にほんブログ村 ニュースブログ 海外ニュースへ

台湾の人々が日本の災害に心を寄せる2つの理由  栖来ひかり (台湾在住ライター)

【WEDGE Infinity(ウェッジ):2018年7月17日】http://wedge.ismedia.jp/articles/-/13405

 あの豪雨から一週間以上がすぎた。

 テレビやネットで目にする西日本各地の深刻な爪痕に、胸を痛めている方は多いだろう。台湾在住の筆者もちょうど故郷の山口県に帰省中だった。実家のあるエリアは、2009年の豪雨の際に少なからぬ被害がでた場所だったので、今回も降り止まぬ雨のなか、避難勧告が出て肝を冷やした。幸いにも被害はなかったが、台湾の友人・知人から安否を尋ねるメッセージを沢山頂いた。

 今回の豪雨被害は、台湾でも大きく報道されていたようで、SNSでもリアルタイムで多くの関連情報がシェアされていた。ひとつの事象についてSNSが埋め尽くされる現象を中国語(台湾華語)のネット用語で「洗板」(シーバン)というが、まさに当時は西日本集中豪雨の話題で「洗板」されていた状態だったから、台湾の人々がいかに日本に心を寄せてくれているか分かった。

◆自然災害の様相がそっくりな日本と台湾

 日本の災害は多くの台湾人にとって他人事ではない。蔡英文総統も、先日の大阪府北部地震につづき、他国に先駆けてお見舞いの言葉を自身のツイッターアカウントで発信した、しかも「日本語」で。日本の安倍首相も花蓮の地震のとき、毛筆/中国語で応援の言葉を送り台湾人の歓心を得た。国際社会の外交にありがちな紋切型から大いにはみ出していく日台のこうした友好は大歓迎だけれど、今回の蔡英文総統のツイートには、特に温かいものを感じた。

 実際、筆者の実家がある山口県中部で大きな豪雨被害があったのと同じ2009年の夏、台湾南部でも大型台風による「88水害」が発生し、死者・行方不明者 758 人、14 万戸もの世帯が浸水し、ほぼ一つの村が失われている。

 雨だけではない。台湾と日本はどちらも、フィリピン海プレートとユーラシアプレートの接合部に位置する。体感だけでいえば、台湾で少しおかしな揺れ方をしたな、と筆者が感じた数日以内に日本で大きめの地震が起こっていることはよくある。

 今年2月の台湾東部・花蓮の震災でも、早い時期に日本の救援隊が現地入りしたことが話題になったが、地震のみならず、火山、土砂災害、豪雨災害など、自然災害の様相がそっくりな日台間では、関係が親密になってゆくにつれて、災害時の共感も増しているように思う。

◆ZOZOTOWNによる災害支援も台湾で話題に

 今回の西日本豪雨災害で印象的だったのは、日本のアパレル会社・ZOZOTOWN社による企業と自治体間での支援物資についての提供方法が、台湾SNSでも話題に上り称賛を受けたことである。

 今年2月の花蓮地震の際にも、現地での支援物資に対する「二次災害」(「善意」による個人からの大量の物資が、現地で捌き切れないばかりか、物流や救援を阻害してしまう現象)は大きな課題となった。

 いつまた次なる災害の環境下に置かれるかを踏まえ、隣国からそうした際の対応をどう学び得るか、台湾の人々の謙虚さ・真摯さに触れた思いがした。

◆日本の災害を他人事と思えない「もうひとつの理由」

 台湾の人々が日本の災害を他人事と思えない理由がまだある。それは日本への「身近さ」である。

 2017年の統計でも、台湾人のおよそ5人に1人が一回は日本を訪れた計算となる。今回の豪雨で被害の深刻な岡山県倉敷市は、台湾人に人気の観光地のひとつだ。また筆者の故郷である山口県内でいえば、日本酒「獺祭」の蔵元が大変なダメージを受けたことは、台湾でも大きな話題となった。多くの台湾人にとって、日本は「熟的地方」(良く知った場所)である。旅行者として、もしくは生活者として滞在し、交流し、各地に友人もいる。

 7月12日には謝長廷氏(台湾の在日大使館にあたる台北駐日経済文化代表処・駐日代表)により、日本側の窓口を通して2千万円の義援金が送られた。謝氏は京都大学に留学経験があり、日本の各都道府県すべてに訪れているほどの日本通だ。

 日本のSNSでも、そうした台湾の対応に対して「ありがたい」「真の友人」という言葉を沢山みかける。それを見る度に、嬉しくなる反面、苦い気持ちも混じる。「台湾の真の友人」といえるほど、そして台湾人が日本について理解しているほど、果たして日本人は台湾のことを知っているだろうか?

