中村会員の指摘に古川勝三氏が台湾の「中華民国返還」を「接収」に訂正

一昨日の10月29日、鎌倉に住む本会会員の中村伸吾氏から、本誌で紹介した「歴史街道」
11月号の台湾特集の中、八田與一について執筆した古川勝三氏の文中に「台湾は中華民国
に返還され」というくだりはおかしいとご指摘いただいた。

 中村氏は同時に、古川氏に訂正を求めたところ、昨日、古川氏より早速「貴兄の指摘の
通りです。『返還』ではなく『接収』にすべきだったと思っています。ご指摘ありがとう
ございました。以後、気をつけたいと思います」と返答してきたという。

 中村氏のご指摘のとおり大事なポイントであるにもかかわらず、本誌編集部は迂闊にも
見落としてしまったが、中村氏の指摘をすぐに訂正してきた古川氏も立派である。

 中村氏は「思うに氏の単純なミスだったようです。ただ、このようについ間違ってしま
うのは、日常的に『日本は敗戦により台湾を中華民国に返還した』との刷り込みが行われ
ているためと思います。恐ろしいことです。我々はなお一層注意しながらこのような間違
いを見つけ次第訂正を要求していく必要があるのでしょう。古川氏のように悪意のない方
は二度と同じ間違いをされないと思います」と報告の中で感懐をもらされている。

 確かに、台湾が中国の領土とされている中学校の地図帳問題で取り上げたように、東京
書籍が台湾について「1945 中国へ返還」と記述していて、本会は「重大な誤り」と訂正
を要求した。しかし、東京書籍は未だに訂正していない。このような悪質な例が日本の将
来をになう子供たちの学ぶ教科書でさえまかり通っているのが日本の現状だ。

 中村氏の「我々はなお一層注意しながらこのような間違いを見つけ次第訂正を要求して
いく必要がある」との進言は、自戒を込めて胸底に留めたい。ついては、以下に中村氏よ
り本誌宛にいただいた要請文をご紹介したい。

 中村さん、ご指摘に感謝します。いささか遅くなりましたが、「歴史街道」編集部に本
会としても訂正を要求いたします。

                      メルマガ「日台共栄」編集長 柚原正敬


 いつもお世話になっております。鎌倉に住む正会員の中村伸吾です。

 先日「台湾を愛した男たち」という特集があるとのことで、PHP研究所の「歴史街道」
11月号を購入し、読みました。

 その中に「八田與一」先生の事績について古川勝三氏が書いておられます。読み進むう
ちある箇所で愕然としました。それは同誌94ページ3段目にある「八田與一が青春を捧げ
た台湾は中華民国に返還され」という箇所です。

 日本は台湾を中華民国に返還してはおりません。たんに統治権を放棄しただけです。上
記のような記事は「台湾は中国の一部」とする中共の大嘘につながるものです。八田先生
のことを取り上げいかにも台湾派のような顔をしながら、さりげなくその記事の中に毒矢
を隠しているのです。

 発売されてしまったのですから「単純な誤りでは済まない」と思います。何部発行され
ているのか知りませんが、多数の人がそれを読み、殆どの人が誤りと気づかず、「台湾は
中華民国(そしてその後継国中共)に返還された」の刷り込みを受けてしまったのです。

 小生は古川勝三氏に抗議いたしました。友の会としても是非抗議していただきたいと存
じます。出版社の方にも。悪意のあるなしにかかわらずこういった刷り込みには都度抗議
していかないと、我々の活動に大きな障りとなることでしょう。ご協力をお願いいたしま
す。

                           10月29日 鎌倉市 中村伸吾



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