公共放送の危機 [日本李登輝友の会ロサンゼルス支部長 今村 圭祐]

日本李登輝友の会の海外第1号支部は、本年1月24日、アメリカのロサンゼルスに誕生し
た。ロサンゼルス(Los Angeles)市はアメリカ合衆国カリフォルニア州最大の都市で、
市内にハリウッドなどがある、約390万人という全米2位の人口を誇る世界的な都市だ。台
北市や名古屋市とも姉妹都市を結んでいる。

 1月24日、前米国指圧協会会長の今村圭祐(いまむら・けいすけ)氏が中心となり、ロ
ス在住の白井真由美氏とフレッド・ホアン氏の講師2人を招いて講演会を開催、同時にロ
サンゼルス支部を発足させている。

 4月にNHK「JAPANデビュー」問題が起こると、それを見たロス在住の今村支部
長や本会会員、在米台湾人の人々はやはり多くの日本人と同じ感想を抱き、7月30日にN
HKロサンゼルス支局の工藤支局長への「要望書」とともに、福地茂雄会長に対して厳重
抗議するとともに、速やかに謝罪・訂正放送を行うことと本シリーズの制作と放送の中止
を要求する書面を提出している。

 今村支部長はまた、ロスで発行されている邦字紙「羅府新報」に「公共放送の危機」と
題して投稿し、9月9日付で掲載された。さらに、9月16日には「NHKの大罪─NHKは
日台友好関係を破壊するのか」と題する意見広告も掲載している。

 ここに、掲載された投稿をご紹介したい。また、LA支部の連絡先は下記の通り。声援
をお願いします。                           (編集部)

■日本李登輝友の会ロサンゼルス支部(今村圭祐支部長)
 424 S.Westmoreland Ave.Apt.302 Los Angeles,CA 90020 USA
 TEL:213-388-3031
 E-mail:folthaij.la@gmail.com

*本会ホームページの「支部のご紹介」をご参照下さい。
 http://www.ritouki.jp/branch/branch.html


公共放送の危機 ロサンゼルス 今村圭佑

【2009年9月9日 羅府新報】

 4月5日に放送された「NHKスペシャルシリーズ・JAPANデビュー『アジアの一等
国』」をみて唖然とした。日本の台湾統治の罪のみを取り上げて、功を見ようとしない。
これでもか、これでもかと日本と日本人を貶(おとし)める、公正さのまったくない、歴
史を歪曲、どこの国の放送局か、と疑った。

 番組の中で一番多く歴史証言で登場した柯徳三(かとくぞう)氏は、「NHKに騙され
た。NHKディレクターの後には中共がついているのだろう。日本の台湾統治は、プラス
50%マイナス50%、確かに差別も受けたが、多くのもやのを得た。教育の良さ、烏山頭ダ
ムを造った八田與一技師の話もしたがNHKはカットした」と言う。

 番組では、「台湾には500万人の漢民族がいた」。今、台湾の総人口は2300万人。外省
人13%、台湾人85%、原住民2%だから当時は500万人もいるわけがない。台湾人は漢民族
ではない。漢民族対日本の対立にすりかえている。日本と台湾が戦争をしたかのような
『日台戦争』なる新造語を編み出し、「太平洋戦争当時、台湾青年は日本軍の兵士として
戦場に駆り出された。云々…」。史実は、志願兵制を開始した1942年は420倍、43年は600
倍、44年は300倍の入隊応募競争率だった。

 「台湾人に日本文化を叩き込み、民族性まで奪っていった歴史が秘められています」こ
れは、「台湾人に中国文化を叩き込み」が正解で、戦後の中国国民党がしたことを日本人
にすりかえている。例えば、日本語と日本文化の禁止。台湾語の禁止。2・28事件(台湾
人の大量虐殺)などである。前台湾駐日代表、許世楷氏の夫人盧千恵さんが、「戦後、台
湾人が日本語を禁止されなかったら、どれほど国が伸びたことかと残念でなりません」と
語った。日本精神を叩き込んだと言っているが、公正、正直、規律、勤勉、清潔、まじめ、
弱きを助ける武士道精神はプラス価値で、どこが悪いのか、台湾製品は質が良く、信頼さ
れていることで証明されている。

 以上の件をNHKに抗議したところ、番組担当の上司は台湾の歴史を知らず何も答えら
れない。放送法第3条(報道は事実を曲げないですること)に違反している。日台分断を
図るNHKの意図は何か。

 公共放送の危機に立ち上がった国会議員、西村真悟氏をはじめ7人の国会議員、岡崎久
彦氏ら多数の有識者が賛同、安倍元首相もNHK番組検証自民議連を発足した。東京では
1200人の抗議デモ、名古屋、大阪でも抗議デモが発生。NHKが公開討論を拒否した事に
よって、8389人が集団訴訟を起こした。