8月9日台湾正名運動祝賀会
 平成21年8月9日東京にて台湾正名運動祝賀会が行われました。ここを訪れる多くの読者は
その意味をご存知と思われますが、簡単におさらいしますと、日本の法務省が発行する外国人
登録証に在日台湾人の国籍が「中国」と記されていることに、台湾独立運動を推進する林建良
氏が「台湾」と記すように提唱する運動を呼びかけたのがはじまり。
 その呼びかけに応じたのが李登輝元総統。正名運動は、その後、台湾でも展開されるように
なり例えば台北空港は蒋介石を意味する「中正国際空港」から地名の「桃園国際空港」になる
などの成果が出ています。そして昨年より日本李登輝友の会が、国籍表記を「台湾」と改める
署名活動を展開し、今年に入り、外国人登録証は廃しされ在留カードとなって「台湾」と表記さ
れる法案が成立し、一定の成果が出たことにより祝賀会を開催するに至りました。
 200名を越す会場は、祝賀ムードであふれていましたが、しかし、詳しいことを聞けば、手放し
で喜んでいられない現実も浮かび上がった日でもありました。
 挨拶をされる小田村会長
 外登証が廃止され新しく発行される在留カードの国籍欄は、パスポート発行
した国名が適用されることから、台湾側が「台湾」という名称を使用しないと、
その根拠は失ってしまうことになる。国民党政権では「台湾」という名称は、微
妙なところがあるだけに気に掛かるところである。また、在留カードは「台湾」
になったものの運転免許証は「中国」のままである。正名運動もまだまだ課題
が残るのが現実である。
 この問題でもっとも体を張って行動したのは、何と言っても林建良氏である。彼は、今回の改正
を「日本政府のお詫び」と位置づけた。在日台湾人にとって祖国を否定される忌まわしき国籍表
記であるからだ。
 そして続ける。「更に日本は、今までの償いに誠意を見せなければな
らない。では何をしていただこうか。そう、『日本は台湾を放棄したこと
により台湾は何処にも帰属していない』とはっきり言っていただこう。
 そして、『台湾のことは台湾人が決めること』と国家レベルで言ってい
ただきたい」と咆哮するかのように語った。深く考える必要もない。いた
って当然の主張である。
 この後、次第に来場者が増え250名を越えた。今回、服装はカジュアルとなっていたが、一人、
スーツ姿でいるのは、柚原事務局長。尋ねれば「招く側は、そうはいかないでしょう」というので
「永山さんはカジュアルですが」と言えば、「まあ、彼はね」と、どういう意味でしょうか。ご想像を
 その永山英樹氏は本日、進行役を務める。李
登輝友の会随一の行動派である。
 右側は、池田前駐台日本大使。中華民国時代
から務めた。かつて日本は仮想敵国としてソ連の
存在があったことから中国をある程度「同盟」と
位置づける必要性があったが、しかし今日に至り
中国に対し、そこまで気兼ねする必要はないと述べられた。
 ご存知、黄文雄先生。この日は話しが短かった。
まだまだ、紹介しきれないほど登壇されましたが、スペースが無いので、割愛
させていただきます。
 前述のように課題多き正名運動ですが、一応の成果に本日は、皆上機嫌
である。最後に一人成る程と頷く人がいた。それは青森の女性、出町さん。
台湾から青森へ嫁いだ方である。青森の頑張り要因の
一人なのでしょう。その出町さん林建良さん、永山英樹
さんが正名運動の牽引車となったことから、お三方に
花束が贈呈された。
 これからの運動は、国内では、免許証と意味が幾分
違ってくるが、台湾を中国と記すところへの訂正を求め
る声をあげることでしょう。