蔡英文政権発足1年を迎え、いまこそ日本は「日本版・台湾関係法」を進めるべき秋

蔡英文総統の民進党政権が発足して1年。立法院でも民進党が過半数を制し、主張がほぼ同じ時
代力量もおり、民意を反映させようとする議会運営はかなりスムーズに進むのではないかと大きな
期待が寄せられたものの、試練が続いている。

 内政面では、主要閣僚にいわゆる外省人を起用した人事を問題視する向きもある。また既得権益
にメスを入れる年金や司法、国民党の不当党資産処理などの改革が国民党などの強い反対で前に進
まず、福島や栃木など5県産食品の禁輸措置は身内の民進党議員からも反発を受けて解禁の目途が
立たないのは、林全・行政院長の指導力不足と指摘する向きもある。

 かてて加えて、外交面では「一つの中国」原則の受け入れを迫る中国からの様々な圧力がある。

 台中関係を打開する道はあるのか。迫田勝敏・元東京新聞台北支局長は「対中関係は中国の姿勢
が変わらない限り、改善は困難で、いかに国際社会の支持を取り付けるかが課題」(5月21日付
「東京新聞」)と指摘する。

 このように支持率が下がっている蔡英文政権だが、経済成長率や輸出額は増え、株価も上がり、
失業率は低くなっている。明らかに馬英九政権のときより改善されている。

 では、日米両国とよりいっそう緊密な関係を構築しようとする蔡英文政権に、日本はなにができ
るのだろうか。

 昨日の産経新聞は社説に当たる「主張」において「支持率の波は民主社会の常だ」と擁護しつ
つ、圧力を加える中国に対して「蔡政権との建設的な対話に方針転換すべき」と訴え、日本政府に
は「実務的な台湾との関係強化に知恵を絞りたい」と迫った。

 その全文を下記に紹介するが、では、産経が進言する「実務的な台湾との関係強化」とは、具体
的になにを指すのだろうか。それを示さないと関係強化は進まない。

 ジャーナリストの櫻井よしこ氏も蔡英文総統の置かれている苦境を憂い、日本が具体的にできる
関係強化策を提案している。

<日本ができることは何か。日本と蔡氏の台湾で、国益が重なる部分が多いのは自明だ。であれ
ば、こんな時こそ、日台関係強化策として、台湾関係法の議論を進めるべきではないか。議論する
だけでも台湾の蔡政権への大きな支えとなるのは明らかだ。>(「週刊ダイヤモンド」2017年4月
29日・5月6日合併号「国益重なる蔡総統の台湾と日台関係強化を 関係法の議論だけでも現政権の
支えに」)

 まさに指摘のとおりだ。日本はいまこそ日本版・台湾関係法の議論を進めるべきだろう。櫻井よ
しこ氏が指摘する台湾関係法とは、本会が4年前に「政策提言」として発表した「日台関係基本法
の制定」のことだ。

 実は、安倍晋三総理は昨年5月20日、奇しくも蔡英文政権が発足したこの日、本会が「日台関係
基本法の制定」を提案した政策提言について「政策提言は受け取った」という答弁書を出してい
る。(平成28年5月20日、答弁書第111号「参議院議員江口克彦君提出日台関係及び『日台関係基本
法』の制定に関する質問に対する答弁書」)。

 江口克彦・参院議員(当時)は質問主意書で「平成25年に、『日本李登輝友の会』が、我が国が
外交交渉相手として台湾の地位を法的に明確に規定する必要性を踏まえ、平等互恵を原則とする日
台関係の発展を目的とする「日台関係基本法」の早期制定を求める「政策提言」をとりまとめ、安
倍総理はじめ関係大臣等に提出したと聞いている。
1 政府がそうした政策提言を受け取った事実はあるか。」と質問したことに対する答弁だ。

