にほんブログ村 ニュースブログ 海外ニュースへ

日中関係と併存する日台関係  浅野 和生(平成国際大学教授)

【世界日報「Viewpoint」:2018年8月7日】

 日中平和友好条約の締結から40年が経過した。1978年8月12日に署名された同条約の第一条第一項には、「両締約国は、主権及び領土保全の相互尊重、相互不可侵、内政に対する相互不干渉」とあるが、この40年間にわたって中国はこれを蹂躙し続けた。繰り返された「教科書問題」や、尖閣諸島問題、東シナ海の海底資源開発問題など、中国からの内政干渉、日本の主権や領土に対する侵害行為は枚挙にいとまがない。

 さて、日中間の最大の懸案は「台湾問題」である。しかし、日中平和友好条約に台湾への言及はない。ただ前文に日中共同声明が両国間の平和友好関係の基礎であること、そして共同声明に示された諸原則が厳格に遵守されるべきことが確認されている。

 そしてその日中共同声明の第二項には「日本国政府は、中華人民共和国政府が中国の唯一の合法政府であることを承認する」とあり、第三項は「中華人民共和国政府は、台湾が中華人民共和国の領土の不可分の一部であることを重ねて表明する。日本国政府は、この中華民国政府の立場を十分理解し、尊重」するとしている。

 ところで、台湾の中華民国と大陸の中華人民共和国の関係について司法判断を示したのが光華寮裁判であった。この裁判は、台湾の中華民国が所有していた京都の留学生寮が、1960年代に「毛沢東思想万歳」などと高唱する中国人留学生に不当に占拠されたため、家主である中華民国が不当な借家人(留学生)の立ち退きを求めて起こした訴訟である。裁判が始まった1967年には、日本と台湾の間に国交があり、中華民国の訴訟の当事者適格が問題となることはなかった。しかし1977年の第一審判決までに日華断交となったため事態は複雑になった。

 一審は原告の中華民国が敗訴、二審は逆転勝訴となった。そこで1986年の京都地裁の差戻第一審は、昭和47年の日中共同声明による日本と中華人民共和国との国交正常化と、日本と中華民国との国交断絶にかかわらず、「中華民国政府が現在まで、現実に、台湾及びその周辺諸島、およびそこの地域の人を、排他的、永続的に支配、統治」していることを認めた。さらに「旧政府が完全には消滅せず、その国の領土の一部を実効的に支配している、政府の不完全承継の場合」旧政府が外国において所有していた財産については新政府に継承されないとして、中華民国に光華寮の所有権と訴訟の権利を認め、留学生に立ち退きを命じる判決を出した。

 これを不服とした留学生側は控訴したが、1987年の大阪高裁差戻第二審は、差戻第一審判決を支持した。そこで留学生側は最高裁に上告した。

 このタイミングで中国政府が、同判決に激しく抗議して、裁判は国際問題化した。中国による日本の内政への露骨な干渉である。馬毓真新聞局長が「日本の司法が、中日共同声明、中日友好条約、国際法に違反し、二つの中国、もしくは一つの中国、一つの台湾を作り出している」と批判すれば、同年9月10日には、孫平化中日友好協会会長が、「日本の司法機関が二つの中国の前例を作ることを許すことはできない」と糾弾した。この間、日本政府は中国に三権分立の説明をするとともに、日中共同声明と日中平和友好条約の遵守を誓ったが、日中の摩擦は1年以上も継続した。

 問題が政治化した結果、最高裁は事態が鎮静化するのを待った。待ちに待った結果、判決が出されたのは2007年3月、上告受理から20年後となった。

 その判決は、主文「原判決を破棄し、第1審判決を取り消す。本件を京都地方裁判所に差し戻す」「本件において原告として確定されるべき者」は、「昭和47年9月29日の時点で、『中華人民共和国』に国名が変更された中国国家というべき」というものだった。最高裁は、40年続いた裁判の原告の適格性を最後になって否定するとともに、40年前の時点に差戻し、原告は「中華民国」ではなく「中国国家」だとしたのである。「中華民国」はこの判決をどう受け止めたら良いのか。訴訟を起したのは「中華民国」なのに、「中華民国」が「中華人民共和国」に変わっても変わらない「中国国家」という別の実体が原告だと最高裁は断定した。最高裁は中国の圧力に屈したのではないか。

