台籍老兵・許昭栄さん追悼式に陳菊・高雄市長が出席

【6月9日 台湾週報】

 許昭栄・元台籍老兵協会理事長の追悼式が6月7日、高雄県鳳山の教会で行われ、陳菊
・高雄市長、蔡英文・民進党主席らが参列した。

 故・許昭栄氏は、日本統治時代の第二次世界大戦時に日本兵として従軍し、戦後は中
国国民政府軍(国府軍)に徴集され、中国大陸で国共内戦を戦った経験を持ち、台籍老
兵(元台湾出身兵)の権利確保と、両戦争の過程で亡くなった台湾人戦没者を慰霊する
ために1994年に「全国元国府軍台籍老兵及び遺族協会」(台籍老兵協会)を創設し、理
事長を務めていた。

 同協会は2005年11月に高雄市旗津(きしん)風車公園に「台湾無名戦士記念碑」を建
て、行政院文化建設委員会および高雄市政府によって「戦争と平和記念公園」として整
備された。しかし、2008年に高雄市議会が公園の名称を「平和記念公園」(和平紀念公
園)と改名することを決議し、さらに「台湾無名戦士記念碑」を撤去する計画が浮上し
たことから、これに抗議した許昭栄氏が5月20日に記念碑の前で焼身自殺を遂げた。

 陳市長は「私も台籍老兵の後代であり、長きにわたって台湾の民主のための曲がりく
ねった道を歩いてきたので、より許昭栄氏の理想と苦労が理解できる。許昭栄氏の遺書
を見て、私は悲しくて何を言えばよいのかわからなかった」と声をつまらせながら語っ
た。

 陳市長は、「許昭栄氏は、太平洋戦争と国共内戦で日本と国民政府の軍隊に命を捧げ、
後には台湾独立の理念を支持したことから2度にわたって入獄させられた。戒厳令解除
前に、出国して商売をしていたとき、政治犯として捕らえられた施明徳氏(元民進党主
席)の救援活動を海外で行ったことから(中華民国の)パスポートを取消され、(カナ
ダへ)政治難民として流浪した。許昭栄氏は、中国へ赴いて台籍老兵の遺骨を捜し求め、
台籍老兵の権利のために奔走し、『全国元国府軍台籍老兵及び遺族協会』を設立後、台
籍老兵および遺族の補償問題、記念碑の建立、名誉回復等に積極的に取り組んだ」と許
昭栄氏を振り返った。

 「戦争と平和記念公園」の整備について、陳市長は「昨年、民進党中央常務委員会で
台籍老兵の記念碑建立と名誉回復を支持する決議案が通過し、張俊雄・行政院長の支持
の下、高雄市は旗津の『戦争と平和記念公園』の景観工事の補助を内政部から取り付け
た」と述べた。

 そのうえで陳市長は、「高雄市政府は同公園の整備に尽力しているが、足りない部分
もあった。私には公園を完成させる責任がある。公園の名称について異なる意見もある
が、意思疎通と協力を求めていく。また、同時に、台籍老兵および政治受難者のインタ
ビューや実地調査を進めることで、許昭栄氏のライフワークが、最も印象的な足跡とし
て残ることになるだろう」と語り、許昭栄氏の冥福を祈った。


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