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日本で唯一の台湾人蔵人の陳韋仁さんが造る日本酒名は「台中65号」

台湾で日本時代に開発された「台中65号」という米を使って初めての日本酒造りにいそしんでいる、日本でたった1人の台湾人蔵人(くらびと)の陳韋仁さんについて、昨年5月22日号の本誌で「山陰日報」の記事を紹介しました。

 その後が気になっていましたが、このほど日本酒を中心としたSAKEカルチャーを世界に伝える国内最大の日本酒専門ウェブメディア「SAKETIMES WEBメディア」が、その後のことを10枚を超える関係写真とともに詳しいレポートを掲載していました。

 レポートは、地酒を扱ってきた父の影響を受け小さい頃から日本酒に囲まれて育ったという、日本酒と焼酎の唎酒師のあらたに菜穂さん。プロフィールによりますと「酒類総合研究所の清酒官能評価者になるまで唎酒師を名乗らない」とあり、陳韋仁さんが「台中65号」を使って純米吟醸酒造りに携わる描写にその気概がよく現れています。

 陳さんは純米吟醸酒を「台中六十五号」と命名したそうで、今でも「蓬莱米の父」「蓬莱米の母」と台湾で讃えられる磯永吉(いそ・えいきち)と末永仁(すえなが・めぐむ)が10年にわたる試行錯誤を経て大正10年(1921年)に改良に成功したのが「台中六十五号」だ。当時の第10代台湾総督だった伊沢多喜男(いざわ・たきお)により「蓬莱米」と命名されている。現在、彰化県大村郷内にある台中区農業改良所には「台中65号」の記念碑も建てられている。

 詳しくは『日本人、台湾を拓く─許文龍氏と胸像の物語』(まどか出版、2013年)に所収されている早川友久氏(本会台北事務所長)執筆による「磯永吉と末永仁─蓬莱米を作り上げた農学者」を参照いただきたい。


あらたに菜穂台湾と島根をつなぐ日本酒!オリジナルの酒造りに取り組む台湾人蔵人・陳韋仁さんの挑戦を追う【SAKETIMES(サケタイムズ):2018年4月11日】https://jp.sake-times.com/special/project/sake_g_taichu65go

 近年、日本の酒蔵で働く外国人が増えてきましたが、そのなかでも、日本で初めてオリジナルの日本酒造りに取り組む外国人蔵人がいます。島根県の木次酒造に勤める、台湾出身の陳韋仁(チン・イニン)さんです。彼は、台湾と島根県に縁のある米「台中65号」をみずから栽培し、それを使った酒造りに挑んでいます。

◆台湾と島根を結ぶ「台中65号」

 陳さんは、2008年に島根大学法文学部へ留学生としてやってきました。留学中に日本酒の美味しさに目覚め、「獺祭」で知られる山口県の旭酒造に自薦で入社。そこで2年間働きます。その後、東京の出版社に転職したものの、日本酒への思いが捨てきれず、再び島根県に戻り、松江市にある李白酒造で働き始めました。

 「いずれは自分のお酒が造りたい」という志をもつ陳さんは、李白酒造で過ごした2年の間に、広島県の酒類総合研究所や東北の杜氏組合の講習会へ出向き、酒造りの勉強を重ねていきます。しかし、仕事を覚えていくなかで、日本酒の原料である米についての知識が足りないと感じていました。そんな矢先、台湾に縁のある米「台中65号」の存在を知ります。

 「台中65号」は、日本統治時代に日本人の農学者・磯永吉によって開発されました。島根県安来産の「神力」と兵庫県で生まれた「亀治」を交配させたもので、台湾における農業の発展に大きな影響を与えた品種です。

 島根県に住む台湾人としてこれ以上の縁はないと思い、陳さんはこの米を自分で作ることを決意しました。

◆試行錯誤を重ねた、はじめての米作り

 しかし、課題は山積みでした。現在、台湾で栽培されている米のほとんどが、この「台中65号」に由来するものですが、「台中65号」そのものはほとんど作られていなかったため、種籾の輸入が難しかったのです。最終的には、1995年まで沖縄県で奨励品種として作られていたこともあって、同県で栽培を続けている農家から種籾を入手することができました。

 次は、水田の確保と協力してくれる農家探しです。すでに年間の栽培計画が決まっていた時期だったため、水田の確保は困難を極めました。そんなとき、当時働いていた李白酒造の元蔵人であり農家でもある山根利明さんが、「陳さんに頼まれたらしょうがない。自分の田んぼに7アールの空きがあるから、そこでやったらいいよ」と声をかけてくれたのです。