 江口議員はまた「我が国と台湾との関係及び我が国の台湾に対するスタンスについて、現在の政
府の見解を明らかにされたい」とも質問している。

 これまでの政府見解は、台湾との関係について「非政府間の実務関係」という基本的立場のみ答
える内容だったが、安倍総理はこの答弁書では一歩踏み込んで下記のように答えている。

<台湾との関係に関する我が国の基本的立場は、昭和47年の日中共同声明第3項を踏まえ、非政府
間の実務関係として維持するというものである。政府としては、このような基本的立場に基づき、
我が国との間で緊密な経済関係と人的往来を有する重要なパートナーである台湾との間においてこ
のような実務関係が着実に発展していくことを期待している。>

 日台関係基本法は、日本が台湾との関係を規定した法律を一つも有していないという現状、つま
り日台間は無法状態にあることに鑑み、日本にとって必要な法律という前提で提案したものだ。
けっして台湾のためではない。ひいては台湾のためにもなるという法律だ。

 このように、あくまでも日本にとって必要な法律なのだが、櫻井氏が指摘するように「議論する
だけでも台湾の蔡政権への大きな支えとなる」ことは十分考えられる、

 中国からの圧力は織り込みずみのはずだ。交流協会が日本台湾交流協会に、亜東関係協会が台湾
日本関係協会に名称を変更したいまこそ、日台関係基本法の議論を進めるべき秋だ。

◆櫻井よしこ氏:「週刊ダイヤモンド」2017年4月29日・5月6日合併号
 「国益重なる蔡総統の台湾と日台関係強化を 関係法の議論だけでも現政権の支えに」
 http://yoshiko-sakurai.jp/2017/05/06/6827


民主主義の成熟を強みに 蔡政権1年
【産経新聞「主張」:2017年5月21日】

 台湾の蔡英文政権が発足1年を迎えた。

 政権交代時の興奮は冷め、一転して政権の支持率は伸び悩んでおり、蔡総統は「夜明け前の闇
だ」として、低迷脱出に奮起を誓っている。

 支持率の波は民主社会の常だ。蔡氏には、就任演説で掲げた台湾の平和と安定などの公約実現に
全力を尽くしてもらいたい。

 海峡対岸の中国は、「一つの中国」をめぐり、蔡政権に圧力を強める。世界保健機関(WHO)の
総会から台湾を排除した。南太平洋フィジーの在台事務所が閉鎖されたのも、中国の働きかけとみ
られる。

 訪中した与党・民主進歩党(民進党)の元職員が、中国の治安機関に身柄を拘束される事件も起
きた。これまで複数の日本人訪中者も拘束され、帰国が実現していない。とても人ごとではない。

 露骨な圧力を受けながらも、蔡政権は両岸(中台)関係の「現状維持」を掲げている。恫喝(ど
うかつ)的な行為に屈せず、頑張り抜けるかどうかの大事な時期だろう。

 政党別の好感度では、民進党と新興政党の時代力量が上位を占める。いずれも中国が台湾独立派
として警戒する政党である。

 統一への圧力を強めることによって、台湾の民意を中国になびかせるのは難しいということだろ
う。中国は蔡政権との建設的な対話に方針転換すべきである。

 台湾の安全を確保するため、蔡政権が日米との関係強化を求めたのも当然だ。

 米国とは大統領選当選後のトランプ氏と蔡氏の電話会談が、1979年の米台断交後初めて行われ
た。日本との間では、高官交流の副大臣級への格上げや、「日台」の呼称を織り込んだ窓口機関の
名称も実現している。

 外交関係はなくとも、日米台は法の支配や民主主義の理念を共有している。実務的な台湾との関
係強化に知恵を絞りたい。

 折しも、今年は台湾で世界最長といわれた戒厳令が解除されて30年となる。台湾では中国国民党
の一党独裁が終わり、複数政党制による民主政治が定着した。

 共産党独裁が続く中国にとって最も目障りなのが台湾の民主主義ではないか。

 再び独裁体制に陥るようなことになってはなるまい。そのためにも、民主主義の成熟に向けた不
断の努力が望まれる。


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