 ところで、安倍首相は2016年5月20日、蔡英文総統就任の日に、江口克彦参院議員(当時)の質問主意書に対する答弁書を発し、「台湾との関係に関する我が国の基本的立場は、昭和四十七年の日中共同声明第三項を踏まえ、非政府間の実務関係として維持する」としつつ、政府としては「我が国との間で緊密な経済関係と人的往来を有する重要なパートナーである台湾との間においてこのような実務関係が着実に発展していくことを期待している」と明らかにした。つまり、台湾にはパートナーとなりうる実体があると認める常識的立場を首相は表明した。

 日中共同声明以来、中国は「台湾が中華人民共和国の領土の不可分の一部である」と主張しているが、日中平和友好条約締結から40年、その主張が相変わらず虚構であり、日中関係とは別の緊密な日台関係が存続していることを慶びたい。


【日本李登輝友の会:取扱い本・DVDなど】 内容紹介 ⇒ http://www.ritouki.jp/

*ご案内の詳細は本会ホームページをご覧ください。

● 金子展也著『台湾に渡った日本の神々』お申し込み【2018年5月】
  https://mailform.mface.jp/frms/ritoukijapan/uzypfmwvv2px
 *詳細は本会HP ⇒ http://www.ritouki.jp/index.php/info/20180514/

● 渡辺利夫著『決定版・脱亜論』お申し込み【2018年2月】
  https://mailform.mface.jp/frms/ritoukijapan/uzypfmwvv2px
 *詳細は本会HP ⇒ http://www.ritouki.jp/index.php/info/20180222/

● 映画『台湾萬歳』DVD お申し込み【2018年2月】
  https://mailform.mface.jp/frms/ritoukijapan/0uhrwefal5za
 *詳細は本会HP ⇒ http://www.ritouki.jp/index.php/info/20180222-01/

● 映画『海の彼方』DVD お申し込み【2018年2月】
  https://mailform.mface.jp/frms/ritoukijapan/0uhrwefal5za
 *詳細は本会HP ⇒ http://www.ritouki.jp/index.php/info/20180222-02/

● 台湾フルーツビール・台湾ビールお申し込みフォーム
  https://mailform.mface.jp/frms/ritoukijapan/rfdavoadkuze

*台湾ビール(缶)は在庫が少なく、お申し込みの受付は卸元に在庫を確認してからご連絡しますの
 で、お振り込みは確認後にお願いします。【2016年12月8日】

● 美味しい台湾産食品お申し込みフォーム【常時受付】
  https://mailform.mface.jp/frms/ritoukijapan/nbd1foecagex

*沖縄県や伊豆諸島を含む一部離島への送料は、宅配便の都合により、恐縮ですが1件につき
 1,000円(税込)を別途ご負担いただきます。【2014年11月14日】

*パイナップルケーキとマンゴーケーキを同一先へ一緒にお届けの場合、送料は10箱まで600円。

・奇美食品の「マンゴーケーキ(芒果酥)」2,900円+送料600円(共に税込、常温便)
 [同一先へお届けの場合、10箱まで600円]

・奇美食品の「パイナップルケーキ(鳳梨酥)」2,900円+送料600円(共に税込、常温便)
 [同一先へお届けの場合、10箱まで600円]

・最高級珍味「台湾産天然カラスミ」4,160円+送料700円(共に税込、冷蔵便)
 [同一先へお届けの場合、10枚まで700円]

● 書籍お申し込みフォーム
  https://mailform.mface.jp/frms/ritoukijapan/uzypfmwvv2px

・金子展也著『台湾に渡った日本の神々』*new
・渡辺利夫著『決定版・脱亜論─今こそ明治維新のリアリズムに学べ』
・呉密察(國史館館長)監修『台湾史小事典』(第三版)
・李登輝・浜田宏一著『日台IoT同盟』 *在庫僅少
・王育徳著『台湾─苦悶するその歴史』(英訳版) *在庫僅少
・浅野和生編著『1895-1945 日本統治下の台湾
・王明理著『詩集・故郷のひまわり』
・李登輝著『李登輝より日本へ 贈る言葉』 *在庫僅少
・宗像隆幸・趙天徳編訳『台湾独立建国運動の指導者 黄昭堂
・林建良著『中国ガン─台湾人医師の処方箋』 *在庫僅少
・盧千恵著『フォルモサ便り』(日文・漢文併載)
・黄文雄著『哲人政治家 李登輝の原点
・李筱峰著・蕭錦文訳『二二八事件の真相』

