八田技師思い「日台の懸け橋に」 友好の会が台北の児童と交流

【5月11日 北國新聞】

 【台北10日=宮本南吉】台湾を訪問している「八田技師夫妻を慕い台湾と友好の会」
(金沢市)の一行は十日、台北市の日本人学校を訪れ、八田與一技師について学んでい
る六年生の児童七十六人と、日本の童謡を歌うなどして交流した。

 台北日本人学校では、四年生の時に八田技師について勉強し、六年生の十一月に修学
旅行で台南県にある烏山頭(うざんとう)ダムを訪れている。

 八田技師の孫にあたる八田修一さんが「八田技師について知っていることがあれば教
えてください」と呼びかけると、児童は手を挙げ、「ウーシャントー水庫(烏山頭ダム)
をつくった」「稲の実らないところを米の倉庫にした」などと口々に答えた。

 この後、ハーモニカのもりけんさん、口笛のもくまさあきさん、アコーディオンの昇
幹夫さんが「鯉のぼり」「ふるさと」などの曲を演奏し、友好の会一行と児童が一緒に
歌った。

 児童の代表は「八田技師の話と楽しい童謡を聞かせてくれてありがとうございます。
私たちは八田さんのように日台の懸け橋になります」とあいさつした。

 友好の会の中川耕二さんが学校側に、北國新聞社発行の八田技師の絵本「よいっつぁ
ん夢は大きく」を手渡した。

 一行は十日、帰国した。

 八日から北陸の観光地を訪れている台湾の航空、旅行業者一行は十日、金沢市内入り
し、兼六園・金沢城や長町武家屋敷跡を見学した。

 一行は台湾からの観光客誘致に力を入れる県観光連盟と北陸広域観光推進協議会が招
いた。八日にチャーター機で能登空港から日本入りし、この日までに輪島や東尋坊、五
箇山などを視察した。

 雨の中、金沢の観光地を巡った業者らは「石川は台湾でも人気のある旅行地だが、特
に武家屋敷跡はとても日本的なので好まれるだろう」と評価した。その後、県の観光関
係者との交流会で友好を深めた。

 県教委の「いしかわを知る講座」は六月十五日から、輪島市の県立生涯学習センター
能登分室で開かれ、日本統治時代の台湾で烏山頭ダムを建設した金沢出身の技師、八田
與一の生涯などを紹介する。

 六、七月の講座は計四回で、いずれも午後一時半から。受講費は無料で、各回ごとに
申し込みを受け付け、定員の四十人に達し次第締め切る。問い合わせは能登分室=07
68(26)2360=まで。講座内容と講師各氏は次の通り。

▽6月15日 「八田與一の仕事」松田章一金沢ふるさと偉人館長▽同26日 「アン
サンブル金沢20年」山田正幸オーケストラ・アンサンブル金沢GM▽7月10日 「
金沢城の魅力」木越隆三金沢城調査研究所副所長▽同21日 「太鼓昨今」浅野昭利浅
野太鼓文化研究所理事長

写真:友好の会一行と日本の童謡を歌う台北日本人学校の児童=台北市内
http://www.hokkoku.co.jp/_today/H20070511101.htm



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