◆アンバランスな日台間の相互交流

 例えば先日も、台湾で出版された拙著について日本の大手新聞社の地方版で取り上げて頂いたのは有難かったが、タイトルに「台湾語で書かれた」書籍と表現されていた。ややこしい話ではあるが、台湾の公用語は一応「中国語」(北京官話)である。ただ台湾独自の用法や単語も多いので、私個人としては「台湾華語」と呼び表わすのが比較的正確だと感じている。

 一方「台湾語」というと、福建語をルーツにもつ台湾ローカルの言語「ホーロー語」を指すのが一般的だ。しかもこれには書き文字がないので(音をローマ字表記することもあるが正確とはいえない)「台湾語で書籍を記す」ことは不可能だ。現地特派員の方なら間違うはずのない部分だが、そうでなければ、大手新聞社所属の記者さんでさえ台湾の事情について不明瞭ということに、問題の根深さを感じる。

 台湾ブームと言われ、台湾を訪れる日本人が増加している昨今だけれど、それでもまだまだ少ない。昨年2017年には、約2,350万人の人口のなかで台湾から日本への旅行者数は過去最高の456万4,100人に上った(日本政府観光局発表)。それに対し、台湾を訪れた日本人は190万人程度。人口比からいえば、かなりアンバランスな相互交流である。日本の地方自治体によるインバウンド取り込みが活発になってきたが、結局は最良の策といえば、双方の行ったり来たりが盛んになる事に尽きるとも思う。

 現在、史上最高に良好だと言われている日台関係だが、これからも台湾のエンタメを楽しんだり、実際に台湾を訪れる日本人が増えることで台湾理解がすすみ、友好が更に深まっていくことを願わずにはおれない。

 最後に、この度の豪雨で被災された方々に心よりお悔やみ、お見舞い申し上げると共に、被害に遭われた地域が一日も早く平穏な日々を取り戻されるようお祈りしております。

               ◇     ◇     ◇

栖来ひかり(すみき・ひかり)台湾在住ライター

京都市立芸術大学美術学部卒。2006年より台湾在住。日本の各媒体に台湾事情を寄稿している。著書に『在台灣尋找Y字路/台湾、Y字路さがし』(2017年、玉山社)、『山口,西京都的古城之美』(2018年、幸福文化)がある。 個人ブログ:『台北歳時記〜taipei story』


【日本李登輝友の会:取扱い本・DVDなど】 内容紹介 ⇒ http://www.ritouki.jp/

*ご案内の詳細は本会ホームページをご覧ください。

● 金子展也著『台湾に渡った日本の神々』お申し込み【2018年5月】
  https://mailform.mface.jp/frms/ritoukijapan/uzypfmwvv2px
 *詳細は本会HP ⇒ http://www.ritouki.jp/index.php/info/20180514/

● 渡辺利夫著『決定版・脱亜論』お申し込み【2018年2月】
  https://mailform.mface.jp/frms/ritoukijapan/uzypfmwvv2px
 *詳細は本会HP ⇒ http://www.ritouki.jp/index.php/info/20180222/

● 映画『台湾萬歳』DVD お申し込み【2018年2月】
  https://mailform.mface.jp/frms/ritoukijapan/0uhrwefal5za
 *詳細は本会HP ⇒ http://www.ritouki.jp/index.php/info/20180222-01/

● 映画『海の彼方』DVD お申し込み【2018年2月】
  https://mailform.mface.jp/frms/ritoukijapan/0uhrwefal5za
 *詳細は本会HP ⇒ http://www.ritouki.jp/index.php/info/20180222-02/

● 台湾フルーツビール・台湾ビールお申し込みフォーム
  https://mailform.mface.jp/frms/ritoukijapan/rfdavoadkuze

*台湾ビール(缶)は在庫が少なく、お申し込みの受付は卸元に在庫を確認してからご連絡しますの
 で、お振り込みは確認後にお願いします。【2016年12月8日】

● 美味しい台湾産食品お申し込みフォーム【常時受付】
  https://mailform.mface.jp/frms/ritoukijapan/nbd1foecagex

*沖縄県や伊豆諸島を含む一部離島への送料は、宅配便の都合により、恐縮ですが1件につき
 1,000円(税込)を別途ご負担いただきます。【2014年11月14日】

*パイナップルケーキとマンゴーケーキを同一先へ一緒にお届けの場合、送料は10箱まで600円。

・奇美食品の「マンゴーケーキ(芒果酥)」2,900円+送料600円(共に税込、常温便)
 [同一先へお届けの場合、10箱まで600円]

・奇美食品の「パイナップルケーキ(鳳梨酥)」2,900円+送料600円(共に税込、常温便)
 [同一先へお届けの場合、10箱まで600円]

・最高級珍味「台湾産天然カラスミ」4,160円+送料700円(共に税込、冷蔵便)
 [同一先へお届けの場合、10枚まで700円]

