台湾新幹線に次ぐ日本企業連合による大型鉄道建設プロジェクト「桃園MRT」

時間に余裕のあるときはいい。しかし、搭乗便が遅れ、先方と約束していた時間が迫ったりして
いると、バスを使わずにタクシーを飛ばしたことが何度もあった。

 なんの話かというと、桃園空港から台北市内に行くアクセスのことだ。ここを電車が通っていた
らと、桃園空港と台北市内を往復するたび思っていた。電車だと到着時間も計れるのにとも。その
上、バスは桃園空港から台北市内は切符を買うからまだしも、台北市内から桃園空港へは悠遊カー
ド(EASY CARD)が使えず現金払いだから、小銭の心配も必要だった。

 去る3月2日、桃園MRTが正式開通してこれらの心配が吹き飛び、利便性が一気に増した。

 まだ乗るチャンスに恵まれていないが、三浦一幹(みうら・かずもと)氏がとても分かりやすい
乗車体験記を「東洋経済新報オンライン」にレポートしているので、下記にご紹介したい。

 桃園MRTについては何本も詳しいレポートが出ているが、詳しすぎるきらいがあり、いまいちピ
ンと来なかった。三浦氏のレポートは、日本の丸紅が川崎重工業、日立製作所と企業連合を組んで
ドイツとフランス・台湾の競争相手を押さえて受注したことや、開業までの苦労にまで及んでいる
ものの、くどくない。「日本企業よ、よくぞ頑張った!」と心から嬉しくなるような書きぶりなのだ。

 恐らくこの背景に、日本側の台湾への愛情というか、これまで日台で育んできた信頼感があるの
だろうと想像させるに難くないレポートだ。桃園MRTとスカイライナー(京成上野駅と成田空港駅
間を走る京成電鉄の空港アクセス列車)との姉妹鉄道提携も、けっしてあり得ない話ではないとも
思えてくる。

               ◇    ◇    ◇

三浦一幹(みうら・かずもと)
1960年東京生まれ。世界の鉄道フォト・ライブラリー「トラン・デュ・モンド」代表。世界各国の
鉄道取材・撮影にあたる。日本旅行作家協会会員。


6度の延期を経て開業、台湾「空港鉄道」の実力 新幹線に次ぐ日本企業連合の大プロジェクト
三浦 一幹 (トラン・デュ・モンド代表)
【東洋経済新報オンライン:2017年4月14日】
http://toyokeizai.net/articles/-/166646

 2017年3月2日、台湾の空の玄関である桃園国際空港と台北駅を直結する空港アクセス鉄道「桃園
機場捷運(桃園MRT)」が、着工から10年の歳月をかけて正式に開業した。

 桃園国際空港は台北郊外の桃園県に位置し、1979年の開港以来、台北市内との公共交通は高速道
路経由で60〜90分前後かかるバスに頼っていた。2007年1月には台湾高速鉄道(台湾新幹線)が開
業し、空港と高速鉄道の桃園駅を結ぶシャトルバスとの乗り継ぎで台北へのアクセスが可能になっ
たものの、乗り継ぎや列車本数、運賃などの面から、空港と市内を結ぶ交通手段としての利便性は
いま一つであった。

◆台北駅―空港を35分で直結

 今回開業した桃園MRTは、台北駅から桃園国際空港を経由して環北駅までの51.03キロメートルを
結ぶ路線。空港―台北間は快速タイプの「直達車」で約35分、各駅停車の「普通車」でも45分で直
結され、長らく課題だった台北の空港アクセスは大きく向上することになった。

 正式開業日の3月2日には台北駅の地下コンコースで開業式典が行われ、陳建仁副総統、賀陳旦交
通部長をはじめ、柯文哲台北市長、鄭文燦桃園市長ら多数の要人も参列し、アトラクションもス
テージで繰り広げられた。台北駅(地下)などのデザインを担当した、槇総合計画事務所の槇文彦
代表も祝辞を述べた。

 桃園MRTは2005年、丸紅が川崎重工業、日立製作所と企業連合を組んで入札に参加し、シーメン
ス(独)、アルストム(仏)&CTCI(台)連合の2グループを押さえて受注した。

 丸紅が鉄道システム一式と車両基地の建設、川崎重工業は123両の車両製造、日立製作所は変
電・給電システムを担当し、線路幅は1435ミリメートルの標準軌、電化方式は直流750Vの第3軌条
方式を採用。契約金額は254億9000万台湾ドル(約910億円)、工期90カ月の予定で2006年6月に着
工し、当初は2013年9月開業を予定していた。

