台湾・馬政権 窓口機関トップ・江氏が表明 対中“EPA”締結目指す

【8月27日 フジサンケイ ビジネスアイ】

■貿易関係正常化で突破口 日米とFTA交渉へ

 台湾の対中窓口機関、海峡交流基金会の江丙坤董事長(理事長)は26日、都内のホテ
ルでフジサンケイビジネスアイなど一部日本人記者と会い、馬英九政権の対中戦略とし
て、「日本が進める経済連携協定(EPA)と同等の『包括的経済協力協定(CECA)』
を中国と締結し、貿易経済関係の正常化を図る」との方針を明らかにした。台湾にとっ
て壁となっていた対中関係の改善で、日米との自由貿易協定(FTA)交渉も再開する
など、国際的な経済交流の枠組みに深く関与する道を開く考えだ。(河崎真澄)

 馬政権を支える与党、中国国民党の副主席も兼務する江氏は、同党の4人の立法委員
(国会議員)とともに来日。29日までの間に自民党や民主党など政党と日本経団連など
財界に、新たな対中政策を説明する。さらに伊藤忠商事、東芝、大和証券、三菱グルー
プを訪問。日台間の連携についても話し合う。

 江氏は「日本と台湾と米国を結ぶ貿易の三角構造は今後、中国を含む四角構造に変わ
る」とも話し、中台関係の正常化が日米にもメリットをもたらすとの視点を強調した。

■「両岸路線」へ

 馬政権は5月の発足後すぐに、10年間途絶えていた対中対話を北京で再開。中台直行
チャーター便を毎週末に拡大するなどの解禁策を6月に調印した。さらに今秋にも中国
の対台湾窓口機関、海峡両岸関係協会のトップ、陳雲林氏を台北に招き(1)直行チャ
ーター便の平日定期便化(2)中台双方の対象空港の拡大(3)海運の直行解禁などを協
議する。

 江氏に同行している林郁方立法委員によると、航空直行便は現行の「香港航空管制区
域経由」にこだわらず、国際線でも国内線でもない「両岸路線」との名称で中台間を最
短距離で結ぶ協議を行う方針という。江氏は「台湾と上海が直行便で1時間半で結ばれ
れば台湾経済の国際競争力はむしろ高まる」と話し、台湾が香港と並ぶ国際的な対中ビ
ジネスの拠点として優位になるとの考えも述べた。

 その上で来年の交渉議題として(1)銀行の相互進出など金融(2)知的所有権や工業
製品の標準規格(3)投資保護協定や二重課税−など中台の産業間交流で課題となって
いる問題を協議。通常の2国間関係に近い貿易経済交流の枠組みをめざす。また双方が
代表機関を相互に設置し、「ビザ(査証)発行業務を行うことも話し合う」ことにし
ている。

■民主政治が資産

 中国とのCECA締結構想について江氏は、「台湾が日米などとFTA交渉する際の
障害を取り除く」役目があるとして、域内FTA交渉で東南アジア諸国連合(ASEA
N)と日中などに取り残される懸念のある台湾が、対中関係の改善を“突破口”にする
考えを明らかにした。これにより世界保健機関(WHO)オブザーバー参加など、台湾
の国際機関への加盟でも中国側の同意を得る考え。馬政権では中国との「共同市場構想」
も掲げている。

 江氏は、こうした馬政権の対中接近が進めば、「台湾の最大の資産である『民主政治』
が良いと中国人が認識する」と述べ、経済貿易関係の正常化によって中国の民主化を促
す可能性があるとの見方を示した。このほかにも「日米との友好関係を堅持し日米安保
条約を支持する」と述べた。


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