初挑戦の失敗を糧に(蔡英文と台湾17)  鵜飼 啓(朝日新聞台北支局長)

*朝日新聞に5月29日から連載の「蔡英文と台湾」は6月21日の第20回が最終回です。

【朝日新聞:2016年6月18日】
http://digital.asahi.com/articles/DA3S12414670.html?rm=150
写真:総統選に敗れ、支持者に頭を下げる蔡英文氏(左)=2012年1月、台湾・中央通信社提供

 有名な演説がある。台湾総統の蔡英文(ツァイインウェン)が2012年1月、初挑戦の総統選で敗
れたときの演説だ。

「悲しんでもいい。だけど、あきらめないで。明日から、これまでの4年間と同じように勇敢でな
くてはならない。次回は必ず、最後の1マイルを走りきろう」

 総統府報道官の黄重諺はその日、台北の選挙事務所で、中心的なスタッフらと開票状況を見守っ
ていた。「差は詰まっている」。そんな直前の手応えに反し、得票は伸びなかった。

 沈んだ空気のなか、夜6時ごろに姿を見せた蔡は支持者にどんなメッセージを出すのか考えよ
う、と冷静に指示した。「支持者を意気消沈させてはならない」「選挙で集まった力を分散させて
はならない」。蔡が二つの基本線を示し、演説の基調が出来たという。

 今年1月、立法委員(国会議員)に当選した羅致政は当時、ほかの党幹部と敗因分析に当たっ
た。最大の敗因として挙げられたのは、独立志向を持つ民進党が政権に復帰すれば、中台関係が悪
化する、との懸念だった。民進党籍の県市長(知事)が少なかったことも響いた。予算配分など
で、動員力を持つからだ。

 このときの選挙では、蔡は担がれた身だった。羅はこうも指摘する。「率直に言って、蔡にはま
だ準備が出来ていなかった。(総統を目指す)強い動機もなかったし、自信もなかった」

 だが、この落選が蔡にとって大きな糧となったと指摘する声は多い。

 立法委員の陳其邁は投開票の夜、蔡と行動を共にしていた。「蔡は『帰って休もう』と言ってい
たが、その後すぐに、4年後の選挙に向けた準備を始めた」と振り返る。

 党主席を退いた蔡は「小英教育基金会」を設立、ここを拠点に政治活動を続けることになる。民
進党秘書長に先月就いた洪耀福は蔡を「失敗から学び、次に成功させることができるタイプ」と語
る。

 党主席だった08〜12年、蔡は党の再建に追われ、地方や産業の事情をつかみきれなかった。この
後、頻繁に地方に足を運ぶようになる。=敬称略

                                    (台北=鵜飼啓)


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