北朝鮮との輸出入を全面禁止した台湾が日本との情報共有システム構築を提案

台湾は、北朝鮮による弾道ミサイルの発射や核実験について「地域の平和と安定を破壊するものだ」と厳しく非難し、6月の石炭、8月の海産物などの輸入停止に続き、9月19日からは石油製品などの輸出を停止した。さらに9月22日には、北朝鮮との貿易を輸出入とも全面禁止すると発表した。

 台湾の加盟を拒否しつづける国連だが、台湾は国連安保理の制裁決議に合わせて輸出入の全面禁止措置を講ずるというもっとも厳しい制裁を進めている。

 このような台湾の強い決意表明に促されるように、日本台湾交流協会の大橋光夫会長は昨日(9月27日)、総統府において蔡英文・総統と陳建仁・副総統とそれぞれ会談した。

 陳副総統は、対北朝鮮貿易の全面禁止に踏み切った台湾の対応について説明するとともに「台湾と日本が情報を共有するシステムを構築」することで日台関係を強化したいと提案したという。中央通信社が伝えているので下記にご紹介したい。

 陳副総統の提案はとても重要な提案だ。実は、本会が2013年3月に発表した政策提言「我が国の外交・安全保障政策推進のため『日台関係基本法』を早急に制定せよ」は、まさに陳副総統が提案した日台の情報共有が核心をなす。

 本会がなぜこの日台関係基本法の制定を提言したのかと言えば、政策提言で記しているように、下記の理由による。

<日本は米国のような「台湾関係法」を制定していないため、日台関係は一切の法的裏付けがないという不安定の中で辛うじて「実務関係」を維持している状態であり、当然のことながら日台両国の交流に安全保障分野は含まれていない。

 このような状態は実質上の外交放棄であって、国家として無責任との謗りは免れないが、その原因は台湾との交流を規定する基本となるべき法律がないことに帰結する。>

 外務省と経産省の認可する公益財団法人という民間団体の日本台湾交流協会が、安全保障分野に関わる北朝鮮の弾道ミサイル発射や核実験について的確な判断はできない。なぜなら、東京・六本木の日本台湾交流協会には安全保障の専門家は一人もおらず、台湾の日本台湾交流協会台北事務所に防衛駐在官に相当する防衛担当主任がたった1人いるだけだからだ。しかし現在の防衛担当主任は陸自出身なので、海や空は専門外のことだ。

 それゆえ、安全保障を含む、日本と台湾との政治、経済、通商、産業、観光、学術、教育、文化、スポーツ、医療、福祉、防災、地方自治その他の広範な分野における情報交換システムの早急な構築が必要なのだ。

 また、日本にとって台湾の戦略的重要性はいまさら説くまでもないことで、日本のシーレーンと南シナ海を扼する要衝に位置する台湾の戦略的価値は、我が国の命運を左右する「生命線」と言っても過言ではない。その台湾に防衛担当主任が1人とは、あまりにも情けない実態ではないか。

 駐台大使館に相当する米国在台湾協会(AIT)台北事務所には、制服こそ着用していないが現役の軍人である防衛駐在官が陸・海・空から2人ずつ派遣されているという。その建物の警備は、在外公館とおなじ海兵隊が担当している。日本は米国並みといかないまでも、せめて陸・海・空の防衛担当主任を最低1人ずつ置いておきたい所以でもある。

 なお、2013年3月発表の政策提言「我が国の外交・安全保障政策推進のため『日台関係基本法』を早急に制定せよ」は、大橋光夫会長にもお送りしていることを付言しておきたい。

—————————————————————————————–陳建仁副総統、北朝鮮情勢を念頭に「日台の情報共有制度構築を」【中央通信社:2017年9月27日】http://japan.cna.com.tw/news/asoc/201709270010.aspx

 (台北 27日 中央社)日本の対台湾窓口機関、日本台湾交流協会の大橋光夫会長は27日、総統府を訪問し、蔡英文総統、陳建仁副総統とそれぞれ会談した。陳副総統は、緊迫する北朝鮮情勢を念頭に置き、台湾と日本が情報を共有するシステムを構築し、協力関係をさらに強化できればと期待を示した。

 陳副総統は、台湾と日本はいずれもアジア太平洋地域の民主主義国家として、地域の平和と安定を確保するべきだと言及。最近、北朝鮮によるミサイル発射や核実験を受けて東アジア地域の緊張が高まっていることを指摘し、制裁で国際社会と歩調を合わせ、対北朝鮮貿易の全面禁止に踏み切った台湾の対応についても説明した。

 日台間の情報共有制度については、国民の命や地域の安定・平和的発展を維持することにつながるとして、協力体制の構築に期待を表明した。

 一方、蔡総統は、両国のより緊密なパートナーシップ確立を目指すとして、台湾の環太平洋経済連携協定(TPP)を含む地域的経済統合への参加や、日本との経済連携協定(EPA)締結などへの意欲を見せた。

                               (葉素萍/編集:塚越西穂)


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