全国で進む住民票正名 [本会常務理事・事務局長 柚原 正敬]

昭和39年通達が生きていた戸籍表記も見直しを!

■東京都通達が全国に波及

 去る5月30日に東京都が台湾からの転入・台湾への転出の際、住民基本台帳(住民票)
に「台湾」の表記を認めてもよいとする通達を都内の全区市町村に出し、産経新聞で報
道されたこともあって全国に波及している。

 この通達を受け、杉並区や日野市では「台湾」に改正されていることが判明した。こ
の住民票正名問題が3年前の平成17年(2005五年)、杉並区に発していたことを思い起こ
せば、感慨も深く嬉しい限りだ。

 また、天目石要一郎(あまめいし・よういちろう)武蔵村山市議からの報告によれば、
9月議会で市当局に対応を質したところ、「市民の要望どおりに表記する」ということ
になった。以前、武蔵村山市の市民課が「中国」と表記する法的根拠を調べたところ、
結論は「法的根拠はない」だったことも併せて伝えていただいた。

 さらに、東京都板橋区では、この問題に関心を抱く区民などからの要請により、10月
1日から本人の届出に台湾とある場合は「台湾」と表記することになった。

 一方、石川県では10月1日に開かれた総務企画委員会で、宮元陸(みやもと・りく)
県議の質問に対して担当者から台湾表記を認める旨の答弁があり、市町村からの問い合
わせには公文書として回答することもできると答弁している。特に「そもそも国名につ
いてこうしなければならないという縛りはない」との石川県の認識は、住民票表記が外
登証事務の国籍表記の縛りから完全に自由であることを示しており、他の自治体でも認
識してもらいたい重要ポイントだ。

■生きている法務省の戸籍事務通達

 ところで、これまで住民票の台湾表記を阻む原因を「外登証事務の国籍表記の縛り」
としていたが、最近になって、戸籍事務に関する法務省の昭和39年通達の存在が明らか
となった。

 これは民事局長名で出された「中華民国の国籍の表示を『中国』と記載することにつ
いて」と題する通達で、「届書及び戸籍に記載すべき出生又は死亡の事件発生地はもち
ろん、婚姻又は縁組事項に記載する国籍の表示についても中国本土及び台湾を区別する
ことなく、すべて『中国』と記載すること」と命じているが、これは、台湾政府を「中
国」政府と承認していた(台湾住民を中国国民と看做した)時代の通達で、これが戸籍
の台湾表記を阻んでいたのである。

 このように法務省は入国管理局の内規「外国人登録事務取扱要領」で在日台湾人の外
登証の国籍欄を「中国」とし、44年も前の戸籍事務に関する通達で出生地など台湾の国
籍を「中国」と表記するよう命じている。時代錯誤もはなはだしい、現実無視の内規や
通達は今すぐ見直されるべきは当然であり、異論を挟む余地はない。

 政府は来年度、外登証を廃止し「在留カード」を使った外国人台帳制度を導入する方
針を明らかにしている。これを契機に、不条理極まる入国管理局内規も39年通達も早々
に改めるべきを強く訴えたい。

(以下に紹介の、小田村四郎会長が10月16日に森英介法務大臣に送達した「在日台湾人
外登証の国籍是正に関する要請書」は略)
                          【機関誌『日台共栄』11月号】


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