● 台湾・友愛グループ『友愛』お申し込みフォーム
https://mailform.mface.jp/frms/ritoukijapan/hevw09gfk1vr

*第1号〜第15号(最新刊)まですべてそろいました。【2017年6月8日】

● 映画DVDお申し込みフォーム
https://mailform.mface.jp/frms/ritoukijapan/0uhrwefal5za

・『海の彼方』*new
・『台湾萬歳』*new
・『湾生回家』
・『KANO 1931海の向こうの甲子園
・『台湾アイデンティティー
・『台湾アイデンティティー』+『台湾人生』ツインパック
・『セデック・バレ』(豪華版)
・『セデック・バレ』(通常版)
・『海角七号 君想う、国境の南
・『台湾人生
・『跳舞時代』 *現在「在庫切れ」(2017年8月31日)
・『父の初七日』*現在「在庫切れ」(2018年3月20日)

● 講演会DVDお申し込みフォーム
https://mailform.mface.jp/frms/ritoukijapan/fmj997u85wa3

・2014年 李登輝元総統ご来日(2014年9月19日〜25日)
・片倉佳史先生講演録「今こそ考えたい、日本と台湾の絆」(2013年12月23日)
・渡部昇一先生講演録「集団的自衛権の確立と台湾」(2013年3月24日)
・野口健先生講演録「台湾からの再出発」(2010年12月23日)
・許世楷駐日代表ご夫妻送別会(2008年6月1日)
・2007年 李登輝前総統来日特集「奥の細道」探訪の旅(2007年5月30日〜6月10日)
・2004年 李登輝前総統来日特集(2004年12月27日〜2005年1月2日)
・許世楷先生講演録「台湾の現状と日台関係の展望」(2005年4月3日)
・盧千恵先生講演録「私と世界人権宣言─深い日本との関わり」(2004年12月23日)
・許世楷新駐日代表歓迎会(2004年7月18日)
・平成15年 日台共栄の夕べ(2003年11月30日)
・中嶋嶺雄先生講演録「台湾の将来と日本」(2003年6月1日)
・日本李登輝友の会設立総会(2002年12月15日)


◆日本李登輝友の会「入会のご案内」

・入会案内:http://www.ritouki.jp/index.php/guidance/
・入会申し込みフォーム:https://mailform.mface.jp/frms/ritoukijapan/4pew5sg3br46


◆メールマガジン日台共栄

日本の「生命線」台湾との交流活動や他では知りえない台湾情報を、日本李登輝友の会の活動情報
とともに配信する、日本李登輝友の会の公式メルマガ。

●発 行:
日本李登輝友の会(渡辺利夫会長)
〒113-0033 東京都文京区本郷2-36-9 西ビル2A
TEL:03-3868-2111 FAX:03-3868-2101
E-mail:info@ritouki.jp
ホームページ:http://www.ritouki.jp/
Facebook:http://goo.gl/qQUX1
 Twitter:https://twitter.com/jritouki

●事務局:
午前10時〜午後6時(土・日・祝日は休み)

●振込先:

銀行口座
みずほ銀行 本郷支店 普通 2750564
日本李登輝友の会 事務局長 柚原正敬
(ニホンリトウキトモノカイ ジムキョクチョウ ユハラマサタカ)

郵便振替口座
加入者名:日本李登輝友の会(ニホンリトウキトモノカイ)
口座番号:00110−4−609117

郵便貯金口座
記号−番号:10180−95214171
加入者名:日本李登輝友の会(ニホンリトウキトモノカイ)

ゆうちょ銀行
加入者名:日本李登輝友の会 (ニホンリトウキトモノカイ)
店名:〇一八 店番:018 普通預金:9521417
*他の銀行やインターネットからのお振り込みもできます。


ランキングに参加しています。
↓一日一クリックの応援お願いします。
にほんブログ村 ニュースブログ 海外ニュースへ

カテゴリー: 日台共栄 タグ: , , , , , , , , , , , , , ,