交流協会台北事務所代表に斎藤正樹・前NZ大使が就任

本誌でもすでに報じたように、7月11日、財団法人交流協会(高橋雅二理事長)は交
流協会の池田維(いけだ ただし)台北事務所代表(駐台湾大使に相当)の後任に斎藤
正樹(さいとう まさき)前ニュージーランド兼サモア大使を発令した。斎藤新代表は
15日に赴任のため訪台する予定だ。

 斎藤氏は広島県出身の64歳。東大卒業後、昭和41年(1966年)に外務省入省。台湾大
学で中国語の語学研修を受けたいわゆる「チャイナスクール」の出身。同時期の台湾大
学の同窓生には迫田勝敏・前中日新聞論説委員や『台湾の歴史・日本統治時代の台湾』
の著者で本会会員の末光欣也氏などがいる。

 現在の池田代表は、日台国交断行後、初めてのチャイナスクール出身の台北事務所代
表だったが、斎藤氏はそれに続く2人目。駐中華人民共和国日本大使館公使、領事移住
部長、駐カンボジア大使、駐ニュージーランド大使兼サモア大使などを歴任、平成19年
4月に外務省を退職している。

 ちなみに、池田維代表は、台湾で天皇誕生日祝賀会の開催や台湾人叙勲への道を切り
開いて日台関係の深化に大きく貢献した内田勝久代表(昨年7月29日、前立腺ガンのた
め逝去)の後任であり、は引き続き天皇誕生日祝賀会や叙勲を続け、さらに台湾人観光
客のノービザや運転免許証の相互承認の実現などで尽力した。

 特に離任間近に起こった尖閣諸島・魚釣島付近における台湾の遊漁船と海保巡視船の
衝突沈没事故では、尖閣諸島が日本領土であることを明言しつつ、欧鴻錬外交部長と直
接交渉して事態収拾に立ち働いたことは大いに評価されてしかるべきだろう。

 斎藤新代表には、内田、池田両代表の業績を踏まえ、新たな日台関係を深化させる施
策を期待したい。                          (編集部)



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