか
ける人々が出てきていることを理解できなくなります。「恭喜發財」は、戦後、中国人が持ち込ん
だ風潮ではないでしょうか。


“恭喜發財”―台湾人はお金が大好き?
【Record China:2014年2月6日】

 この時期、台湾の街で、よく聞かれるのは、“たくさんお金がもらえるように”と近い意味の
“恭喜發財(きょうきはつざい)”というお祝いの言葉です。西洋人や日本人の節句の言葉の中に
は、あまりこんなものはありませんね。

 お金がそんなに好きじゃない人間はいないでしょ、と考えていた私。ずっと小さい時から教育マ
マにちゃんと勉強しなさいと言われて、それは何のためか、よく分かっていました。成績が良けれ
ば、いい学校に入れて、社会的にレベルの高い役職にも就け、他の人より多くのお金がもらえま
す。なので、世界中、どこの人もお金については、同じ観念をもっているだろうと思っていました。

 ただ、社会人になって10年経ったある日、4カ月間勉強していたフランス語教室のフランス人女
性の先生は、学生の皆に今一番ほしいのはどんなものかと質問しました。一番目の学生がすぐにお
金だと言ったところ、先生は嫌な顔をしました。先生はちょっと怒ったようで、「またお金です
か。お金以外のものを言ってください」と指摘しました。私も同じ答えを用意していたので、先生
の不快な反応を見て驚き、急いで別の答えを探しましたが、見つかりませんでした。そのときに初
めて、誰もが一番にお金が好きなわけではないということを知りました。

 以前、社員旅行で日本に行きました。夕方ごろ、妹とお土産を売っている小さな店に入ろうとし
ましたが、日本人のお爺さんのオーナーは、両腕を十字にして、“Close,Close”と何回も私と妹
に言いました。この世に、お客さんのお金をもらいたくないオーナーがいるのか、と私と妹は信じ
られなかったです。

 確か、日本人が書いた本の中に、こういうメッセージがありました。どの地域のドラマも必ず、
地元の一番重視されているものを語ります。著者は、台湾のドラマは財産や遺産を奪うこととか、
それを争うことなどが語られているとその本に書いてありました。このコメントを読んだあと、好
奇心のために、日本のドラマと台湾のドラマのテーマを観察して、比べ始めました。すると、日本
のドラマがよく写していたのは、日本人の負けたくないという誇りと自らを励ます姿ですが、台湾
のドラマでは確かに財産や遺産を巡っているシーンが必ず重要部分として含まれています。

 神様へのお祈りも違います。キリスト教の教会へ行ったことがありますが、教会でのお祈りの時
に“たくさんお金がほしい”といったお願いは絶対言いません。しかし地元の台湾のお寺へ行け
ば、“たくさんお金がもらえるように”との願いを、決して忘れずにしますね。

 最近また日本語教室の授業をしている先生に、台湾人はお金が好きだと言われました。驚きまし
た。台湾人の私たちは、どうしてこんなにお金を重視しているのでしょうか。あるいは、どうして
私たちはこんなにお金好きのように見えるのでしょうか。お金が好きと言われたら、あまりいい印
象ではないので、ちょっと気になりますね。

 年を重ねるにつれて、お金は人生にとって不可欠なものですが、一番に重要なものではないと分
かってきましたが、やはり旧正月のとき、台湾人が一番聞きたいのは相変わらず“恭喜發財”とい
うお祝いです。このようにお祝いをされると、お金持ちになれるような気がします。特に現在、不
況で落ち込んでいる台湾人にとって、“たくさんお金がもらえるように”といった願いを神様が許
してくれれば、台湾人の皆は、ありがたく感じますね。

■筆者プロフィール:李敏恵
1964年生まれ、台湾台北市の出身。台湾大学法律学科を卒業後、アメリカへ留学。現在は、台湾で
個人の総合法律事務所を構え、弁護士をしている。民法、商法、刑法案件など全般的に扱うが、個
人的に一番興味があるのは、刑事弁護。


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