台湾電力の父「松木幹一郎」  喜早天海(日本と台湾の懸け橋になる会世話人)

【メルマガ「遥かなり台湾」:2013年1月28日】

 風光明媚な日月潭(じつげつたん)は観光地として有名ですが、この湖畔に日本統治時
代に台湾に寄与した日本人の胸像が2つも立てられています。この2つとも実は奇実実業の
許文龍会長が寄贈されているのです。

 その1つは(2006年11月1日、紅茶試験場で紹介したことのある)新井耕吉郎(あらい・
こうきちろう)で、もう1つは「台湾電力の父」と称されている松木幹一郎(まつき・かん
いちろう)です。

 「その松木幹一郎って誰? 聞いたことがない」という人にためにネットで(ウイキペ
ディア)で検索すると下記のように紹介されています。

≪松木 幹一郎(まつき かんいちろう、1872年3月10日(明治5年2月2日)─ 1939年(昭和
14年)6月14日)は、愛媛県に生まれ、明治から昭和初期にかけて活動した技術者、実業
家。後藤新平の信頼が篤く、東京帝国大学卒業後逓信省、鉄道庁に勤めた後、台湾電力社
長、帝都復興院副総裁などを務めた。

略歴
1872(明治5) 愛媛県周桑郡楠河村大字河原津で出生(現:愛媛県西条市河原津)
1887(明治29) 東京帝国大学法科大学法学科卒業,逓信省通信局勤務,文官高等試験及第
1899(明治32) 通信局郵務課長
1907(明治40) 鉄道運輸部庶務課長
1910(明治43) 鉄道院理事
1911(明治44) 東京市電気局初代局長
1914(大正2) 東京市参与
1917(大正5) 山下汽船総理事
1924(大正12) 財団法人東京市政調査会初代専務理事,帝都復興院副総裁
1929(昭和4) 台湾電力社長(1934 日月潭竣工)
1930(昭和5) 台湾総督府評議会員
1935(昭和10) 日本アルミニウム取締役
1939(昭和14) 社団法人台湾工業協会理事長,逝去(東京)

(以上,松木悠紀雄の調査に基づく)

 台湾で初めて発電工事を行った様子は、次のネットをご覧になっても分かるように大変
な難工事だったようです。

◆日月潭公式ブログ(ダムの建設)
http://www.sunmoonlake.gov.tw/Japanese/AboutSMLJpa/HistoricalJpa/Historical03Jpa.htm

◆鹿島の軌跡
 http://www.kajima.co.jp/gallery/kiseki/kiseki08/index-j.html

 1999年9月21日に台湾で発生した大地震でも、日月潭にある発電所はびくともせず、被害
がなく「日本時代に建てられたものはすごい!」と称賛を浴びたそうです。

 松木社長の逝去後に会社側では社長の功績を偲び胸像が立てられました。その碑文には
下記のように記されていました。

◆碑文(原文は旧漢字使用)

≪台湾電力株式会社長従四位勲二等松木幹一郎氏ハ明治五年愛媛県ニ生レ二十九年東京帝
国大学ヲ卒業シ、逓信省、鉄道院、東京市電気局長、山下汽船会社副社長帝都復興院副総
裁等ヲ歴テ昭和四年十二月台湾電力株式会社長ニ就任シ、爾来会社ノ重大使命タル日月潭
発電工事ノ完成並ニ会社ノ経営発展ニ努メコノ間毎ニ国策ニ順応シテ本島文化ノ開発ニ寄
与セラレタル功積亦実ニ偉大ナルモノアリ不幸ニ竪ニ罹リ昭和十四年六月十四日長逝セラ
ル社中ノ有志等相図リ胸像ヲ建テ永ク遺徳ヲ景仰ス
                           昭和十五年十月≫

 このようにして建てられた胸像も、戦争末期に物資不足から徴収され、台座だけが残さ
れたままだったのですが、今から3年前の平成22年(2010)3月、実に60余年ぶりに銅像が
復活したのです。その時の様子を東京中日新聞社が「台湾電力の父 故松木氏60余年ぶり
銅像」と題し、下記のように報道されておりました。

≪日本統治時代の台湾で発電事業に貢献した台湾電力社長松木幹一郎氏(1872〜1939)の
業績をたたえようと、戦時中徴用されたとみられる松木氏の銅像が多くの台湾人の協力に
よって60余年ぶりに復活し、8日、松木氏ゆかりの台湾中部、日月潭湖畔で披露された。

 松木氏は愛媛県出身。29年に台湾電力の社長に就任後、30年代には当時はアジア最大の
発電量となる水力発電所を日月潭に完成させた。「この発電所がなければ今の台湾はな
い」と語り継がれ、松木氏は「台湾電力の父」と言われる。

 同社の技師で、社史も執筆した林炳炎さん(66)によると、松木氏の死後の翌1940年、
会社が銅像をつくったが、物資不足の大戦末期に徴用され、大理石の台座だけが残された
ままだった。

 林さんは昨年退職したのを機に、銅像を復活させて歴史を伝承しようと思いたち、若手
の芸術家に依頼した。資金面では著名な実業家、許文龍さん(82)が支えた。日月譚は台
湾屈指の観光地で、地元ホテルのオーナーはPRに務めた、銅像を除幕した林さんら「松
木氏は歴代社長中でも台湾発展の貢献が大きい。台湾と日本の密接な感情がより強まる」
と復活を祝った。≫

◆参考
 北投埔林炳炎(松木幹一郎台湾電力社長重塑胸像除幕式)
 http://pylin.kaishao.idv.tw/?p=2429


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