 だが、受注業者間の契約トラブルや設備の不具合で工事が遅れ、開業を2015年末に延期。その後
も電気系統など各種トラブルに見舞われ、このプロジェクトを所轄する台湾の交通部高速鉄路工務
局(日本の国土交通省に相当)より賠償金を請求される事態となるなど、混迷を続けた。

 建設費用は結果的に1138億5000万台湾ドル(約4207億円)にもなり、2015年から安全試験による
試運転も開始されたが、走行速度が基準を満たさないなど次々にトラブルが発生し、開業予定日を
6度も延期した経緯がある。

 今年に入り、開業予定日が3月2日に決定。2月2日から「プレ開業」として団体や一般向けの無料
試乗会を1カ月間実施した。同期間中には約140万人が乗車したといい、蔡英文総統も視察に訪れた。

◆列車は普通と快速の2タイプ

 開業日の式典終了後、実際に台北駅から乗車してみた。

 桃園MRTの台北駅は、台湾鉄路(在来線)や高速鉄道の台北駅とはやや離れた場所に位置する。
これらの駅とは地下通路で結ばれているが、乗り継ぎの際は10〜15分程度の時間の余裕をみる必要
がありそうだ。

 駅には航空会社のチェックインカウンターも設けられている。当面はチャイナエアラインとエ
バー航空の2社のみではあるものの、搭乗予定時刻の3時間前までであれば駅で搭乗手続きが可能。
機内預け入れ手荷物もここで預けられるので、身軽に乗車できそうだ。ホームは地下3階で、ホー
ムドアも設置されている。

 列車は、各駅停車で終点の環北まで全線を走る普通車(Commuter)と、台北―桃園空港第2ター
ミナル間を結ぶ快速タイプの直達車(Express)の2タイプがあるが、運賃は同一で台北―桃園空港
間は160台湾ドル(約570円)。空港連絡バスより少し高い。6時00分から23時00分までの間、どち
らも15分間隔で運転されるという。

 電車は川崎重工業と台湾車輛で製造されたステンレス車両。外観は2タイプとも似ているが、普
通車は青いラインの4両編成、直達車は紫のラインで台北駅側先頭車1両を荷物専用車とした5両編
成となっている。普通車は硬いプラスチック製座席のロングシートだが、直達車はクロスシート
車。出入り口付近には荷物スペースが設置されているほか、車内に設置されたモニターで飛行機の
出発時刻などを確認できる。全線で台湾初の4GFreeWi−Fiも利用できる。

 列車は台北駅を出発後、しばらくすると地上に出て高架線を走る。直達車は台北駅を出ると、途
中停車駅は2駅のみで桃園空港第1ターミナル、続けて終点の第2ターミナルに到着する。第1・第2
ターミナルとも駅は地下にあり、エスカレーターなどで搭乗フロアへ簡単にアクセスできるため便
利だ。

◆空港輸送だけでなく通勤路線にも

 空港から先、終点までの区間は普通車のみの運転で、高速鉄道の桃園駅はこちらの区間にある。
空港から環北行きの普通車に乗り「高鉄桃園駅」で高速鉄道に乗り換えれば、台北を経由せずに台
中や台南、高雄などへ向かうことが可能だ。高鉄桃園駅は高速鉄道の駅とエスカレーターで直結し
ており、乗り換えは簡単。駅前には大型のアウトレットモール「グロリア・アウトレット」もあ
り、桃園MRTの開業によりさらに発展していきそうなエリアだ。

 アジアでの空港連絡鉄道は、香港、北京、ソウル、クアラルンプール、バンコクなどで開業して
いるが、桃園MRTは空港利用者のみならず、沿線の通勤・通学客の利用も見込まれている。沿線に
は途中の林口駅が最寄りの「三井アウトレットパーク」をはじめとした商業施設のほか、大学や病
院もあり、MRTの駅開設が周辺の開発にも大きな力となっている。今後は現在の終点、環北から台
湾鉄路の中壢駅まで2駅分の延伸も予定されている。

 台湾新幹線に続く、日本による台湾での大型の鉄道建設プロジェクト。空港アクセスの利便性向
上に加え、地域の発展に寄与する新路線として成功することを祈りたい。


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・2004年 李登輝前総統来日特集(2004年12月27日〜2005年1月2日)
・許世楷先生講演録「台湾の現状と日台関係の展望」(2005年4月3日)
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