 こうして、「台中65号」を育てるための条件が整いました。農耕記録がない品種のため、台湾大学で磯永吉先生の教え子だった教授や島根大学時代の先輩が紹介してくれた水稲専門の先生から指導を受けながら、試行錯誤の米作りがスタート。日々の水田の管理は山根さんが手伝ってくれました。

 山根さんに「台中65号の栽培はいかがでしたか?」と尋ねると、「栽培ごよみ」と書かれたメモを見せながら「1年間の栽培を通して、とても勉強になりました」と話してくれました。

 2016年に種籾を取得し、2017年には米作りに着手。そしていよいよ2018年、「台中65号」を使った酒造りが始まります。

◆米作りから始まる酒造りの魅力

 2018年2月、陳さんを訪ねて、島根県の木次酒造を訪れました。

 木次酒造の年間生産量は40石前後。県内でもっとも小規模な酒蔵です。蔵元杜氏の川本康裕さんは、およそ20年前に、それまで勤めていた醸造研究所を辞めて、蔵に戻ってきました。当初の仕事は濾過・瓶詰めの作業や営業が中心でしたが、季節雇用の杜氏が酒造りに参加できなくなったため、自身で酒造りを始めることになりました。

 醸造研究所に在籍したのは1年少々。他の蔵での修行経験がない川本さんは、最初は道具の使い方すらわからない状態で、ゼロから教えてもらうというスタートでした。

 陳さんと川本さんの出会いは、2015年に開催された日本酒イベント。当時、松江市の観光大使だった陳さんが、台湾からの観光客を日本酒イベントへ連れて行ったときに、初めて会ったのだそう。そして翌年、島根県杜氏組合の夏期講習会で再会します。その後、数回の蔵訪問を経て、「台中65号」を使った日本酒造りの具体的な話が始まりました。

 「話をもちかけられたときは、ただ驚きましたね」と川本さん。「ただ、うちは蔵全体の造りが少なく自由度が高いので、陳さんが自分でお酒の面倒をみてくれるのであれば、かまわないですよ」と、この企画に賛同してくれたそうです。

 「プロジェクトの将来性はまだわからないけれど、ひとつの品種に絞って、米作りから酒造りまで取り組むことにはストーリー性がありますね。実際、うちの蔵でも、生産者のわかる米を自社で原料処理して日本酒を造っています。いろいろなお酒が出てくるなかで、さらに個性を求める人にとってのセールスポイントになるのではないでしょうか」と、期待を寄せているようでした。

◆すべて手探りの酒造り

 「台中65号」を使った造りは、どのような状況なのでしょうか。陳さんが蔵の中を案内してくれました。

 木次酒造の特色のひとつが、手動精米機です。陳さんが今回収穫した米は360キロ。この精米機を使って50%まで磨きます。

 「台中65号」を使った仕込みのデータがまったくないため、木次酒造で造っているコシヒカリを使った日本酒のデータをもとに、「米の性質は五百万石に近いのではないか」という島根県農業技術センターからのアドバイスを参考にしつつ、酒造りに取り掛かりました。

 実際に原料処理してみると、大きさは一般的な酒米に比べて小さいものの飯米よりは大きく、心白がわずかにあり、割れにくいという性質でした。蒸し上げると、手触りはコシヒカリのよう。しかし、実際に仕込みに入らなければわからないこともあります。最初に予定していた麹歩合を急遽変えるなど、すべてが手探りの状態です。

 仕込みを進めていくなかで、さまざまな困難にぶつかりました。陳さんが以前働いていた李白酒造では、高温糖化で酛を造っていたため、今回も高温糖化を採用しましたが、気候条件が悪かったせいか、なかなか思うようにいかなかったのだとか。

 木次酒造の仕込みは、酒母と醪に音楽を聴かせていることも特徴です。ある研究によると、醪に音楽を聴かせることで、菌の死滅率が低くなるのだそう。ふだんはモーツァルトの曲を流していますが、陳さんのお酒には台湾の曲を聴かせていました。

 今回の仕込みは、純米吟醸酒。飯米に似た米だからこそ、米の味をしっかりと出しつつ、スッキリとしたお酒を目指しました。

◆クラウドファンディングは4月27日(金)まで!

 台湾出身の蔵人・陳韋仁さんが、台湾ゆかりの米「台中65号」を使って醸す日本酒。その名前は「台中六十五号」に決まりました。今まで、中〜大規模の蔵を渡ってきた陳さんにとって、少量をていねいに仕込む木次酒造で学んだことはとても多かったようです。これまでの苦労と思いが詰まった日本酒は、果たしてどのようなお酒に仕上がるのでしょうか。

 今回の取り組みについては、クラウドファンディングで資金を募っています。支援は4月27日(金)まで。新しい取り組みをみんなで応援しましょう。

                                   (文/あらたに菜穂)


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