● 書籍お申し込みフォーム
  https://mailform.mface.jp/frms/ritoukijapan/uzypfmwvv2px

・金子展也著『台湾に渡った日本の神々』*new
・渡辺利夫著『決定版・脱亜論─今こそ明治維新のリアリズムに学べ』
・呉密察(國史館館長)監修『台湾史小事典』(第三版)
・李登輝・浜田宏一著『日台IoT同盟』 *在庫僅少
・王育徳著『台湾─苦悶するその歴史』(英訳版) *在庫僅少
・浅野和生編著『1895-1945 日本統治下の台湾
・王明理著『詩集・故郷のひまわり』
・李登輝著『李登輝より日本へ 贈る言葉』 *在庫僅少
・宗像隆幸・趙天徳編訳『台湾独立建国運動の指導者 黄昭堂
・林建良著『中国ガン─台湾人医師の処方箋』 *在庫僅少
・盧千恵著『フォルモサ便り』(日文・漢文併載)
・黄文雄著『哲人政治家 李登輝の原点
・李筱峰著・蕭錦文訳『二二八事件の真相』

● 台湾・友愛グループ『友愛』お申し込みフォーム
https://mailform.mface.jp/frms/ritoukijapan/hevw09gfk1vr

*第1号〜第15号(最新刊)まですべてそろいました。【2017年6月8日】

● 映画DVDお申し込みフォーム
https://mailform.mface.jp/frms/ritoukijapan/0uhrwefal5za

・『海の彼方』*new
・『台湾萬歳』*new
・『湾生回家』
・『KANO 1931海の向こうの甲子園
・『台湾アイデンティティー
・『台湾アイデンティティー』+『台湾人生』ツインパック
・『セデック・バレ』(豪華版)
・『セデック・バレ』(通常版)
・『海角七号 君想う、国境の南
・『台湾人生
・『跳舞時代』 *現在「在庫切れ」(2017年8月31日)
・『父の初七日』*現在「在庫切れ」(2018年3月20日)

● 講演会DVDお申し込みフォーム
https://mailform.mface.jp/frms/ritoukijapan/fmj997u85wa3

・2014年 李登輝元総統ご来日(2014年9月19日〜25日)
・片倉佳史先生講演録「今こそ考えたい、日本と台湾の絆」(2013年12月23日)
・渡部昇一先生講演録「集団的自衛権の確立と台湾」(2013年3月24日)
・野口健先生講演録「台湾からの再出発」(2010年12月23日)
・許世楷駐日代表ご夫妻送別会(2008年6月1日)
・2007年 李登輝前総統来日特集「奥の細道」探訪の旅(2007年5月30日〜6月10日)
・2004年 李登輝前総統来日特集(2004年12月27日〜2005年1月2日)
・許世楷先生講演録「台湾の現状と日台関係の展望」(2005年4月3日)
・盧千恵先生講演録「私と世界人権宣言─深い日本との関わり」(2004年12月23日)
・許世楷新駐日代表歓迎会(2004年7月18日)
・平成15年 日台共栄の夕べ(2003年11月30日)
・中嶋嶺雄先生講演録「台湾の将来と日本」(2003年6月1日)
・日本李登輝友の会設立総会(2002年12月15日)


◆日本李登輝友の会「入会のご案内」

・入会案内:http://www.ritouki.jp/index.php/guidance/
・入会申し込みフォーム:https://mailform.mface.jp/frms/ritoukijapan/4pew5sg3br46


◆メールマガジン日台共栄

日本の「生命線」台湾との交流活動や他では知りえない台湾情報を、日本李登輝友の会の活動情報
とともに配信する、日本李登輝友の会の公式メルマガ。

●発 行:
日本李登輝友の会(渡辺利夫会長)
〒113-0033 東京都文京区本郷2-36-9 西ビル2A
TEL:03-3868-2111 FAX:03-3868-2101
E-mail:info@ritouki.jp
ホームページ:http://www.ritouki.jp/
Facebook:http://goo.gl/qQUX1
 Twitter:https://twitter.com/jritouki

●事務局:
午前10時〜午後6時(土・日・祝日は休み)

●振込先:

銀行口座
みずほ銀行 本郷支店 普通 2750564
日本李登輝友の会 事務局長 柚原正敬
(ニホンリトウキトモノカイ ジムキョクチョウ ユハラマサタカ)

郵便振替口座
加入者名:日本李登輝友の会(ニホンリトウキトモノカイ)
口座番号:00110−4−609117

郵便貯金口座
記号−番号:10180−95214171
加入者名:日本李登輝友の会(ニホンリトウキトモノカイ)

ゆうちょ銀行
加入者名:日本李登輝友の会 (ニホンリトウキトモノカイ)
店名:〇一八 店番:018 普通預金:9521417
*他の銀行やインターネットからのお振り込みもできます。


ランキングに参加しています。
↓一日一クリックの応援お願いします。
にほんブログ村 ニュースブログ 海外ニュースへ

カテゴリー: 日台共栄 タグ: , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , ,