【台湾出身戦歿者慰霊祭】蔡焜燦先生「祭電」

台湾出身戦歿者慰霊祭に寄せて

 今般、李登輝学校を卒業された日本の皆様が中心となって「台湾出身戦歿者慰霊祭」を
開催されると聞き、大変嬉しく思います。本来であればなにをおいても私自身が駆けつけ
て参拝したいところですが、叶わぬことが残念でなりません。
 台湾においては、昭和十七年に陸軍特別志願兵制度が設けられ、募集千人に対し四百倍
を超える四十二万人以上の応募があり、翌十八年には約六百倍にも達しました。十九年に
は海軍志願兵制度も発足しましたが、十八年に少年兵募集があり、当時、彰化商業学校の
学生だった私は喜び勇んで志願し、念願の少年航空兵に合格しました。軍の都合で実際日
本へ渡ったのは昭和二十年に入ってからでしたが、後日、同じ船に李登輝前総統がおられ
たことを聞き大変驚きました。
 昭和四十三年、仕事の出張で二十三年ぶりに日本の地を踏みました。終戦当時は焼け野
原だったのが見事に復興している様を見て、大変喜ばしい気持になりました。それよりさ
らに嬉しかったのは、仕事関係で知り合った高島嘉道さんという方と靖国神社を参拝でき
たことです。高島さんのお兄さんはフィリピンで戦死され靖国神社に祀られているのです
が、彼は常にお兄さんの写真を持ち、参拝時には涙を浮かべていました。当時、戦前の日
本を全て否定するような風潮があったことに幻滅気味の私でしたが、「日本にはこんな素
晴らしい男もいるのだ」と深い感銘を受けました。
 本日は、皆様方の参拝と同時刻に台湾の地から英霊の方々に謹んで哀悼の誠を捧げます
。皆様方のお志に感謝申し上げます。

 二〇〇五年十二月四日
                                    蔡 焜燦


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