台湾は春節明けから政治の激動期 [産経新聞論説副委員長 矢島誠司]

昨日の本誌で、産経新聞の矢島誠司・論説副委員長による「壱週刊」の李登輝前総統発
言をめぐる「李登輝氏 発言の真意は」と題する論考をご紹介したが、矢島氏が昨日の産経
新聞にも台湾の動向を知るに格好の記事を書かれていたのでご紹介したい。

 矢島氏は「春節明けから、政治の激動期が始まりそうだ」と指摘されている。台湾の動
向が少なからず日本の動向を決する。今年の台湾からは目が離せない。矢島氏の一文は「
風を読む」欄に掲載されたものですが、タイトルは編集部で付しています。  (編集部)


風を読む 論説副委員長 矢島誠司
【2月19日付 産経新聞】

 中国、台湾などの東アジアでは、昨18日が「春節」(旧正月)で、ほぼ今週いっぱい、
春節休みが続く。

 中国語が使われる地域では、いまごろ「新年快楽」(新年おめでとう)の挨拶があちこ
ちで交わされていることだろう。

 春節明けの仕事始めは、多くは来週月曜日。つまり、中国や台湾では、世の中が気分を
一新して動き出すのは来週からとなる。言い換えれば、来週あたりからが面白く(?)なりそ
うだ。

 春節前までに首尾よく6カ国協議を終え、李肇星外相の訪日も済ませた中国の外交当局
は、来週から再び、日本との外交問題に本格的にとりかかる。

 4月の温家宝首相の訪日に向け、日中間の係争諸懸案をどう処理するか、昨年10月の安
倍晋三首相の訪中の際、日中双方が合意した「戦略的互恵関係」をどう具体化していくか、
北朝鮮問題にどう取り組んでいくか−など山積する問題が控えている。

 日中関係が水面下で動き出す時期で、報道メディアとしては注意が怠れない季節となる。

 台湾の方も春節明けから、政治の激動期が始まりそうだ。

 台湾は年末に、立法院(議会)選挙を控え、各党とも候補者選びが始まる。また、来年
3月には天下分け目の総統選挙が迫る。それへ向けた候補者選びも夏までには決めなくて
はならない。

 年末の議会選挙は、定数が現在の225から113に半減するため、各党とも候補者絞り込み
に難航必至だ。党分裂、政界流動化の予感さえ漂う。

 そこへ李登輝前総統が政界再編の仕掛けの行動を開始、中国国民党の馬英九主席(総統
選の有力候補)が起訴され、党主席を辞任するという大波乱だ。こちらも春節明けが要注
意である。


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